ギターの弦には様々な種類・太さ(ゲ―ジとも言います)があります。
その種類の豊富さから、
「ギターの弦の太さを変えることによって、何か効果があるのか?」
「自分で調べてみたらサスティーンに影響が出るのは分かったけど、イマイチよく分からない」
といった悩みをお持ちの方は多いことでしょう。
弦の太さを考えることは、自分のギターのサウンドメイクに関してとても重要な点です。
本記事では、ギターの弦の太さを変えることによる効果及び、その際の注意点と、
ギターのサスティーンについてご紹介します。
目次
エレキギターの弦の太さを変える効果は?
エレキギターの弦の太さを変える効果について見ていきましょう。
音に変化がでる
弦の太さの違いにより、張力(テンション)に変化が生じます。
太さによりどのような変化があるのかを知ることで、自分が出したい音・好きな音に近づけることができるので、知っておくとよいでしょう。
おおまかには、細いものと太いものの特徴をおさえておけばOKです。
細い弦の音の特徴
弦の張力が弱いため、
- 高音域が強調される
- 細く、繊細なサウンドになる
- 音が細くなるため、音が切れやすい
太い弦の音の特徴
弦の張力が強いため、
- 低音域が強調される
- 力強いサウンドになる
以上の特徴を見ると、一見太い弦のデメリットがないように思われるかもしれませんが、
太さによって、他にも重要な点が変わりますので次に見ていきましょう。
演奏のしやすさの変化
初心者~中級者の方にとって重要な点、それが「演奏のしやすさ」です。
自分にあった弦を選ぶことで、演奏のしやすさを向上させ、より早く上達することができます。
太い弦は、張力が高くなるため、押弦時の抵抗感が強く、硬く感じます。
細い弦に変えることによって、張力が低くなりますので、押弦時の抵抗感が弱くなり弦が柔らかく感じるようになります。
今の弦で「弾きにくい、とても手が痛くなる」とお悩みの方は、是非弦の太さを細くしてみてください。
音域 | 音の特徴 | 演奏のしやすさ | |
細い弦 | 高音域が強調 |
|
弦が柔らかい |
太い弦 | 低音域が強調 |
|
弦が硬い |
ここまで読まれると、他の太さの弦を試してみたい!という気持ちが湧いてきたのではないでしょうか。
しかし、弦の太さを変える際にいくつか注意する点があります。
弦の太さを変えるときの調整の注意点は?
先程まで見てきたように、弦は太さによって張力が異なります。
弦の張力の変化により、ネックに負担がかかります。弦の太さを変更した際に調整を怠ってしまうと、ネックの反りやチューニングが合わない、といったトラブルに発展する可能性があります。
そのため、弦の太さを変える際にはそれに応じた調整が必要になります。
- 弦高の調整
- ネックの反り具合の確認
- オクターブの調整
以上3点の調整を行うようにしましょう。
続いては、弦交換時にありがちなトラブルについて紹介していきます。
太さを変えたらパサパサな音になった!どうする?
弦を張り替えた際に心配されることが多い「ビビり音」。
弦を変えるまではあまり気にならなかったのに、弦を変えたとたんに大きく聞こえてしまう経験をしたことはありませんか?
「どこか不具合があるのか?」と不安になりますよね。
安心してください。弦交換の際にはビビりはつきものです。
張りたては弦が完全に馴染んでいないため、音が金属的になり、ビビり音も目立ちますので、あまり気にしすぎる必要はありません。
暫くすれば馴染んでビビりも少なくなり、音の一部になります。
しかし、しばらくたってからも気になる場合は先ほど挙げた、弦高の調整、ネックの反り具合の確認、オクターブの調整の3点で再度調整が必要になります。
その際おさえておきたいのが、「現在の時点で本当にネックは反っていないか?」という点になるのでよく確認しましょう。
ネックは大丈夫?
弦交換及び調整後にまだビビりが気になるようであれば、ネックの反りを再度確認してみてください。
ネックの状態は、弦を張り替えたのちのしばらくの間、注意深く見ておいたほうが良いでしょう。
弦高やオクターブ調整については、ネックの状態によって変化する可能性があるので、注意が必要です。
以下に、ネックの反りが起こっている際の症状をまとめてみました。
「順反り」:弦高が高くて弾きづらい、ハイポジションでのビビりが目立つ
「逆反り」:ローポジションあたりでのビビりが目立つ
もし自分で反っているかどうか分からなければ、楽器屋さんに持ち込むなど、詳しい人に聞いてみることをオススメします。
自分では反っていない、と思っていても持ち込んだ際に反りが発覚するケースも珍しくありません。
体調が悪いときに風邪薬ですませてしまうよりは、病院で診てもらったほうが安心ですよね。
困ったときはしっかりとプロを頼るようにしましょう。
サスティーンが良くなるのは?
サスティーンについてもチェックしておきましょう。
サスティーンとは
「弦交換によってサスティーンが変わる」と耳にする機会はあっても、「そもそもサスティーンとは一体どういう意味なのか?」といった疑問を持たれる方も少なくないでしょう。
サスティーンとは、「音の伸び」を意味します。
サスティーンを良くする、ということは
弦が振動する持続時間が長くする、といった意味になります。
つまり、今「ペン」としか鳴らないギターを、「ペーーン」と鳴るようにすることです。
サスティーンは、技術面や音作り、そして弦交換によっても影響を与えることがあります。
それでは、どのような弦にすればサスティーンに変化を得られるのか見ていきましょう。
サスティーンが良くなるのはどの太さ?
ギターの種類によって異なりますが、
細い弦
張力が下がり、弾き易いのは確かですがアタック音のワイルドさに欠け、
音もか細くトレブリーになる傾向にあります。
太い弦
テンションが上がるのでサスティーンは若干減る傾向にあります。
しかし、音はコシがあり太くなるのでその分伸びるように感じる場合もあります。
結論として、太い弦のほうがサスティーンの伸びは増えますが大きな違いは感じられないでしょう。
サスティーンの伸びが悪い場合は、弦が古いといったケースが多いです。
伸びが悪いな、と感じたらしっかりと弦を張り替えるようにしましょう。
弦の種類交換によってサスティーンを良くするためには、
「新しい弦をつかうこと」です。
まとめ
本記事では、ギターの弦の太さを変えることによる効果と注意点とギターのサスティーンについてご紹介しました。
今自分がつかっている弦がどのようなものなのか、他の弦にはどういった効果があるのか
これらを知ることで、弦の種類交換に対するハードルは下がったのではないでしょうか。
特に「手が痛くて練習が続かない…」とお悩みの初心者の方は、1段階細い弦セットを買ってみることをオススメします。
弦交換の際の「ビビり」は執拗に気にする必要はありません。
しかし、弦交換の際にはしっかりと調整を行い、トラブルの原因を断つことが大切です。
特に「自慢の愛機のネックが反ってしまった…」ということにならないように、ネックは注意深く観察してください。
また、良いサスティーンを維持するためには、弦を何カ月も放置するのではなく定期的に
張り替えるようにしましょう。
是非、自分の理想の音・好きな音に近づくための1つの手段として、弦の太さを変えてみてください。