ギターを弾く前に必要なのはチューニングです。
ここでは、チューニングの方法とコツを紹介します。
ギター弦の知識からの音名、音階を把握し、正しいチューニング方法を身につけましょう。
チューニングは時間が経てばすぐ狂うので、チューニングはスピーディに、その都度行う必要があります。
初心者向けの場面にあった、適切なチューニング方法と素早くチューニングをするコツを紹介します。
そのためにはギターの音名、音階などの弦の成り立ちを理解することも必要になりますのでまずは音名、音階などの基礎を知ることから始めましょう!
目次
ギター各弦の音名
音名の説明に入る前に「音名と階名」の違いを理解しましょう。
音名
音名は、「絶対的な音の高さ」を表します。
「CDEFGAB」アルファベット大文字、で表記されることが多いです。
ギター指板に表記されたアルファベットの音名はその位置の固有名詞であり、どのような音調(KEY)であっても呼び方は同じです。
階名
もう一つ、
階名は
「相対的な音の高さ」
を表します。こちらはドレミファソラシを用いた表現が一般的です。
C長調の場合はC→ド、を基準にCDEFをドレミファと呼びます。D長調の場合はD→ド、基準にDEFGをドレミファと呼びます。
発声練習で声をアップしていく時、よく使います。
▼図-1 ギターの音名
初心者の開放弦でのギターチューニング方法
基本的にレギュラーチューニングの場合、
- 6弦=E
- 5弦=A
- 4弦=D
- 3弦=G
- 2弦=B
- 1弦=E
でチューニングします。
図-2がC長調での階名指板表です。
▼図 – 2 ギター C長調での階名
チューナーを使う方法と音叉を使う方法についてお話していきます。
チューナーを使ってチューニングする方法
ギター専用チューナーは6弦(E)~1弦(E)まで親切に表示してくれます。
アルファベットが音名です。
C長調での階名( )表示になります。
弦をチューナーに合わせるとき弦を低い方から音を上げながら合わすのがコツです。
- 1弦:E(ミ)
- 2弦:B(シ)
- 3弦:G(ソ)
- 4弦:D(レ)
- 5弦:A(ラ)
- 6弦:E(ミ)
いろんなチューナーがありますが、クリップ式が安くて使いやすいです。
▼クリップ式チューナー
A=440 音叉を使ってチューニングする方法
音叉を軽く膝や机の角などで叩きます。
ポーンという音がなったら、音叉のお尻の丸くなっている部分をギターのボディに押し付けます。
そして5弦の開放弦を鳴らし音を合わせます。
最初はなかなか合わないかもしれませんが、音叉を鳴らした音と5弦の開放弦を鳴らし音が重なり、ちゃんと共鳴して聞こえます。
ズレてればキレイに聞こえませんので分かるはずです。5弦のチューニングが合えば、あとは各弦のチューニングが合わせていきます。
5弦(A)
音叉440(441)の音と合わせます。この音が基本音です。
4弦(D)
5弦の5フレットを押さえながら4弦の開放弦と5弦を合わせます。音が重なり共鳴して聞こえるようにチューニングしていきます。コツはこの共鳴する音を耳で覚えるようにすることです。
3弦(G)
4弦の5フレットを押さえながら3弦の開放弦と4弦を合わせます。音が重なり共鳴して聞こえるようにチューニングしていきます。
2弦(B)
3弦の4フレットを押さえながら2弦の開放弦と3弦を合わせます。2弦を合わせる場合だけ、3弦の4フレットを押さえるので間違えないようにしてください。
1弦(E)
弦の5フレットを押さえながら1弦の開放弦と2弦を合わせます。
6弦5フレット(A)
5弦開放(A)を合わせます。
最後に1弦(E)と6弦(E)ですが2オクターブ違います。2オクターブがあっているか確認します。
キレイに共鳴して聞こえます。この音を耳、覚えるのがコツです。
耳が慣れればちょっとしたチューニングの狂いも分かるようになっていきます。この方法は、耳の訓練として行うのがおすすめです。
音が合わない原因は?
