管楽器の中でも値段が高いものとして知られているのはオーボエやファゴットなどのダブルリードです。
リードなどの必需品の値段も高めに設定されていますが、やはり気になるのは楽器本体の値段ではないでしょうか。
「学校や団体の楽器を使っているけど、自分の楽器が欲しい」と思っても、値段の相場がわからなければ、購入の予想も立てられません。
今回はダブルリードの中でも大型なファゴットの値段の相場や、お勧めの楽器などを紹介していきます。
ファゴットの値段の高いものは?
それではまず、いくつかのメーカーのファゴットの中で値段が高いものを見てみましょう。
YAMAHA(ヤマハ 日本)
YFG-811 / 812 … \2,100,000 –
YFG-811C / 812C … \2,400,000 –
TAKEDA(タケダ 日本)
Model 4 … \1,045,000 –
Model 5 … \1,265,000 –
FOX(フォックス アメリカ)
Model 005S … \2,200,000 –
Model 002S … オープン価格
Shreiber(シュライバー ドイツ)
WS 5031 … \1,628,000 –
WS 5071 … \2,321,000 –
楽器の中でメーカーの技術と品質を結集した最上位モデルと呼ばれる高価格・高品質の楽器はオープン価格の設定がされているものが多く、楽器店ごとに値段の開きや付属品・サービスに違いが出てきます。
ファゴットは最上位モデル以外でも値段が高く設定されているため、最上位モデルを購入する際はまず店舗に足を運ぶことが大切になりそうですね!
ファゴットの値段の低いものは?
それでは次に、いくつかのメーカーのファゴットの中で値段が低い物を見てみましょう。
YAMAHA(ヤマハ 日本)
製造なし
TAKEDA(タケダ 日本)
Model 2 … \605,000 –
Model 3 … \825,000 –
FOX(フォックス アメリカ)
Model 017L … \973,500 –
Model 015L … \1,375,000 –
Shreiber(シュライバー ドイツ)
WS 5010 … \929,500 –
WS 5016 … \1,133,000 –
音楽に詳しくない方でも名前を知っている、日本の楽器メーカーのYAMAHAですが、かつては入門機のステューデントモデルを税蔵していました。
しかし今現在は高価格帯のプロモデルのみの生産を行っているようです。
有名ブランドの高価格帯のものと比べるため記載はしていませんが、中国製と思われるファゴットは20万円前後で手に入るようです。
また、高いもの・低いものともに定価での記載となっているため、店舗で購入する場合は店舗独自の割引やフェア価格・現金購入割引などで値引きされる場合があるので、情報の収集は怠らないようにしたいですね!
ファゴットの値段の相場はいくら?
ファゴットの値段の高いもの・低いものと紹介をしましたが、値段の相場はいくらぐらいになっているのか気になりますよね?
品質を問わなければ中国製で20万円と他の管楽器と変わらない値段で買うことはできます。
しかし、安くてよい楽器はファゴットでは少ないのが現状です。
先ほどの紹介の中で一番値段が低いものはTAKEDAのModel 2で約60万円であったように、各メーカーのスタンダードモデルから選ぶとなると50~75万円ほどかかるのが一般的なようです。
また、プロモデルでは100万円が最低で、品質や機構によって200万・300万~と値段は上がっていきます。
中古の場合は使用年数や楽器の状態にもよりますが、元値の4分の3~2分の1の値段で手に入る場合があります。
中古のため、良い状態でいつでも手に入る訳ではありませんが、同じ予算でワンランク上の楽器が手に入る可能性がある、と考えると少し得した気分になりますね!
