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音楽記号

【音楽記号】マルカートの意味!ピアノの楽譜にあったときの演奏の仕方も


ピアノを始めたばかりの人は、まず音符を読むことや間違えないで弾くことで精いっぱいという方がほとんどです。

もちろんそれが大前提ですが、それ以外にも楽譜に書いてある様々な音楽記号の意味や奏法も、しっかり理解して演奏することが大事です。

 

今回紹介する音楽用語は「マルカート」という音楽記号です。

このマルカートですが、楽譜の中で音符の下側に「marcato」や「marc.」と表記されたり、音符の上側に「縦方向の短い点線」で表記されることが多いです。

ピアノを習い始めた初心者~中級者の方が選ぶ曲にもよく出てくる音楽記号ですので、しっかりマスターして正しく演奏できるようにしましょう。

マルカートの意味は?

ここではマルカートの意味や、マルカートを実際に取り入れている曲を使って具体的に説明していきます。

マルカートの意味について

「マルカート」とは、イタリア語の形容詞で「はっきりとした、目立つ」という意味です。

存在感を出すのか協調させるのか強く弾くのか、言葉で考えてもよく分かりません。
次に説明しますが、実際に他の音楽記号と比較してみると分かりやすいかもしれません。

アーティキュレーションとは

最初にお伝えしますが、ピアノを演奏するにあたり、音の長さを変えたり、音同士を繋げてみたり、アクセントを付けてみたり様々な表現をするための「アーティキュレーション」という言葉があるのを頭に入れておいてください。

アーティキュレーションを無視し、ただ音符をなぞって鍵盤を弾くだけなら、これらの音楽記号の意味が全くありません。

話し言葉に例えると、抑揚のない機械的な話し方と似ていて、これだと聞いているだけでだんだん眠たくなってしまいますよね。

言葉を話す時は強調したい言葉で声が大きくなったり、アクセントがついたりしているはずなので、そのような抑揚と同じような意味と捉えて頂くと良いでしょう。

アーティキュレーションの種類

アーティキュレーションは沢山の種類がありますが、マルカートと比較しやすいものとしてテヌート、スタッカートについて先に少しだけ説明しておきます。

たとえば、四分音符があったとします。

テヌートは音を四分音符分しっかり伸ばします。

スタッカートは1/2の長さで短く切ります。

マルカートはテヌートとスタッカートの中間くらいの長さと思ってください。

だいたいの長さは分かりましたか?

次に強さについてですが、スタッカートよりも少しだけ強めにはっきりと弾くくらいがちょうどいいです。

詳しい奏法については、この後ご紹介する「マルカートの演奏の仕方」でさらに詳しく説明していきます。

マルカートを使用する曲について

では一体マルカートとはどんな場面で出てくるのでしょうか?
感覚を掴むには曲から学んだほうが早いです。

今回はクラシックの初心者~中級者の方であれば、誰もが習った事がある「ブルグミュラー25の練習曲」という教本の中にある「アラベスク」をもとに説明します。

まず、左手の各和音の上についている記号に注目してください。

この記号、一見するとスタッカートのような「タッタッタッ」と短く切って跳ねるように弾くものと勘違いされがちですが
通常のスタッカートの「点」ではなくて、「縦方向の短い点線」になっています。

これがマルカートという音楽記号になります。
出版社によっては、スタッカート表記になっている場合もあります。

これを上手く表現することで、この曲の軽快さをより引き立てる事が出来ます。

マルカートの演奏の仕方

さて、先ほどはマルカートなどの音楽記号の重要性について少し説明しましたが、ここではマルカートの演奏の仕方を詳しく解説していきます。

マルカートの演奏の仕方について

マルカートではなめらかに演奏するのではなく、前の音と重ならないよう、一つ一つの音を独立させ、響きのある音で明瞭に演奏することが大事です。

ただ、はっきりとした音で演奏するといっても、アクセントのように力を込めて強く叩くように弾いてはいけません。
強すぎず弱すぎず、はっきりと明瞭な音を出すことがマルカートには求められます。
長さについては先ほど説明したように、テヌートとスタッカートの中間くらいと考えると良いでしょう。

