バイオリンを始めたばかりの初心者の方も、たまには練習曲ばかりでなくかっこいい曲を弾いてみたいと思うのではないでしょうか。
この記事では、バイオリン初心者の方も練習しやすくかっこいい曲をご紹介します。
かっこいい曲を弾きたいと思っても、あまりに難しい曲だと途中で挫折しかねません。
初心者の方は、練習しやすく適度な難易度の曲を選ぶことが、モチベーションを保つために重要です。
まずは初心者の方が曲を選ぶときのポイントをご説明しましょう。
バイオリン初心者が選ぶ曲のポイントは?
モンティのチャルダッシュ、サラサーテのツィゴイネルワイゼンなど、かっこいいバイオリンの曲はたくさんあります。
しかし、これらの曲は難易度が高く、あまり初心者向けとは言えないでしょう。
バイオリン初心者が曲を選ぶときのポイントは何でしょうか。
ポジション移動が少ないこと
1つ目のポイントは、ポジション移動が少ないことです。
バイオリンは、基本の構え方から手をスライドさせて、ポジション移動をしながら演奏します。
基本の構え方のことを第1ポジションといい、一番細い弦のE線では人差し指でファ、中指でソ、薬指でラ、小指でシの音を押さえます。
このとき、人差し指でソを押さえられるように手の位置をスライドすると、第2ポジションに移動したことになります。
人差し指でラを押さえる位置なら第3ポジションです。
このようにポジション移動をしていくことで高い音を出せるのですが、慣れるまではなかなかスムーズにポジション移動ができないと思います。
初心者の方には、ポジション移動を多用する曲は難易度が高いといえるでしょう。
弾きやすいテンポであること
2つ目のポイントは、弾きやすいテンポの曲であることです。
高速でメロディを演奏する「速弾き」ができるとかっこいいですよね。
しかし、速弾きをするには左手で素早く正確に音程を取れなければなりません。その上、右手も重要で、左手とのタイミングがずれないように弓を動かす必要があります。
初心者のうちは、あまりテンポが速すぎない曲の方が弾きやすいでしょう。
有名な曲であること
3つ目のポイントは、有名な曲であることです。
知らない曲を練習するときは、まず曲を何回も聞いて理解するところから始めなくてはならないでしょう。譜読みにも時間がかかってしまうかもしれません。
それに比べ、よく耳にするような有名な曲であれば、練習に取り組みやすくモチベーションも上がりやすいです。
また、有名な曲を弾けるようになると、友達などに「何か弾いてみて!」と頼まれたときに弾けるレパートリーになるでしょう。
バイオリン初心者が選ぶ曲のポイントは?
- ポジション移動が少ないこと
- 弾きやすいテンポであること
- 有名な曲であること
では、ここまでご説明したポイントを踏まえて、バイオリン初心者が弾けるとかっこいい曲を具体的に見ていきましょう。
バイオリン初心者でかっこいい曲ランキング
当ブログで、バイオリン初心者が弾けるとかっこいい曲についてアンケートを取ったので、その結果を発表します。
1位:バイオリンの美しい音色が映える「G線上のアリア」
第1位は、有名なクラシック曲「G線上のアリア」です。
ゆったりとした美しい曲で、初心者でも取り組みやすい曲と言えるでしょう。
この曲は、最初の音が「ファ#」から始まるニ長調バージョンと、「ミ」から始まるハ長調バージョンがあるのをご存知でしょうか。
実は、J.S.バッハが作曲した「管弦楽組曲第3番」の第2曲「アリア」を、アウグスト・ウィルヘルミというバイオリニストがバイオリンのG線だけで弾ける音域に編曲したものが「G線上のアリア」なのです。
原曲の「管弦楽組曲第3番」はニ長調、ウィルヘルミが編曲したバージョンはハ長調です。
ハ長調バージョンはG線だけで弾ける音域ではあるものの、実際にG線だけで弾くのは、初心者には少し難しいかもしれません。
かなり高いポジションまで移動しないといけないからです。
他の弦も使いながら弾けば第1ポジションだけで弾けるので、初心者でも弾きやすいでしょう。
ニ長調バージョンも第1ポジションだけで弾くことができます。
2位:これが弾けたらかっこいい!「情熱大陸」
第2位は、葉加瀬太郎さんの「情熱大陸」です。
ラテンのノリのいいリズムとかっこいいメロディで、バイオリン奏者が一度は弾いてみたいと憧れる曲なのではないでしょうか。
