音楽に関する用語や記号は沢山ありますね。
一気に覚えようとするとしんどくなってしまうので、まずは良く見かける音楽記号(クレッシェンドなど)を覚えたら、次は速度標語…と覚えていくのがいいかもしれません。
特にクラシック曲では、曲のテンポが速度標語で書かれている場合がほとんどなので、わかっていないと曲の速さがわからずに困ってしまいます。
クラシック主体で弾いていきたい方は、是非覚えて下さい!
今回は、その速度標語の中から「vivace」について解説します。
読み方ですが「vivace」は「ビバーチェ」または「ヴィヴァーチェ」と読みます。
「vivace」にはどんな意味があるのでしょうか?
「vivace」の速度はどのくらいなのでしょうか?
それでは、見ていきましょう!
vivaceの意味やテンポは?
それでは「vivace」について解説していきたいと思います。
最初に書いたように「vivace」は速度標語の1つなので、音楽用語の中の速度を表す言葉の一つです。
「vivace」の意味は「生き生きと、速く」「活発に速く」です。
まず、目安のテンポについてですが、テンポ116~168(BPM116~168)くらいです。
テンポ116とは、4/4拍子の場合1分間に四分音符が116~168個分という事になります。
結構テンポの幅は広いですね。
こちらの動画はテンポ116のメトロノーム画像の動画です。
こちらはテンポ168のメトロノーム画像です。
ちなみに、同じ速度標語の「allegro」と目安のテンポは同じくらいです。
このテンポの中で、曲想にあっているテンポを探してみて下さい。
ちなみに、曲の始めだったり、記載される場所によっては「Vivace」と最初のvが大文字で書かれます。
そして「vivace」のもう一つの特徴は、「生き生きと」「活発に」という意味も含まれているところです。
速さだけでなく「生き生きと」「活発に」感じられる演奏が求められる速度標語と言えます。
速度だけでなく表現力も必要になる速度標語ですね。
演奏についての注意点は後ほど解説します!
<Vivaceの意味とテンポ>
- vivaceの意味は「生き生きと、速く」「活発に速く」
- テンポは116~168くらい
ではまず「vivace」が含まれる速度標語の意味などを解説していきたいと思います。
それではいってみましょう!
vivaceを使う速度標語の意味やテンポは?
さて「vivace」の意味はわかりましたね?
「生き生きと、速く」「活発に速く」です。
それでは「vivace」が含まれる速度標語の意味やテンポなどはどうなのでしょうか?
解説していきたいと思います!
vivacissimo
ではまず「vivacissimo」です。
読み方ですが「ビバチッシモ」や「ヴィヴァチッシモ」となります。
「vivace」+「~issimo」という形になります。
「vivace」は「生き生きと、速く」「活発に速く」ですよね?
「~issimo」はは接尾語の一種で、「きわめて」と訳される事が多いです。
なので「vivacissimo」は「きわめて活発に」「きわめて速く」となります。
テンポの目安は、テンポ168~208くらいです。
速さは「prestissimo」と同じくらいですね。
かなり速いテンポになります。
しかも生き生きと・活発に弾かないといけませんね。
弾く事にある程度慣れた人でないと難しいかもしれません。
vivace con fuoco
それでは「vivace con fuoco」とはどういう意味なのでしょうか?
「vivace con fuoco」は「vivace」+「con fuoco」という形です。
「vivace」は「生き生きと、速く」「活発に速く」ですね。
「con fuoco」はコン・フォーコと読みます。
「con fuoco」は発想(曲想)用語の一つで「情熱をもって」「火のように」という意味があります。
なので、この2つが合わさると…
「火のように活発に速く」といったところでしょうか。
情熱的かつ生き生きと、そしてテンポは速くしなければいけません。
速いテンポというだけでも技術が必要になり、さらに「火のように」「活発に」という表現もしなければならないので、かなり技術と表現力が必要になってきますね。
音楽的な力が結構必要になると言えます。
「vivace con fuoco」の曲にチャレンジする時は、かなり練習が必要になるかもしれません。
読み方 | 意味 | テンポ | |
vivacissimo |
|
|
168~208 |
vivace con fuoco | ビバーチェコン・フォーコ | 火のように活発に速く |
さて、今回解説している「vivace」ですが、演奏する際に気を付ける事はあるのでしょうか?
次にいってみましょう!
演奏で気を付けることは?
それでは「vivace」の曲を演奏する際に気を付ける事は何なのでしょうか?
