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コントラバス

コントラバス用松脂の使い方!実際の塗り方や効率的にお手入れをする方法


バイオリンやビオラ・チェロそしてコントラバス、と弦楽器は毛を張られた弓で弦をはじいたり弾いたりして震わせることで音を出しています
本体に張る弦の種類も大切ですが、弓に張られている毛、そして毛に付ける松脂も演奏に重要なポイントになっています。

弦や毛に気を使って、少し高いものや先生のおススメを使う方は多いかと思いますが、松脂まで気を使うことは中々無いのではないでしょうか。

また、使い方がよくわからない・指導者が詳しくないなど、松脂に関してはお困りの方もいらっしゃると思います。
松脂には楽器ごとに専用のものがあり、違う種類のものを使うと演奏に支障をきたし、思ったように演奏できません。

せっかくの練習・本番ですから、正しい準備をし演奏に臨みたいと思いませんか?

今回は、コントラバス用松脂の効果や塗るタイミング・使い方と種類・選び方に関して見ていきましょう。

コントラバス用松脂の効果


松脂の効果

それではまず、弓に付ける松脂の効果に関して見ていきましょう。

冒頭で弦楽器は弦を震わせて音を出すと書きました。その中でも、コントラバスなど吹奏楽やオーケストラの弦セクションで用いられる5パート・4種の楽器は擦弦楽器と呼ばれる分類になります。

この擦弦楽器は、張力をもって張られた弦を棒や弓などで刺激を与えることで振動を発生させ、その振動をボディで共鳴させることで音を発します。
そのため、弦に刺激を与える弓には馬の尻尾の毛など摩擦の大きいものを使い、松脂を塗ることで与える摩擦を大きくするのです。

松脂は松から採れる樹脂に油や柔軟剤などをメーカー独自の配分で混ぜ合わせ作られているため、メーカーごとに音や特性が違います
また、松脂にも楽器ごとに専用のものがあるため、コントラバスの場合は特にこだわりが無い限りコントラバス専用のものを使うことをおススメします。

コントラバス用の松脂と他の楽器用の松脂の違い

コントラバス用の松脂の特徴として挙げられるのは、粘性の高さです。

コントラバスの弦は太い為、弦をしっかりと捕まえて音を出す為に粘度が高くなっています。
逆にバイオリン・ビオラ・チェロの弦はコントラバスと比べて細いため、松脂の粘度は低くなっているのです。

コントラバスのソロ・コンサートで演奏する際に、バイオリン用の松脂を混ぜて使うプロの方もいますが、吹奏楽では弦の響きが重要視されるため使用する機会はあまり無いかと思われます。

また、コントラバス用の松脂は他のものと比べて柔らかい為、保管の際には注意が必要となります。

コントラバス用松脂を塗るタイミング


松脂は練習・演奏前には必ず付けるようにしましょう。

先ほど述べたように、松脂は弦への食いつきをよくする為に使うものですので、使わずに演奏しようとしても楽器は上手く鳴ってくれません。

ですので、練習中に意図せず音量が小さくなった場合、疲れて集中力が切れている松脂が足りなくなっているかのどちらかがまず考えられるので、少し休憩を取った後に松脂を塗りなおして練習を再開してみましょう。

合奏中は休憩や、他のパートが指揮者の先生に捕まっている時間があるので塗るタイミングには困ることは無いでしょう。

本番中に関しては、正しい塗り方をして無茶な使い方をしない限り休憩や転換まで十分に保つと考えられるため、心配することは無いと思いますが、もし塗る必要が出た場合は楽章や曲の合間など、演奏が停止している場面で塗ることをおススメします。
休符で手を止めている合間に塗ろうとして松脂を落とし、ダイナミクスがピアニッシモだったら想像するだけでゾッとしますよね!

また、「本番前は緊張するので、精神を落ち着かせるため松脂を弓に塗りこむ」という弦楽器奏者もいるのですが、コントラバスに関しては、楽器は常に舞台上にあることが多いので入場そしてオープンチューニングの前に松脂などの準備は終えておくようにしましょう。

コントラバス用松脂の使い方

松脂の塗り方は、教則本などでも詳しく解説はされていないことがあり、自己流で何となく塗ってしまっている方も多いかと思います。
また、合奏やレッスン中に「音が小さい」と指摘されることもあるのではないでしょうか。

音が小さい場合は松脂をしっかり塗ることで改善が見込めるため、正しい塗り方をマスターして練習に挑みましょう!

では松脂の塗り方です。

片手でしっかりと松脂を、もう一方の手で弓を持ち、松脂に弓をしっかりと押し当て2~3回弓を滑らせる

以上のように松脂を弓に塗ってください。

弓を固定して松脂を擦り付けるとコントラバスの場合は松脂が均等に塗れないため、少し圧力を加えて弓の毛の根元か先から松脂を一直線に滑らせるようにしましょう。
この時、松脂に弓の毛の跡がついていたらしっかりと塗れたと考えられます。

2~3回と回数はあくまで平均的な回数を挙げているので、温度や毛の状態で多少増減し、暑ければ少なめ、寒ければ多めとなります。
また、大量に塗りすぎるとガリガリとした音になるので、弾きながら松脂を落としていき、弦についた松脂の粉はタオルで拭き取るようにしてください。

また、松脂は温度変化に弱くどう扱っても溶けることがあるため、保護材をすべて取り除き、耐熱のカップやビニール袋などに入れ、箱に直接触れないようにしてからしまいましょう。

コントラバス用の松脂の種類と初心者の選び方


ではコントラバス用の松脂にはどのような種類があるのでしょうか。

プロ・アマ問わず王道と呼ばれているのは
コルスタイン(アメリカ)
ポップス(アメリカ)
カールソン/ニーマン(スウェーデン)

以上の3種となります。カールソンとニーマンは同じ企業で作られており、輸出先によって名称が変わっています。

これら3種は柔らかめで粘度が高く、初心者の方にもおススメできる松脂になっています。
価格は二千円~高くても三千円以下で売られていることが多いです。

千円以下で売られている松脂(ペッツなど)もありますが、まずはコントラバス用のものか確認して購入するようにしてください。

松脂の選び方ですが、先ほど挙げたコルスタイン・ポップス・カールソン/ニーマンの中から好きなもの・使っているものを選んでください。

この中で溶けにくく夏の使用に耐えうるのはコルスタインのウルトラオールウェザー(蓋に金地に箔押しでAWの表記があるもの)になり、全天候対応型と銘打って販売されていますので、夏でなくとも使用することが出来ます。
そのため普段は別の松脂を使い、年度が明けてコンクールの終わりごろまでコルスタインを使うなどといった使い方も出来るのです。

紹介したものの他にも沢山の松脂がありますが、塗る量に気をつければ問題は無いので、ぜひ新しいものにチャレンジしてお気に入りを見つけましょう!

まとめ


今回は、松脂の効果と塗るタイミング、コントラバス用松脂の使い方と種類・選び方を見ていきました。

擦弦楽器の仕組みはどれも同じですので、松脂は何を使ってもいいと思いがちですが、コントラバスはコントラバス用の松脂を必ず使用するようにしてください。
その逆で、チェロやバイオリンなど他の楽器にコントラバス用の松脂を使うと、最悪の場合弦と弓の交換が必要になるため間違えないように気を付けてください

いまいち効果が実感できず、夏は溶けて余計に手間が掛かる松脂ですが、使い方を身につければ自らの演奏をサポートしてくれる心強い味方となります!

道具の正しい使い方を身につけて、練習を続けていってくださいね。