ただ、この曲を原曲と同じテンポで歯切れよく弾こうと思うと、初心者にはかなり難しいと思います。
また、曲の途中でポルタメントというテクニックも使われます。
ポルタメントとは、弦を押さえている指をずらして滑らかに音程を変えるテクニックのこと。
原曲通りに弾くことを目指すとハードルが高いので、まずはテンポを落として、ポルタメントなどのテクニックも使わずに練習してみることをおすすめします。
葉加瀬太郎さんの曲なら、「エトピリカ」も有名です。
こちらの方が、テンポがゆっくりなので、初心者の方には取り組みやすいかもしれません。
3位:みんなで一緒に弾ける「カノン」
第3位は、パッヘルベルの「カノン」です。
カノンとは、かえるの歌のように同じメロディを少しずつずらして一緒に演奏する様式の曲のことです。
パッヘルベルのカノンは、通常3本のバイオリンと、チェロなどの伴奏によって演奏されます。
3本のバイオリンが同じメロディを2小節ずつずらして演奏することでアンサンブルをすることができるのです。
友達と一緒にこの曲を練習すれば、アンサンブルを楽しむことができるでしょう。
中間部分のメロディは少し速いですが、全体的に落ち着いたテンポなのでアンサンブルもあまり難しくありません。
有名な曲なので、結婚式の余興などで弾くのもいいでしょう。
同率3位:バイオリン初心者の定番曲「きらきら星変奏曲」
同じ票数で3位だったのは、「きらきら星変奏曲」です。
バイオリンの教本にも載っていて、多くの人が練習したことのある定番曲と言えるでしょう。
元はフランスで流行していた歌をモーツァルトがピアノ曲に編曲したもので、それをさらにバイオリン用に編曲しています。
弦を押さえない開放弦で弾くところが多く、ポジション移動もしないので、初心者の方がまず基本の弾き方を練習するのに向いている曲です。
きらきら星の主題を16分音符にしたり、3連符にしたりと少しずつアレンジしながら演奏するので、いろいろなリズムを弾き分ける練習にもなるでしょう。
5位:ジブリ好きにはたまらない「カントリーロード」
第5位は、ジブリ映画「耳をすませば」の「カントリーロード」です。
映画の中では、ヒロインがこの曲のメロディを歌い、バイオリン職人の男の子がそれに合わせてバイオリンで伴奏を弾きます。
とても印象的なシーンなので、この曲を弾いてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。
2本以上の弦を同時に弾く「重音」が多々使われているので、難易度は高めです。
しかも、実はバイオリンで弾けない音(バイオリンの一番低いソよりも低いファ)が出てくるので、映画の通りに演奏するには調弦を1音ずつ下げなければいけません。
(通常はG-D-A-Eで調弦するところを、F-C-G-Dで調弦する)
映画の演奏を再現するのはなかなか難しいのですが、より簡単に弾けるようアレンジされた楽譜が出版されているので、そちらを練習してみるのもいいでしょう。
同率5位:CMなどでもおなじみ!「愛の挨拶」
同じ票数で5位だったのは、エルガーの「愛の挨拶」です。
CMなどでもよく使われている、バイオリンの定番曲です。曲名がわからなくても聞いてみると「知ってる!」という方が多いと思います。
譜面はそれほど難しくなく、第3ポジションまでで弾くことができるので初心者の方も練習しやすいでしょう。
ゆったりとしたテンポの曲で、感情を込めてきれいな音色で演奏することを意識して練習してみてください。
ご紹介したバイオリン初心者が弾けるとかっこいい曲を、以下にまとめます。
1位 | G線上のアリア |
2位 | 情熱大陸 |
同率3位 | カノン、きらきら星変奏曲 |
同率5位 | カントリーロード、愛の挨拶 |
まとめ
この記事では、バイオリン初心者の方が曲を選ぶポイントと、弾けるとかっこいい曲をご紹介しました。
「この曲を弾けるようになりたい!」という目標を持つことは、バイオリンの上達のための近道になるでしょう。
初心者だからといって練習曲ばかり弾いていては、バイオリンを弾くモチベーションが下がってしまうこともありますよね。
ぜひ自分が弾きたいと思うかっこいい曲を見つけて、その曲を弾ける自分をイメージしながら練習をしてみてください。