まずは速いテンポだから気を付けなければいけない事からですが…
自分が弾きやすい速度でまずは練習
いきなりvivaceのテンポで弾こうとせず、まずは自分が弾きやすい速度で練習しましょう。
いきなり速いテンポで弾こうとしても、なかなか弾けるものではありません。
なので、まずは弾きやすいテンポで、きちんと弾けるようにするのが先です。
速いテンポの曲で知っている曲の場合は、そのテンポで曲のイメージがついているので速く弾きたくなるものですが、まずはきちんと弾けるまでは我慢しましょう。
速度を10~30くらい上げてみる
そして、弾きやすいテンポできちんと弾けるようになったら、少し速度を上げてみましょう。
ここでも、一気にテンポを上げると弾くのがツラくなってくる場合が多いので、まずはテンポ10~30くらい上げてみるのがいいかと思います。
そして、そのテンポで弾けるようになったら、またテンポを上げてみる…というのを繰り返し、vivaceの速さまで、弾けるようになったら速度を上げるを繰り返してみて下さい。
拍がずれないように
あと、速いテンポの曲を弾くときによくあるのが、拍がズレていってしまう事です。
ほとんどがどんどん実際の曲より遅くなってしまうという事が多いかと思いますが、弾くのにせっかちなタイプの方は逆に若干速めになってしまう事もあります。
実際のテンポより遅くなってしまう場合は、やはりテンポを落としてまずは弾けるようにして、それからちょっとずつテンポを速くして慣れていくと良いでしょう。
逆に速めになってしまう場合は、もう指は動けるようになっているわけですから弾けるようにはなっているので、落ち着いて拍を感じて弾きましょう。
特に難しいフレーズの前は遅くなったり速くなったりしがちですので、気を付けましょう。
速い曲だ!と思うと、ついつい焦ってしまいがちなので、リズムも崩れやすくなります。
リズムが崩れてしまったところは、反復練習したり、拍をきちんと感じて弾くように気を付けましょう。
ピアノの場合はメトロノーム、電子ピアノの場合はだいたいメトロノーム機能がついていると思うので、そちらを活用して練習してみて下さい。
あと、速い曲は弾き方が乱暴になりがちなので、乱暴にならないように丁寧に弾けるようにしましょう。
乱暴に弾くと、やはり乱暴な音になってしまいます。
テンポの速い曲は難しく感じてしまいがちですが、コツコツ練習すれば徐々に弾けるようになってくると思います。
活発に弾くイメージをもつ
そして「生き生きと」「活発に」という部分は表現力が必要になってきます。
これには、まず「生き生きと」「活発に」というイメージを持つ事。
姿勢に気をつける
そして、弾くときに姿勢にも気を付けて下さい。
背中が丸まって縮こまって弾いていては「生き生きと」した音はなかなか鳴りません。
弾いている自分自身が、曲を弾いている間だけでも「生き生きと」してないといけませんね。
練習しはじめの頃は、ここまで一気に気にする事は難しいと思いますので、ある程度弾けるようになってきてからでいいので、表現の部分にも気を配ってみて下さい。
生き生きとしたイメージを持ち、弾いている間だけでも生き生きと弾いていれば、音も生き生きとした音に変わってくるはずです。
ただ、vivaceの曲に技術的に難しい事が多ければ、まずはその技術を身に付けられる他のテンポの曲が弾けるようになってからトライするのがいいかもしれません。
テンポが速いとどうしても速く弾かないといけなくなってしまいますし、しかも表現力も要求されてしまうので、技術が身についていないと挫折しがちです。
vivaceの曲は、ある程度技術的に弾けそうになってから試してみましょう!
まとめ
「vivaceの意味やテンポ!vivace con fuocoなどvivaceを使う速度標語をマスターしよう」はいかがでしたか?
音楽用語や記号は沢山あって、全部覚えようとするとなかなか厳しいものがあります。
しかし、速度標語はそんなに多くはないので、頑張って覚えましょう!
今回解説した「vivace」の意味は「生き生きと、速く」「活発に速く」でしたね。
速さの目安は、テンポ116~168あたりです。
「vivace」は速さだけでなく「生き生きと」「活発に」という表現に関する部分の意味も含まれています。
なので、速さだけでなく表現に関する意味も含まれているわけですから…
演奏する際には、速さと表現と両方に気を配らなければいけません。
あと「vivacissimo」や「vivace con fuoco」についても解説しました。
「vivace」の曲はちょっと慣れた人向けかもしれませんが、ある程度技術力が身についたら「生き生きと」チャレンジしてみて下さい!
ピアノを弾いている皆様が、ピアノを通じて生き生きとした時間を過ごせるように願っています!