ドラムを始めてみたけれど、上手く叩けなかったり、マメが出来て痛かったり、すぐに疲れてしまったりしませんか?
実は、ただ握っているだけのように見えるスティックにも持ち方に種類があり、正しいスティックの持ち方をすれば、叩き具合や疲れ具合が変わってきます。
今回はドラムを練習する上で必要不可欠な、ドラムスティックの持ち方について紹介していきたいと思います。
ドラムスティックの持ち方
スティックの持ち方は大きく二つあります。
一つ目は「マッチド・グリップ」と言う基本的な持ち方です。
二つ目は「レギュラー・グリップ」もしくは「トラディショナル・グリップ」と言うマーチングやジャズなどの持ち方です。
それでは、それぞれの持ち方について見ていきましょう。
マッチド・グリップ
ドラムを叩く上で基本的な持ち方がこの「マッチド・グリップ」です。
机に置いてあるものを上から取る感覚で握る持ち方なので、初心者にも優しく自然に叩ける持ち方になります。
マッチド・グリップの持ち方
① スティックの1/3くらいの所に人差し指の第1関節をあてます。
② そのまま人差し指と親指でスティックをつまみます。
この時、親指が真っすぐになるようにつまみましょう。イメージとしては親指の側面が手のひらにくっつくように持つと良いと思います。
③ 残った中指・薬指・小指はスティックに「軽く添えるだけ」です。
この「軽く添えるだけ」という言葉はよく言われる言葉なので覚えておきましょう。
これで「マッチド・グリップ」の持ち方は完成です。あとは手首の向きによって3種類の名前が付いているので一緒に覚えておきましょう。
ジャーマン・グリップの持ち方
手の甲を真上にすると「ジャーマン・グリップ」になります。
上下の動きがしやすくなるため、音の調整がしやすいという特徴があります。
フレンチ(ティンパニー)・グリップの持ち方
親指を真上にすると「フレンチ(ティンパニー)・グリップ」になります。
上下に大きく動かすことは出来ませんが、細かく叩けるのでロールするときに向いています。
アメリカン・グリップの持ち方
ジャーマン・グリップとフレンチ(ティンパニー)・グリップの中間くらいの持ち方をすると「アメリカン・グリップ」になります。
手首の向きを意識する必要があるジャーマン・グリップやフレンチ(ティンパニー)・グリップと違い、自然な向きなので握りやすい持ち方です。
以上が「マッチド・グリップ」になります。「ジャーマン」「フレンチ」「アメリカン」でそれぞれ特徴があるので使い分けましょう。
では、もう一つの持ち方である「レギュラー(トラディショナル)・グリップ」を見ていきましょう。
レギュラー(トラディショナル)・グリップ
マーチングやジャズでよく見る持ち方です。ただ、ドラムでは左手だけこの持ち方をします。
マッチド・グリップと比べて大きな音は出しづらいですが、細かな動きが出来るため音の強弱を出しやすい特徴があります。
レギュラー(トラディショナル)・グリップの持ち方
① スティックの1/3くらいの所を親指の付け根ではさみます。
② 薬指と小指を握り、スティックを薬指の第1関節と第2関節の間にのせます。
③ 人差し指と中指をスティックの上から添えます。
④ 右手はマッチド・グリップで持ちます。
これで「レギュラー(トラディショナル)・グリップ」の持ち方は完成です。
注意点としては、左手と右手で持ち方が違うので左右の音量のバランスをとるのが難しいというのがあります。そのため、最初はマッチド・グリップで練習をして、必要に応じてレギュラー(トラディショナル)・グリップを使うようにしましょう。
以上がドラムスティックの基本4種類のグリップです。正しいグリップを身につけて練習をしていきましょう。
叩いてみたら音が大きい・小さいどうしたら良い?
実際に叩いてみたら、音が大きかったり小さかったり・・・そんな経験ありませんか?
なぜ思ったように音が出せないのか、考えてみましょう。
利き手の音は大きくなる
何かをするとき、利き手のほうが使いやすいですよね?ドラムでも同じことが言えます。
右利きの人で、シンバルの音は大きいのにスネアの音が小さい。
左利きの人で、スネアの音は大きいのにシンバルの音が小さい。
このように思ったときは、利き手の音が大きくなっているのが原因です。
対策としては、利き手じゃない方の手の音量に合わせるのが簡単ではありますが、この機会に利き手じゃない方の手の叩き方を重点に練習しても良いと思います。
叩いている場所が合っていない
もう一つ考えられるのは、スネアやクラッシュシンバルなどの叩く場所が合っていないことです。
スネアを叩くとき、同じ力でも中心を叩けば大きな音が、リム側を叩けば小さな音が出ます。ただ、スネアは中心を叩くのが基本ですので、スネアの中心を叩けているか確認しましょう。
クラッシュシンバルを叩くときは、スティックのどの場所で叩いているかによって音量が変わります。スティックの腹で叩けば大きな音が、チップ側で叩けば小さな音が出るので、スティックのどこで叩いているのか確認しましょう。
手の皮がむける・痛い原因と対策
たくさん練習していると、手の皮がむけてしまったり、手首が痛くなったりします。そういったときはどうすれば良いのでしょうか?
手の皮がむけてしまう・指が痛いとき
手の皮がむけてしまったり、指が痛くなってしまうのは、スティックを持つ手に力が入りすぎているのが原因です。
マッチド・グリップの持ち方のところで紹介した「軽く添えるだけ」という言葉はここで生きてきます。手の皮がむけてしまったり指が痛いときは、この「軽く添えるだけ」をおさらいするチャンスですので、この機会にスティックの持ち方をおさらいしてみると良いと思います。
また、皮がむけてしまったときは、絆創膏がおすすめです。手の痛みを緩和してくれるだけではなく、痛い部分には力が入りにくいので練習する際に必要な力加減が身につくと思います。
手首が痛いとき
手首が痛くなってしまうのは手首に力が入りすぎているのが原因です。大きな音を出そうとすると、手首を大きく曲げて叩くため、手首を痛めやすくなってしまいます。
そんなときは「叩いてみたら音が大きい・小さいどうしたら良い?」で紹介した、ドラムの叩く場所を確認してみましょう。
まとめ
今回はドラムスティックの正しい持ち方基本4種類と、ドラム初心者にありがちな事の対策について紹介しました。
慣れるまでは持ち方に違和感があるかもしれませんが、スティックを正しく持てれば力加減も正しく叩けますし、疲れづらくなる利点があります。
正しい持ち方で楽しく練習が出来るよう心がけましょう。
また、慣れてきて自己流に走ってしまい、納得のいくドラムが叩けなくなったとき、スティックの持ち方をおさらいしてみてください。
「初心忘れるべからず」
どの分野でも言えることだと思います。初心を忘れることなく、楽しく、堂々としたドラムを叩いていきましょう。