オーバードライブ/ディストーションなどのサウンドの特徴や比較をしながら、ハムバッカーに合うおすすめ歪み系エフェクターや選び方のコツを紹介をしていきます。
まず初めに知っておいてほしいことは「ハムバッカー専用の歪み系エフェクター」というものは存在しません。しかし、相性の良いモデルというものはあります。
更に「ハムバッカーと相性が良いから、シングルコイルとは相性が悪い」というわけでもありません。
そして、ハムバッカーにも種類がありますので、歪み系エフェクターの話題の前にハムバッカーについて解説するところから始めます。
ハムバッカーの構造・種類・音の特徴
ハムバッカーの主な特徴は以下の通りです。
- ハムバッカーはシングルコイルを2基並べた構造。
- シングルコイルよりも出力が高く、ノイズが少ない。
- 電池駆動するアクティヴ・タイプと電池を使用しないパッシヴ・タイプがある。
アクティヴ・タイプはパッシヴ・タイプに比べるとノイズが更に少なく、エフェクターのかかりも良いですが、ギター・プレイの細かいニュアンスが出しにくいのが特徴です。
そして、ハムバッカーはシングルコイルよりも出力が高いことから、全く同じセッティングで歪み系エフェクターをかけてもシングルコイルよりも歪みます。
続いては、歪み系エフェクターの種類を解説していきます。
歪み系エフェクターの種類
歪み系エフェクターは大きく分けて3つのタイプがあります。
- オーバードライブ
- ディストーション
- ファズ
この3つの特徴を詳しく解説していきます。
オーバードライブ
オーバードライブはアンプのチューブ管をフルドライブさせたようなマイルドなトーンが特徴です。(モデルにより歪み具合や音質は全く異なります)
ディストーションよりも歪みが弱いものがオーバードライブと言われていますが、モデルによってはディストーション並みに歪むものも沢山あります。
サウンドは太く温かみのあるものや、粒立ちの良いザラついたものがあります。
ディストーション
ディストーションは一般的に、オーバードライブより歪むエフェクターと言われており、鋭く荒々しいサウンドが特徴です。
歪みを弱くするとオーバードライブ的なサウンドを出すことも可能です。
ファズ
ファズは最も古い歪み系エフェクターで60年代にリリースされました。
よくオーバードライブやディトーションと比べられることがありますが、ファズというエフェクターはオーバードライブやディストーションとは全く別物です。
モデルにより太く温かみのあるサウンドが鳴るものや、荒々しく過激な歪みサウンドが鳴るものまであります。
過激に歪ませてもギター本体のボリュームを絞れば綺麗なクリーン・トーンに変化するのもファズの特徴です。
ファズはブリッジ・ミュートをしたギター・リフの演奏には向かず、カッティングなどのコード・ストロークやソロに向いています。
歪み系エフェクターの詳しい機能や効果・音作りは
「エフェクターの種類と効果一覧!ギター/ベース/シンセ/DAW/プラグイン対応!」を参考にして下さい。
続いてはハムバッカーに合う歪み系エフェクターの選び方を解説していきます。
ハムバッカーに合う歪み系エフェクターの選び方
エフェクター選びですが、基本的には実際に楽器店で試奏して、気に入ったものを選ぶのが1番です。実際に自分のハムバッカーを搭載したギターで試すようにして下さい。
基本的にどのエフェクターもハムバッカーには合いますが、中にはハムバッカーで演奏するようには設計されていないものがあります。
それはシングルコイルを使用しているギタリストのシグネチャー・モデルです。
シグネチャー・エフェクターを発売できるギタリストは多くはいませんが、シングコルイルを使用しているギタリストのモデルは避けた方が良いです。
続いてはハムバッカーに合う歪み系エフェクターを紹介していきます。
ハムバッカーに合う歪み系エフェクター5選
ハムバッカーと相性が良く、更にサウンドのクオリティーも非常に高い、おすすめのモデルを紹介します。
WEEHBO DUMBLEDORE-2
ハンドメイド・ギターアンプの最高峰とも言われている「Dumble」の「Overdrive Special」のサウンドを参考にしたオーバードライブです。
ダンブルは誰でもオーダーできるメーカーではなく、メーカーがギタリストを選ぶので中々、ダンブルのサウンドは鳴らしたくても鳴らせないサウンドです。そのダンブルのサウンドを100%まではいかないものの再現しているエフェクターです。
太く温かみのあるサウンドで、ダンブルを意識しているだけあり、音のレスポンスも非常に速いです。
ラリー・カールトンやロベン・フォードといった、ハムバッカーを搭載した技巧派ギタリストが愛用している素晴らしいエフェクターです。
ハムバッカーと相性が良いエフェクターの中では最もおすすめのモデルです。
Hughes&Kettner/TUBE FACTOR
アンプのプリ管などでよく使用される12AX7を搭載し、本物のチューブ・サウンド、チューブ・コンプレッションを再現しています。
サウンドは深く歪むモダン・ハイゲインというよりは、軽めのクラシック・ドライブですのでブースター的に使用も可能です。
MXR DD-11 DIME DISTORTION
パンテラのダイムバック・ダレルのシグネチャー・ディストーションです。
こちらはトランジスタ・アンプのサウンドを再現した構造でローエンドのキレが凄く歯切れ良く、サウンド自体は鋭く攻撃的です。
サウンドにシビアなダレルのモデルなだけあり、ハイクオリティーなエフェクターです。
VEMURAM Myriad
ファズは基本的にシングルコイルと相性が良いので、ハムバッカーにはおすすめしていませんが、もし選ぶならこのMyriadが良いと思います。
まず、VEMRAM製という時点でハイクオリティー・サウンドは約束されています。更に、ブルース・ギタリストのジョシュ・スミスが10年間温めていたというアイディアを実現したものなだけあり素晴らしいサウンドです。
Sobbat DB-1
このモデルはゲインを上げればディストーションに、ゲインを絞ればオーバードライブとして使用することが可能です。
Sobbat製のエフェクターは全てハイクオリティーです。本当にギターが弾ける人が開発したエフェクターなので、ギターやアンプの鳴りも全て考慮して制作されています。
複数弦のコードを弾いても、1本1本の輪郭がしっかりと出ていて、綺麗に重なるように鳴ってくれます。
まとめ
様々な歪み系エフェクターを紹介してきましたが、サウンドの要となるのはピッキングやフィンガリングです。どんなに高価なエフェクターやアンプを使用しても楽器自体をしっかりと鳴らせていなければ、良い音は鳴りません。
そして、音はエフェクターで音を作るのではなく、両手で基礎となるサウンドを作り、更にアンプのセッティングをしっかりして、そこにエフェクターで不足している要素を追加するものです。
また、エフェクターはネットのサンプル動画や公式サイトの解説だけを参考に選ぶことはしないようにして下さい。必ず楽器店で自分のギターを使用して試奏することをおすすめします。
楽器店で試奏の際も、大型の良いアンプではなく自宅で使用しているものか、それが無ければ似たような商品を使わせてもらうようにして下さい。
良いアンプで鳴らせば当然、良いサウンドが鳴りますが、特に初心者の方やアマチュアの方が実際にエフェクターを使用するのは自宅が多いと思いますので、自宅と同じような環境で試奏するようにしましょう。
※楽器店側には良いアンプで鳴らし、良いサウンドだと錯覚させて販売するというマニュアルがあります。
この記事を歪み系エフェクター選びの参考にしてみて下さい。