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音楽記号

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)の意味と使い方!和声の基本をマスタ―


「ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)」という音楽用語は、音楽の初学者がつまずきやすいコードの形の1つです。

このコードが曲の中に出てきたとき、どのようなコードなのか、その意味や使われ方が分からないと表現することができませんよね。

 

今回は、ドッペルドミナント、別名セカンダリードミナントの意味と使われ方について段階を追って説明してきます。

パッと言葉を聞くと難しそうに聞こえるかもしれませんが、1つずつ考えていくことで理解しやすくなる用語でもあります。

ぜひゆっくり確実に理解していきましょう!

まずは、「ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)」の言葉の意味を見ていきましょう。

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)の意味


ドミナントとは

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)を理解するために、まずはドミナントについて見ていきましょう。

 

ドミナントとはコードの形の1つです。

任意の調の5番目の音を根音におき、そこから数えて3番目の音を2つ、重ねます。

それがドミナントコードです。

 

ハ長調を例に挙げ、説明していきます。

ハ長調は「ドレミファソラシド」という音階になっています。

この調の主音は「ド」で。そこから数えて5番目の音は「ソ」です。

「ソ」から数えて3つ上は「シ」、「シ」の3つ上は「レ」です。

つまり、ハ長調のドミナントは「ソ・シ・レ」の和音になります。

ドッペル・セカンダリーとは

次にドッペルセカンダリーについて、それぞれ見ていきます。

セカンダリーは、なんとなく意味が分かる方もいらっしゃるかもしれません。

英語の「secondary」のことを指しており、「第2の」「2番目の」という意味です。

 

そしてドッペルは、ドイツ語の「doppel」「doppelt」のことを指しており、「2倍の」「2重の」という意味があります。

 

つまりドッペルドミナント(セカンダリードミナント)とは、2重でドミナントをかけたコード、ということです。

 

ハ長調のドミナントは「ソ・シ・レ」です。

今度はこのコードの「ソ」を主音として見て、ドミナントを作ります。

 

「ソ」を主音にした音階は「ソラシドレミファ#ソ」です。

この調はト長調と言います。

「ソ」から数えて5番目の音は「レ」です。

「レ」から数えて3つ上は「ファ#」、「ファ#」から数えて3つ上は「ラ」です。

つまり、

ト長調のドミナントは「レ・ファ#・ラ」であると同時に、

ハ長調のドッペルドミナントは「レ・ファ#・ラ」

と言えるということです。

 

次に、ドッペルドミナントはどんな場面で使われるのでしょうか?

それについて見ていきましょう!

 

使われ方


ドミナントの使われ方

まずは、ドミナントの使われ方を見ていきましょう。

よく聴く例として学校のお辞儀の音楽が挙げられます。

どんな風に使われているか意識しながら、聴いてみましょう。

 

いかがでしたでしょうか?

 

1つ目の和音に使われている音はハ長調の主和音(ド・ミ・ソ)で、このコードは「トニック」と言われます。

トニックは最も安定しているコードで、曲の終わりやフレーズの終わりなどに使われます。

 

そして2つ目の和音に使われている音がハ長調の「ソ・シ・レ」であり、このコードは「ドミナント」です。

ドミナントは非常に不安定な性質を持ったコードと言われています。

ドミナントコードは、必ずトニックコードに向かいます。

今回も例にそぐわず、トニックコード(ド・ミ・ソ)に向かい終結しています。

 

 

このトニックコードとドミナントコードの関係性を簡単に表してみると、

トニックは「安定」、ドミナントは「不安定」

ということになります。

人が立っている「安定した状態」にトニックを当てて、腰を曲げている「不安定な状態」にトニックを当てているということです。

 

つまり、ドミナントコードは不安定さを表現したいときに用いられます。

 

ドッペルドミナントの使われ方

 

前の項目で、ドミナントコードは「不安定さ」を表現したいときに用いられることを学びましたね。

では次は、2重のドミナントである「ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)」がどんな時に使われるか、見ていきましょう。

 

1つで不安定なドミナントコードを二重に重ねたら、いったいどうなると思いますか?

この場合、不安定な状態からもっと、不安定になります。

お辞儀の例で言うならば、お辞儀したまま片足立ちをしているような状態と言えます!

 

このような状態にされたらどうでしょう。

「早く元の姿勢に戻りたい!!」と思いませんか?

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)は、こういった早く主和音に戻りたい、安定したい!というアピールをしたいときに使われます。

ドミナントを更に強調したようなニュアンスが出る、と思ってみてください。

 

さて、ここまでドッペルドミナント(セカンダリードミナント)の音楽の中での使われ方について見ていきました。

最後にドッペルドミナントについて一歩先の知識を説明していきます。

 

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)の謎

先ほど、ハ長調の主和音のドッペルドミナント(セカンダリードミナント)は
「レ・ファ#・ラ」という結論を出しました。

ですが皆さん、一度考えてみてください。

ハ長調の音階にファ#という音、ありましたっけ…?

そうです、臨時記号がつかない限り、ありませんよね。

なぜこういった状況になるのかと言うと、ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)コード「レ・ファ#・ラ」は「ソ」を主音にした「ト長調」の中で生まれたドミナントコードで、一時的にト長調からお借りしている和音であるからです。

これについて、具体的に説明していきます。

 

 

短期的に他の調から借りてきた和音のことを借用和音と言います。

借りて用いる和音、言葉通りの意味ですね。

今回の「レ・ファ#・ラ」もト長調から借りた借用和音という扱いになります。

ですからファ#は#のついたまま用います。

現実でも、人から借りたものを勝手に改造してはいけませんよね。

それと同じことと思っていただければ大丈夫です。

 

加えて、コード進行の世界には「限定進行」という決まりがあります。

決まりとして、「その調の何番目の音は必ず何番目の音に行かないといけない」というもののことです。

ハ長調の「ファ」は4番目の音で、4番目の音は3番目の音、つまり「ミ」に向かう、という決まりがあります。

ですが、今回の「ファ#」は、ト長調の中では7番目の音です。

そして7番目の音は8番目の音、つまりその調の主音に向かうという「限定進行」の決まりがあります。

つまり、ハ長調のドッペルドミナント(セカンダリードミナント)に含まれる「ファ#」も、次の和音で「ソ」に向かうということです。

 

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)は、音だけでなくその音の役割まで他の調由来のものであるということで、とても不安定なコードということです。

 

最後に今回のまとめをしていきましょう。

 

まとめ

 

さて今回は、「ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)」について見ていきました。

ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)とは「ある調のドミナントコードの主音」を基にし、その音を主音にして作ったドミナントコードのことでした。

ドッベルに2重の意味があることから、「2重にドミナントをかけた」コードという意味を持っていましたね。

 

また、ドッペルドミナントは非常に不安定なコードでした。

早く安定したい、焦りや不安のニュアンスを出したいときに用いられるのでしたね。

実際に、ドッペルドミナント(セカンダリードミナント)のコードを含む曲を演奏することがありましたら、ぜひ、こういったニュアンスを出してみましょう。

また最後の項目で説明した「借用和音」「限定進行」という音楽用語は様々な場面で現れます。

ぜひ、これを機に少しずつ学んでみることをおススメします。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!