入門におすすめの楽器と値段
それでは、値段の相場を理解したところで、おススメのメーカーの特徴と値段の方を紹介していきたいと思います。
FOX(フォックス アメリカ)
FOXはアメリカのメーカーで比較的新しいメーカーとなります。
シカゴ交響楽団の首席ファゴット奏者であったヒューゴ・フォックス氏が誰もが優しく正確に演奏できるオリジナルな楽器を、創業から現在に至るまで追求し、コンピュータと最新のテクノロジを取り入れながら音響学的見地・人間工学的見地よりファゴットを制作しています。
- Model 017 NIPPON \973,500 –
通常使うことのないキーやトーンホールを塞ぐことで響きを豊かにするだけではなく、重量の軽減にもつながりました。
音程もメーカーの特徴として安定しやすく、特に女性や小柄な方におススメと言えます。
Shreiber(シュライバー ドイツ)
シュライバーは、元はチェコのメーカーで現在はドイツに拠点を移しています。
1930年代にチェコで制作を始め、1947年にドイツで会社を興すと、高い技術を持つ職人の伝統的な技を最新のテクノロジを合わせ高品質な製品を生み出しています。
演奏家や教育者の協力をも取り入れることで、最上の音色と機動性を常に追求しており、ファゴットの分野でのリーダーとも言えるメーカーです。
- WS 5016 … \1,133,000 –
キーの数が多く、ハンドレストがあるため持ちやすく取り扱いのしやすいジャーマンシステムのファゴットで、柔らかく深みのある音色が特徴です。
コストパフォーマンスに優れ、学生向けまたは学校備品として、初心者から経験者まで幅広くおススメと言えます。
TAKEDA(タケダ 日本)
日本創業の新しいファゴットの制作メーカーです。
高い品質と入手しやすい価格の両立を実現したファゴットメーカーで、東京フィルハーモニー交響楽団でも活躍した竹田雄彦氏が設計と調整を担当しています。
音程のバランスと心地よい吹奏感を重要視して設計・製造され、素材にも高品質なものを用いているメーカーです。
- Model 2 … \605,000 –
低価格ながら高品質なタケダバスーンのヒットモデルで、音程が安定しているのも特徴として挙げられる。
リードの個性を活かした音色を奏でることができ、値段も相まって初心者や予備楽器としての購入もおススメできる。
以上3つのメーカーのおススメモデルを紹介させて頂きました。
価格の面からはタケダ、音程を重視するならフォックス、音色で選ぶならシュライバーといったように、メーカーによってこだわっているポイントは異なっているので、まずは店舗に問い合わせをして取り扱いの確認をお願いします。
また同じ楽器でも、プロの方が試奏を行った選定品を購入できる場合があるので、自分で選べない場合はそちらも合わせて確認するとよいでしょう。
プロの奏者の方に師事している場合は、購入のことを相談する際に選定についても必ず相談しましょう。
モースマンのおすすめ楽器
それでは最後に、今まで触れてこなかったモースマンというメーカーを紹介します。
モースマンはドイツのメーカーで35年ほどの歴史を有しています。
最初は年間150本ほどの生産量でしたが、2014年には製造本数は8千本を突破し、今もなおすべてが現役で使用されています。
モースマンのファゴットは常にその役割を果たすと言われており、伝統の技術と現代のテクノロジが高水準で融合しているからこそ、先に述べたように奏者から高い信頼を得ているのです。
モースマンの最高級モデルは280万円と気軽には手が出せない値段ですが、スタンダードモデルは88万円・98万円と入手しやすい価格帯になっています。
しかし、スタンダードモデルは他社のものと比べるとキィの数が少ないため、2本目の楽器として購入する場合は少し注意が必要となります。
まとめ
ファゴットの値段の相場やおススメのメーカー・機種をご紹介しましたが、気になるメーカーや機種は見つかりましたでしょうか?
ファゴットはスタンダードモデルでも他の管楽器と比べると高価で、買うのを躊躇してしまうかもしれません。
しかし、高価だからこそ各メーカーは素材の品質や音程・音色を追及し、奏者から高い信頼を得ているとも言えます。
また、製造元不明の安価な楽器より、高品質で高価な楽器の方がよい音が鳴り、同じメーカーで価格帯の違う楽器を試奏すると、その違いは顕著に現れます。
プロの方に選んで頂くことも可能ですので、予算には余裕を持って楽器選びに向かいましょうね!