音が合わない原因と対処法一つずつ見ていきます。
弦に問題がある場合
- 基本的な弦の張り方(弦の順番を確認する。(1〜3弦は間違える場合もあります)
- 弦が古くないかどうか確認する。弦が古いとチューニングは合いにくい。
- 弦を張ったばかりもチューニングは安定せずすぐ狂うので時間をおく。
- 糸巻き(ペグ)にしっかり弦が巻いてあるか確認する。
開放弦でチューニングが合っているときでもフレットを押さえた時に違和感があったり、音がこもっていれば弦が古く、交換時期です。
ネックに問題がある場合
ネックが反っていたりすると音は合いません。ネック反りには準反り、逆反りがあり、初心者には難しい調整になります。
ギターのオクターブピッチが合っていない場合
新しい弦で12フレットのハーモニクスを鳴らした音と、12フレットを実際に押さえた音がズレてる場合はブリッジのサドルの位置が適正で無い場合があります。
この場合にはブリッジのサドル微調整でオクターブピッチを合わす作業が必要です。
ギター初心者がこの作業をするのは難しいです。
ギターの弦高が高すぎる場合
弦高が高すぎると開放弦と押弦の音程差が大きくなるため、オープンコードを押さえた際に違和感が出ます。
ナットやブリッジでの弦高調整が必要です。
フレットの位置が正しくない場合
フレットの位置が正しくない場合にも、ギターのチューニングが合わない理由です。
初心者セットなどの激安品ギターの場合はフレットの配置段階でズレてることが良くあります。
これはフレット音痴などと言ってギターにとって致命的な事になります。フレットがズレてる場合フレット打ち直しの修理方法がありますが、かなり高額になります。
ギター本体の問題で合わなくなった場合、初心者では難しいメンテナンスが多いです。
特に最初に正しいフレッティングのギターを選ぶことが重要です。
始めてギターを購入する場合にはある程度の経験者に同伴してもらった上で購入することをオススメします。
フラットで音を合わせる方法
チューニングにはいろんなチューニングがあります。
チューナーで合わせる場合、♭記号で半音下げるだけで基本音が出るチューナーもあります。
低い方から、
- 6弦=D#
- 5弦=G#
- 4弦=C#
- 3弦=F#
- 2弦=A#
- 1弦= D#
になります。レギュラーチューニングと同じように全部の弦を合わせます。
多くのチューナーは#表示になりますが、全体の元の音を半音下げてチューニングするだけです。
レギュラーチューニングをマスターして半音ずつ下げていけば問題ないです。
アプリでもチューニングできる?おすすめアプリは?
