ファゴットを演奏する時にかかせないリード、最近は店舗に足を運ばなくても入手ができるようになってきました。
しかし、店舗と通販どちらで購入するとしても初心者の内はメーカーごとの違いはイマイチわかりづらく、店舗で選定をさせてもらう場合も1人ではうまく選べません。
せっかく買うなら、自分の理想の吹き方ができるリードを手に入れたいですよね?
今回は、そんなリードの種類やメーカー、値段の相場そして選定の仕方を見ていきましょう!
ファゴットのリードの種類・メーカー
ファゴットのリードの種類
ファゴットのリードは植物(ケーンと呼ばれる蘆の一種)で作られているのはご存知かと思います。
クラリネットやサックスのリードも同じく植物から作られているのですが、実は樹脂製のリードも存在しているのです。
この樹脂製リードですが、2015年ごろにファゴット・オーボエ用も発売されています!
従来のリードと樹脂製リードは準備と調整の面に違いがみられ、従来のリードは、演奏前に水へ漬けてリードの開きを調整しなければなりませんでしたが、樹脂製リードはケースから出してそのまま吹くことができるので、コンディションは変わりにくくなります。
そして樹脂製のため従来のものと比べて劣化は起こりにくく、ブレードやワイヤーに手を加える細かい調整をする必要がありません。
(先端部分は特に薄く作られており、従来の物のように手を加えると破損の恐れがあるため推奨はされていない)
・ファゴットのリードのメーカー
では、ファゴットのリードはどのようなメーカーから発売されているのでしょうか。
有名なブランドは以下の通りです。
- 日本ダブルリード(JDR)
- GALAX
- バイクマン
- ホーステンス
- レジェール
日本ダブルリード(JDR)はオーボエ・ファゴットの専門店で、ダブルリード専門店としては世界で最も大きい会社になります。
リードの生産だけではなく、楽器・アクセサリーの販売、リペアなどダブルリードに関して大きな信頼を得ている会社となるので、利用したことはなくても、名前を耳にしたことはあるのではないでしょうか?
そして、先述の樹脂製リードを生産しているレジェールはカナダのメーカーで、一回に限りリードの番手交換を行っていますが、ファゴット・オーボエのリード交換は行っていないようなので注意が必要です。
また、楽器店での取り扱いはまちまちですが、個人で評判のいいリードを制作しているマイスターの方もいらっしゃいます。
個人製作のリードは通販やオークションなどインターネットを通して販売していることが多く、欲しいリードが楽器店に入荷しているのかは店舗スタッフや実際に使っている人に話を聞いてみてください!
値段の相場
ダブルリードは、最後の糸巻きの部分やその他の調整に手間がかかるため、1枚3,000円前後の値段で販売されています。
クラリネットやサックスなどのリードは1箱10枚入りで3,000円からの販売が多いようなので、1箱の中から使えるリードを選ぶと考えると価格の差は感じられないのではないでしょうか。
そして、1枚3,000円前後と書きましたが、安いものでは2,300円くらいから、高いもので20,000円前後と価格には開きがあるようなので、安いものを買って自分好みに調整するのか、価格は気にせずに吹きやすい物を選ぶのか、など試行錯誤は必要ですが選択の幅は広いと言えます。
また、慣れるまでは失敗が続きますが、器具をそろえれば材料費だけでリードを自作できるので、そちらにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
ここまで、リードの種類やメーカー・値段の相場についてみてきました。
次はリードを買う際の選び方をご紹介します。
ファゴットのリードの選び方
リードの選定をする際の準備として、在庫の確認が必要になります。
電話やメールなど、店舗によって違いはありますが、メーカー・モデル名を伝えて、試奏したい旨を伝えれば快く対応してもらえるはずです。
部活動などで、楽器店のスタッフが来校し消耗品の販売やリペアの対応を行っている場合も、上記の旨を伝え来校時に選定を行えるようにお願いしてみましょう。
もし、時間・物理的に難しい場合はメーカー・型番を伝えて何本か送ってもらい、その中からリードを購入できるか店舗に確認が必要となります。
ここからは、実際に選定を行う際のポイントを見ていきます。
まずは楽器に付けて試奏を行う前にリードの状態を判断し、試奏するリードを選びましょう。
リードが完全に乾燥している状態での先端の開き具合
なるべく左右対称で、開きがきれいなものがよいとされています。
リードの開きを指の腹で押えた時に、両サイドからではなく中央部から閉じていくものは調整が効かないため、候補からは外します。
空気漏れの有無
リードの先端部分を指の腹押さえ完全に閉じ、反対側から強く吸い上げ舌で挿入口を塞ぎ真空状態を作る。
先端部の指を離し真空状態が解除される時に、舌先へリードが数秒くっつくと共に開きが戻り「ポン」というポップ音が鳴る。
このポップ音が鳴らないリードは両サイドから息が漏れているので、信用度は低くなります。
クロウ(リードだけで吹いたときの振動音)
リードを軽くやや深めにくわえ、緩やかに息を送り込む。
多くの倍音が混ざった細かい振動音を得られる物を試奏にまわす。
上記の状態確認はリードの候補を絞り込むために必要になりますので必ず行いましょう!
次に、試奏をしてリードの詳しい確認に入りますが、演奏中のリードの開き具合で確認するために、行う際は水を含ませて先端部がかなり開いた状態のリードを5~10分ほど吹き続けて、開きが閉じて止まった状態にしてください。
試奏での確認の際は
- 低音域
- 中音域
- 高音域
の順番で、低音域のピッチは安定しているか、中音域はロングトーンでクレッシェンドをした時に響きは維持できているか、高音域は楽に響くかの3つと、それぞれの音域でp・ppの発音が楽にできるかを確認します。
高音域が楽になるリードは低音域のレスポンスが悪くなりますが、各音域のバランスがよく自分の好みに合うリードを購入しましょう。
初心者お勧めリード3選
最後に、初心者の方にお勧めのリードを3つ紹介しますので、選定をする際に今自分が使っているものに加えてみてください!
JDR M(日本ダブルリード)
JDRシリーズの中で人気のリード。やや抵抗感がありますが、吹きやすく初心者から上級者まで幅広く使われています。
Rモデル(GALAX)
ファゴット奏者の小山理恵さん作成のリード。とにかく吹きやすく、中高生に特にお勧めです。
ファゴットリードM・MH(レジェール)
記事中に何度も登場した樹脂製のリード。従来のリードに慣れてきたらこちらを使用することで、練習量によっては月のリード代も抑えられます。
まとめ
ファゴットのリードの購入・選び方に関して紹介していきました。
様々な種類のリードがあり、記事中では紹介しきれなかった部分もありますが、いかがでしたか?
選定は気の遠くなるような作業で、とても大変ですが、最適な1本を見つけた時の喜びはとても大きく、練習のモチベーションアップにも繋がります。
ぜひ、お気に入りの1本を探してみてください!