初心者が気を付けたい事

初心者の方にはもしかしたらちょっと難しいかもしれませんが、このような音楽記号を無視せずに、まずは自分なりに弾いてみる事が大事です。

ピアノを習っている人でよく多いのが、レッスンに来れば上達すると思っている方が多いという事。

はっきり言ってレッスンに来るだけでは稀に見る天才以外上達しません。
上達していく人たちは、レッスン以外にも家や音楽スタジオでしっかり予習復習をしています。

楽器演奏の基本となる譜読み(音符を正確に読むこと)や間違えずに弾く事は、レッスンに来なくてもある程度出来る事です。

ただし、マルカートのような音楽記号をどのように表現したらいいのか、自分の演奏が果たして合っているのかどうか、レッスンでプロの先生に見て聞いてもらって指導を受けなければ、分からないかもしれません。

もしレッスンを受けていない方でも、動画等でマルカート演奏方法が沢山調べられますので、自分の演奏とどう違うのか、よく聞いて気づくことが大切です。

練習方法

マルカートのようなアーティキュレーションを学ぶにあたっては、特に、自分の耳で聴くことが重要になってきます。
様々なアーティキュレーションを弾きわけるためには、アーティキュレーションを聴きわける耳が育っていることが前提です。

英会話の聞き取りと一緒で、英語が読み書きできても、実際に会話が出来ないと日常で約に立ちません。

ここでは、初心者でも家で出来る練習方法をご紹介します。

基本フォームの大切さ

ピアノを弾くにあたり、フォームの大切さをしっかり重要視してますか?
例えば椅子に座すとき、深く腰掛けて足をぶらぶらさせてませんか?
指の形はまっすぐになっていませんか?

スポーツと一緒で、楽器演奏をするにあたり正しいフォームを身につける事はとても大切な事です。

椅子は浅く腰掛け、足はしっかりつけて体の重心を支え、指は卵を優しく握るような感じで丸く構えましょう。

マルカートは手首の動きを工夫する

そして、今回のテーマであるマルカートを弾く際に大事になってくるのが手首の形です。
先ほど説明したスタッカートは手首より先の「手のひらから指先」あたりを使って弾いているのに対して、マルカートは肘から先の「上腕から手首」までを同時に使って弾きます。
こうすることにより、音に深みろ輪郭が出てマルカートが意味する「はっきりとした、目立つ」音が表現できることになります。

まず腕や肩の力を抜き、リラックスすることが大事です。
振り子のような「はずみ」を利用した動きと似ており、自然に上腕が下がり、跳ね返るようなイメージで、重心に任せて上腕から手首までを上下させるようなイメージでやってみましょう。

こういったほんの少し工夫を加えるだけで、音が軽やかになったり重たくなったり、印象に変化を付ける事が出来るのは演奏楽しむ事の一つです。
上達するには、先生や演奏動画の手本を参考にしたり、自分の演奏をよく聴いたり評価してもらう事が大事になってきます。

まとめ

「マルカート」について、初心者の方向けに説明してきましたが、ジャンルで言うと主にクラシックの楽譜で使われることが多いです。

しかしポップスやジャズを弾くにも、マルカートの意味やその他のクラシックで使われる音楽記号を知っておいて損はありません。

例えばポップスのメロディーラインを右手で弾くときに、マルカートやスタッカートなどを使いこなせた方が、曲にメリハリはグルーブが出て、聞いている側に気持ちいい音楽を届ける事が出来ます。

初心者の中には、ちょっと両手で弾けたから満足してしまったり、途中で曲に飽きてしまう方もいますが、今回説明したアーティキュレーションをしっかり意識し、さらに完成度の高い演奏が出来るように常日頃から心がけることがとても大切です。

ピアノだけではなく、楽器演奏、ボーカルなどにおいても共通と言えるでしょう。
まずは出来る事からチャレンジ、気づき、継続が大切です。