スマートフォン用のアプリはいろいろあります。
ギターコードをすぐ表示できるものもあり非常に便利です。
チューニングにはもちろん問題なく、非常に便利ですがコード表示など他、課金が発生するものもあります。
ライブなどには適さないので基本は専用チューナーを使って素早くチューニング出来るようにすることがコツです。
緊急時に割り切って使用する事をお勧めします。
▼人気のアプリGuier Tuna
半音下げやドロップチューニングをする方法
レギュラーチューニングに対して変則チューニング(イレギュラーチューニング)もいろいろあります。
代表的な変則チューニングを紹介します。
- 半音下げ(フラット)チューニング
- 全音、半音下げ(ドロップ)チューニングになります。
半音下げ(フラット)チューニングのやり方
チューナーを使わずに合わせる場合は、
5弦 =Aを基準に音叉で合わせたあと4フレットで4弦を合わせれば、4弦はD♭(C#)になります。
この音を基準に3弦、2弦、1弦、6弦、5弦を合わせます。
各弦の音名が半音下がった、フラットチューニングの完成です。
全音、半音下げ(ドロップ)チューニングのやり方
Dドロップチューニング=フラット変則チューニング、の代表的なのが6弦Dドロップチューニングです。
半音下げ(フラット)チューニングをした後、6弦を通常 E →Dに合わせ一音下げます。
6弦、5弦を使うパワーコードが簡単になり、指一本でも弾けます。
その他、6弦をDコードに調整するDチューニングなどもあります。
変則チューニングのメリット
半音下げるメリットは「E」のつもりでコードを鳴らすと、実際には「Eb」が響きます。
なぜこのような面倒なことが必要なのでしょうか。
半音下げチューニングのメリットとして、「半音下がるから歌いやすくなる」というのが頻繁に挙げられます。
これにも一応の説得力があるかもしれませんが、これでは半音下げチューニングがジャズやポップスではあまり使われず、ロック/ブルース系で盛んに使われる理由は別にあります。
半音下げチューニング、フラットドロップチューニングはメリットを理解して行いましょう。
半音下げチューニングのメリット
- 弦の張力が下がり音色が変わる、チョーキングがしやすい。
- 6弦のDドロップチューニングはパワーコードが弾きやすくなる。
- 豊かな低音によるへヴィなサウンドがでる。
- ジャズ系のフレーズをコピーするのに好都合。
ジミ・ヘンドリックス(1960年代後半活躍した有名なギタリスト)が変則チューニング、フラットチューニングを頻繁にしてたようです。
ジミヘンが活躍していた時代にはエレキギターの弦はまだ太く、0.09~のゲージはありませんでした。
エレキギターの弦は、現代の常識よりもずっと硬かったのです。弦が硬いとチョーキングが大変ですが、チューニングを半音下げることで張力が下がり、チョーキングがしやすくなります。
逆に0.09からのゲージなどの弦で半音下げチューニングにすると、張力が不足してベロンベロンのサウンドになってしまうことがあります。
半音下げチューニングにすると、弦の張力が下がることで響き方が変わり、若干ダークなトーンになります。
ギターは「#系」のキーが弾きやすい楽器です。
一方トランペットやサックスなどの管楽器は「b系」のキーが弾きやすく、ジャズのアドリブ演奏のほとんどがこういったキーで演奏されます。
ギターに半音下げチューニングをすることで、管楽器フレーズをギターでコピーしやすくなるのです。
半音下げチューニングのデメリット
半音下げチューニングのデメリットも多いです。
ロック系のサウンドに大変好都合な半音下げチューニングですが、「アコースティック(生)ピアノ」との相性が最悪です。
大きなデメリットです。
キーボードには「トランスポーズ」という機能がありますから、キーボーディストが嫌がる「Gb」や「B」といったキーを弾きやすい。
しかしアコースティックピアノには当然そんな機能はありません。
半音下げチューニングを採用しているギタリストが「G(実音はGb)」のキーで楽しく弾いている間、ピアニストは弾きにくい「Gb」のキーで苦悩するわけです。
アコースティックピアノが使われることの多いジャズやポップスというジャンルでは、半音下げチューニングがあまり使われていません。
半音下げチューニングに慣れてきたころにレギュラーチューニングに戻すと、また感覚がズレることもあります。
レギュラーチューニングと半音下げチューニングを使い分ける場合には、かなり練習が必要です。
チューニングを変更することでサウンドをいろいろ試せるのは、他の楽器ではなかなか体験できない、ギターの大きな特徴です。
いろんな変則チューニングにトライするのはとてもクリエイティブな試みですから、いろんな音を体感してみてください。
まとめ
今回はギターチューニングの基本としてレギュラーチューニングのやり方を主に説明してきました。変則チューニングはそれぞれのチューニングの特性を理解して取り入れましょう。
素早くチューニングするコツは自分のあった方法をその器材含めて慣れる事です。
そしてピタリあった時の音を「耳」で覚える事が一番正確なチューニングになりますのんで日々練習を積み重ねていきましょう。