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音楽記号

【音楽用語】カデンツの意味と演奏の仕方!表現方法も詳しく


基礎練習でカデンツの練習と言われ、何種類かの和音進行の合奏を行った経験もあるのではないでしょうか。

実はこの「カデンツ」、意味を知るのと知らないのとでは練習効果がかなり変わってくるのです。

 

今回は、カデンツの意味や練習の仕方、どう表現したら良いかについて見ていきます。

まずは、カデンツの意味について確認していきましょう。

【音楽用語】カデンツの意味

実は、「カデンツ」は複数の意味を持つ言葉です。こちらについて、説明していきますね。

カデンツの語源と意味

カデンツにある複数の意味は、ある1つの単語から派生して生まれています。

その語源となった言葉は、cadereです。

この言葉はラテン語で、意味は「落ちる」です。

ここから次の2つの言葉へ派生しました。

 

  • Kadenz(ドイツ語)
  • cadenza(イタリア語)

 

この2つの言葉、もともとは「終止形における和音進行」のことを指していました。

ですが16世紀末頃から「協奏曲のラストに演奏されるアドリブ部分」を指すようになります。

 

やがて日本では、

「終止形の和声進行」をカデンツ(ドイツ語)

「協奏曲のラストに演奏されるアドリブ部分」をカデンツァ(イタリア語)

と呼ぶようになりました。

 

今回詳しく見ていくのは、「終止形の和声進行」の意味合いをもつ「カデンツ」です。

 

カデンツの意味について分かったところで、どう演奏したら良いのか、そのポイントについて見ていきましょう!

演奏の仕方

最初にお伝えした通り、カデンツとは「終止形の和声進行」のことです。

ですが、様々な終止形の中でも、「基本形」と言われるカデンツがあります。

 

オーケストラをされている皆さんは、よくその基本形を演奏しています。

和声感を掴んだり、掴んだ和声感を他の曲に応用したりするために、この練習は必要なものなのです。

 

ということで、今回はこの「カデンツの基本形」の練習方法について見ていきます!

カデンツを練習する際には、次の3ステップで進めていきます。

  • カデンツの分析を行う
  • 和声分析を行い、同じ音のパートを見つける
  • 音に役割を持たせ、演奏する

カデンツの分析を行う

まずは、演奏するカデンツの和声進行がどうなっているか、知ることから始めましょう。

カデンツは次の3種類に分類されます。

A

B

C

注目すべきは、自分たちの演奏している「音名」です。

上の3つのうち、どの音たちを演奏しているのか確認してみましょう。

 

例えば下の譜面です。

音名に注目しましょう。

こちらは「ドミソ」→「ファラド」→「ドミソ」と演奏しています。

ですのでこれはパターンBのカデンツです。

まずはこのように、どのパターンのカデンツかを調べましょう。

 

和声分析を行い、同じ音のパートを見つける

続いて、和声の分析を行い、同じ音のパートを見つけましょう。

和声を分析するには、自分の音のポジションを知ることが大切です。

先ほどのカデンツから、パターンBを例に見ていきましょう。

 

ここで言葉の紹介です。

 

それぞれの和音の中で1番下に積まれているものを「根音」

真ん中にある音を「第3音」

一番上に積まれた音を「第5音」

 

と言います。

 

詳しい内容はひとまず置いておいておきます。

まずは、自分のパートの音に上の3つの名前を付けてみましょう。

例えば「ド→シ→ド」と演奏している人なら、「根音→第3音→根音」といった具合です。

 

その作業が終わったら、自分と同じ音を演奏しているパートをチェックしておきましょう。

第2ステップはここまでで大丈夫です。

 

音に役割を持たせ、演奏する

最後に、ここまで分析してきたことを基に、音に役割を持たせ演奏してみましょう!

・・・ですが、こちらを実際にどう行ったら良いかが分からないという方、多いと思います。

 

そこで、この3ステップ目については次の項目でじっくり見ていきましょう!

 

練習方法

こちらの項目では、カデンツの具体的な練習方法について見ていきましょう!

先ほどご説明したように、多くの場合カデンツは三和音構成で進行していきます。

そのため、まずは1つ1つの三和音の練習方法について説明し、その次にカデンツ全体を通すときの練習方法について見ていきます。

それぞれの和音の練習法

まずは1つ1つの和音を演奏する際の練習方法について見ていきましょう。

1つは、先ほど調べた「和声分析」の結果を使います。

 

根音は土台の音なので深めに、安定した響きを。

第5音は天井の音ですので少しだけ高めに、軽めに鳴らします。

第3音は2パターンあります。

長調の場合は少し低めに、短調の場合は少し高めに取ります。

 

第3音は長調か短調かによって音が変わりますから、イメージとしてはその2種類の音の間を狙うような形です。

 

そしてもう1つは、先ほど確認した「同じ音を演奏する」パートに目を向けます。

 

注目すべきはその「音高」、音の高さです。

 

同じ根音でも、音の高さが低いパートはより深く、上に乗るパートは重くしすぎないよう演奏します。

他の第3音、第5音も同じです。

 

演奏する中でこれらのことを意識し、よりよい響きを目指しましょう。

カデンツ全体の練習

前項では、1つ1つの和音の練習法についてまとめました。

こちらでは、それらをつなげる際にどういったことを意識して練習したら良いか、見ていきましょう。

それはずばり、音と音の間の意識です。

和音が変わる前に、次の和音内での演奏の仕方をイメージしておきます。

そしてそのイメージを持ったまま、次の和音へ移行します。

 

この練習を行うだけで、かなりカデンツ全体のまとまりがつくかと思います。

ぜひ、挑戦してみてください!

 

まとめ

今回はカデンツについて見ていきました。

 

カデンツには2つの意味があり、日本では

「終止形の和声進行」をカデンツ(ドイツ語)

「協奏曲のラストに演奏されるアドリブ部分」をカデンツァ(イタリア語)

と呼んでいるのでしたね。

 

そして今回見ていったのは、「終止形の和声進行」の意味を持つカデンツについてでした。

 

続いて、カデンツの練習方法について、3ステップを使って説明しましたね。

カデンツには定型がありましたから、そちらを覚えることで演奏の助けになるのではないかと思います。

 

カデンツの意味や演奏方法について説明していきましたが、今回は演奏のために必要な部分のみを扱っています。

 

今回深くは説明しなかった和声に関してはとても奥が深いジャンルですので、調べてみてはいかがでしょうか?

 

それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました!