エレキギターにはレスポールやストラトキャスターなどいろいろなタイプがあって、ギター自体でも音色が異なりますが、エレキならではの音色効果で更に幅広い表現をするのに便利なのが「エフェクター」です。
自分の音楽指向によっても使うものが変わったり、セッティングが違ったりしますが、今回は「コンプレッサー」についてお話ししたいと思います。
コンプレッサーには弾いた音を長く出し続ける効果や、クリーンな音をちょっとポップにする使い方もあります。
値段も比較的安めのものが多く、初心者にはおすすめです。どんなものがあるのか、ちょっと見ていきましょう。
ギター用コンプレッサーの選び方
コンプレッサーは音楽ジャンルに関係なく、多くのギタリストが使っています。ただ、ディストーションのように派手に音色を変えるわけではないので、よく聞かないと使っているのかどうかわからないことも。さりげなく使って安定した音を出せる「縁の下の力持ち」的なツールです。バッキングにも、ソロにも、ロックにも、ジャズにも、オールラウンドに使えますね。
ネットでコンプレッサーを調べても、多くのものが見つかって何が何だかわからないですよね。エフェクターボードにたくさんセットすると結構な重さになるので、軽くてちいさいものを選ぶのもおすすめのポイントですが、最後は自分の好みとお財布の中身との相談です。特に初心者の場合は操作するノブの数も気になるかもしれません。フットコントロールタイプのコンプレッサーだとノブは2~4個が主流。ノブが多すぎると複雑になりますので、はじめは2つくらいのものを買って、うまく使えるようになったらいろいろなコントロールができるものを買ってもよいかもしれません。でもノブが少ないからと言っても質が悪いわけではありません。一流ギタリストでもノブ2つのものを使っていますよ。
それでは次のコーナーでは、数多くあるコンプレッサーの中から、いったいどれを選べばいいの?と悩み皆さんに、おすすめのコンプレッサーをランキングでご紹介しましょう。
ギター用コンプレッサーペダルおすすめランキング
1位 : Xotic SP Compressor
アメリカのエフェクターブランドXoticが発売しているコンプレッサー。
ヴィンテージサウンドや今の時代に合ったサウンドまで作り出してくれる人気機種です。
小さなボディでノブも2つととてもコンパクト。グリーンのライトがとてもきれいに光って、ついついONで使いたくなってしまうかも。
他のコンプレッサーにはない「BLEND」というノブがあり、原音とエフェクト音を混ぜる(ブレンド)する効果をコントールできます。この効果により、いわゆる「コンプレッサーがかかってる」的な印象を少なくしてくれるようです。
重さも260グラムとかなり軽く、重くなりがちなエフェクターボードの軽量化にもいいですね。電池でもAC電源でも使えます。
お値段は16,000円ほどなのでコンプレッサーとしては比較的安い方でしょう。
2位 : MXR M-102 DNYA COMP
数多くのエフェクターをこの世に送り出してきたジムダンロップ社による伝統的ブランドMXR。一目でMXRとわかるデザインは1970年代から長年販売し続けられている名機です。あのイングヴェイも使っているそうですね。
ノブはOUTPUTとSENSITIVITYの2つしかなく、コントロールがシンプルです。とにかく音を伸ばすというコンプレッサーの原点を重視しているのでしょう。ノブも大きいので操作しやすく、ライブの演奏中でも重宝しそうです。
8,200円とかなりお小遣いにやさしいのも人気の秘密かもしれませんね。
3位 : BOSS Compression Sustainer CS-3
日本を代表するエフェクターメーカーであるBOSS。多くのギターキッズがこのBOSSのエフェクターを利用してきたといっても過言ではないでしょう。
統一感のあるデザインと、踏み間違いがない安定感のあるスイッチ。
足が踏むスイッチ部分に大きくゴムが張られていて見た目的にも更に踏み間違いがなさそうで安心できます。楽器店のエフェクターコーナーでも昔から目立っていた覚えがあります。
サウンド的にはノイズを入れずに音を増幅させる効果が高いので、クリーンサウンドに威力を発揮します。
ノブは4つあるので少々小さくつまみにくいようにも感じますが、足で間違って回してしまいにくいボディ形状なので一度ノブを合わせればあまり気にならないでしょう。
1986年から販売継続されていて、多くのギタリストから支持されているのがわかります。
正しい使い方
コンプレッサーは、ロングトーンの音を出す効果と、ポコポコとしたポップな音を出す効果、そして音のばらつきを均一にまとめる効果があります。他のエフェクターとの組み合わせで、表現方法も変わります。
例えばロックの中で使うなら、ディストーションと組み合わせたソロで使うのが一般的。ディストーションで音を歪ませると、それだけでも短音が長い時間続きます。そこに加えてコンプレッサーを使うと、これでもかってくらいロングトーンのサステインが得られますよ。
ジャズやフュージョンのようにクリーンサウンドや軽いブーストサウンドを出す場合にもコンプレッサーは多用されています。フュージョン界の大御所ラリー・カールトンやリー・リトナーなどは
「クリーンなのに何でこんなにサステインが??」
と感じるくらいのロングトーンを奏でてくれます。
これはフィードバックを活用していることも多々ありますが、コンプレッサーのなせるワザと言っていいでしょう。
クリーンなバッキングやカッティングでは、ピッキングのバラツキによる音の強弱を安定させ、
「おっ、コイツいい音を出してるな」
的な印象を与えることもできるでしょう。
ちょっとピックが触れただけでも音がはっきりと出るので、ワンランク上がった感じに聞かせられると思います。
その反面、コンプレッサーは使っているととても気持ち良く音も安定してしまい、気がつくといつもスイッチをオンにするようになってしまいます。
小さな音も大きくしてしまうので、ピッキングの強弱で表現したいときはかえって使わない方がベターです。
特にピッキングの瞬間のアタックの音が「ペチャッ」とつぶれたようなクセのある音になるので、小さな音で泣かせたいときは逆効果。使いすぎには注意です。
まとめ
以上のように、コンプレッサーはサウンドの基本的な部分を補正してくれるもので、目立たずに大活躍するエフェクターです。
ディストーションのかかった「ギュイーーーン」という音を何小節も引っ張って聞かせると、それだけで客席の聴衆は大盛り上がりになります。
サンタナの「哀愁のヨーロッパ」でも最後の方のソロでそんなサウンドが出てきますよね。
カッティングでは安定したサウンドを、そしてシングルノートのバッキングやクリーンなソロではポコポコしたポップなサウンドを出すことができます。
カシオペアの野呂一生の見事なカッティングワークや高中正義のストラトキャスターで奏でるクリーンなメロディーには、コンプレッサーは欠かせません。
でも、ここぞというときに効果を意識させたいので、常にONにしてはいけません。
エレキギターを始めると、やはり足元にはエフェクターがいくつか欲しくなりますね。
一般的にサウンドで目立つのはディストーション、コーラス、ディレイあたりですが、どんな音を出すにも「あったら便利」なのがコンプレッサーと言ってもいいでしょう。
まだ持ってない人は、次に買うエフェクターの候補としてぜひ検討してくださいね。