バリトンサックスを演奏している人で、楽器は学校のものを使用していたりレンタルしているけど、
せめてマウスピースは自分のものが欲しい!
と思う人もいるんではないでしょうか?
また、自分でバリトンサックスを所持されている人でも、
どんなマウスピースがいいかわからず楽器に付属されていたものをそのまま使用されていたり
「もっといい音にしたいのに!」
と不満を感じているかもしれませんね。
でも、いざマウスピースを購入しよう!と思っても何を選んだらいいのでしょうか?
目次
バリトンサックスのマウスピースを初心者が選ぶときに気を付けることは?
実はマウスピースは楽器本体と同じように、吹く人の体格や体力、技術や欲しい音色によって選ぶ必要があります。
しかしながら、バリトンサックスのマウスピースはアルトやテナーほど店頭に在庫がないことが多く、選択肢がとても低いです。
しかもマウスピース自体の個体差もあるため、同じメーカーや型番でも物によって状態のばらつきがあります。
吹奏感や音が変わってきますので、できる限りたくさんの個数を試奏して、
その中から選ぶようにしましょう!
また、初心者のうちはどのようなものを選んだらよいのかわからないと思いますので、
できればレッスンの先生や十分な演奏技術を持った人に試奏してもらい、選定してもらいましょう。
身近に頼める人がいない場合は楽器屋さんに相談してみるとよいでしょう。
楽器店によってはプロがすでに選定したものを売っている場合もあります。
マウスピースで初心者におすすめメーカーは?
マウスピースはメーカーによってそれぞれ特色もあり好みが分かれますが、
初心者でも音が出しやすいのはティップオープニング(開き方)が狭めで息が入れやすいものです。
では、どのようなメーカーや種類があるのでしょうか?
それぞれメーカーの特徴をご紹介していきましょう。
セルマーでおすすめは?
楽器本体のメーカーとしても有名なセルマーのマウスピースはかなり普及しています。
初心者でも吹きやすい反面、個体差にばらつきがあるので同じ型番でも鳴り方が変わってきます。
S80シリーズ
C☆(ワンスター)、C☆☆(ツースター)、D、E、Fがありますが、
アルファベットが進むほどオープニングが広くなり、コントロールが必要になってきます。
たくさん息が入る人はC☆☆(ツースター)やDのほうが息がよく抜けると思いますので、
吹き比べてみてください。
オープニングの狭さを考えるとC☆(ワンスター)が初心者にはおすすめです。
とても鳴らしやすく、柔らかい音がするので吹奏楽などで好まれて使用されています。
S90シリーズ
こちらは170、180、190、200という型番になっており、
数字が大きくなるほどオープニングが広くなります。
S80シリーズと比べて少し音の立ち上がりがクリアでシャープになっており、
出したい音の好みや奏法によって選択が違ってくるでしょう。
こちらもオープニングの狭さでいうと170がC☆とほぼ同じになっていますので。
初心者の方には170をおすすめします。
バンドレンでおすすめは?
こちらもセルマーと並んで普及しているバンドレンですが、
高性能で作りが良いのでセルマーほどのばらつきはありません。
吹奏楽・クラシック用とJazz用が出ていますので、用途によって選ぶ型番が変わるでしょう。
V5シリーズ
V5シリーズの特徴は、チェンバーがメーカーの伝統的な丸い形になっていることです。
比較的クラシックからジャズまで対応できるシリーズです。
吹奏楽・クラシック用だとB25、B27あたりがコントロールしやすくて
素直でクリアな音がするのでおすすめです。
ジャズ用だとB75、B95あたりがおすすめです。
オプティマムシリーズ
AL3という型番がよく流通しています。
クラシック用に特化されたシリーズで、柔らかい豊かな音がしてピッチも安定しています。
吹いていてとても安定感のあるマウスピースですので、初心者の人にもおすすめです。
ヤマハでおすすめは?
ヤマハの楽器を購入すると付属としてついていることが多いので、一度はヤマハのマウスピースを吹かれたことがあるかもしれませんね。
ではどのような種類があるのでしょうか?
スタンダードシリーズ
ヤマハの楽器を購入すると付属としてついているもののほとんどはこれです。
ソプラノ~テナーには4Cが付属していますが、バリトンサックスには5Cが付属しています。
初心者でも楽に息が入れやすく、吹きやすいシリーズとなります。
カスタムシリーズ
ヤマハカスタムの楽器に付属しているマウスピースです。
3CM~7CMまでありますが、数字が大きくなるほどオープニングが広くなるため、
リードの硬さで調整できるようでしたら、より息が吹き込みやすくなります。
初心者の方だと4CMあたりが吹きやすいでしょう。
ヤナギサワでおすすめは?
ヤナギサワのマウスピースはハードラバータイプとメタルタイプがあります。
それぞれの特徴と違いについてご説明しましょう。
ラバーシリーズ
吹奏楽・クラシック用でしたらラバーシリーズをおすすめします。
高精度で丁寧な仕上がりですので、艷やかで吹奏感がよく、初心者でも安心して使えます。
♯4~8まであり、数字が大きくなるほどオープニングが広くなります。
初心者の方には♯5あたりをおすすめします。
メタルシリーズ
適度なパワーと音量が出せるのがヤナギサワ・メタルの最大の魅力となっており、
コントロールも比較的容易でエッジのあるパワフルなサウンドが楽しめます。
モデルがシルバーメタル、GPメタル、PGPメタルの3種類あり、型番は♯5~9まであります。
初心者ですと♯5~7あたりがおすすめですが、音の好みや吹奏感によって選んでよいでしょう。
クラシックシリーズ
上記のラバーマウスピースに比べてシャンクがわずかに短く、一回り小さめですが、
高温域から低音域までバランスのとれた吹奏感でこもりがちだった中音域もスムーズに息が入ります。
BC200、BC220がありますが、初心者にはBC200をおすすめします。
ジャズとクラシックでマウスピースのおすすめに違いはある?
よくジャズ用とかクラシック用という使い分けをされるようですが、実際には定義はありません。
ただ、それぞれのジャンルで好まれる音の傾向が違っており、
ジャズ
・・・ピッチや音質の変化をつけやすい柔軟性の高いセッティングが好まれる
吹奏楽・クラシック
・・・ピッチや音質に安定感があり他の楽器と合わせた際に混じりやすいセッティングが好まれる
となっています。
そこで、楽器本体・マウスピース・リードなどのセッティングを変えることにより
好みの音色を出せるように調整しているのです。
ジャズでは表現力や個性が出せるため、テーパーが強い(広がる角度が大きい)マウスピースが好まれ、演奏時のノイズやかすれも味になってきます。
そのため、ジャズ用のマウスピースは空間が広く壁を薄くして肉声を活かし、
音質の変化や音量のボリュームアップを求めてメタルのマウスピースを使用することが多いです。
一方、吹奏楽やクラシックでは他の楽器と一緒に演奏するため、
音のまとまりやすくコントロールできるマウスピースが好まれています。
音程を正確に取るにはテーパーがゆるやかな方(エボナイトやハードラバー)が適しているのです。
まとめ
吹奏楽・クラシック用にしろ、ジャズ用にしろ、
マウスピースという楽器の一部のセッティングを変えることで音がまったく変わってきます。
付属でついているマウスピースに不満がなければそれでもいいかもしれませんが、
さらにいい音を出したいと望んだり、理想の音色に近づけるためには
いろいろなメーカーのマウスピースを試してみることをおすすめします!