本ページはプロモーション(広告)が含まれています。

音楽記号

【音楽記号】adagioの意味やテンポは?andante quasi adagio,poco adagioなどadagioを使う速度標語をマスターしよう


adagio(アダージョ)という音楽記号を見たり聞いたりことがありますか。

 

たいていは曲の頭の部分に示され、

曲全体やある部分のテンポを表す速度記号の一つです。

 

テンポを表す主な速度記号を、その意味と速さの目安とともに示すと、

表記(読み方) 意   味 速さの目安
Largo(ラルゴ)  幅広くゆるやかに ♩=45ぐらい
Lento(レント) ゆったりと ♩=50ぐらい
Adagio(アダージョ) ゆるやかに  ♩=60ぐらい
Andante(アンダンテ)  歩くような速さで ♩=70ぐらい
Moderato(モデラート) 中くらいの速さで ♩=90ぐらい
Allegretto(アレグレット) やや快速に ♩=110ぐらい
Allegro(アレグロ) 快速に  ♩=130ぐらい
Vivace(ヴィヴァーチェ) 活発に ♩=160ぐらい
Presto(プレスト) 急速に ♩=180ぐらい

目安となるテンポの数値は、楽典によって異なります

 

と、なります。

この中のAdagio(アダージョ)について詳しく見ていきます。

 

adagioの意味やテンポは?

 

adagio(アダージョ)はイタリア語で、

元は「くつろぐ」という意味のようですが

音楽用語としては上の表でわかるように

「ゆるやかに」と、比較的遅い速度を示す速度記号です。

 

交響曲や協奏曲、ソナタなど複数の楽章で構成されているものの

第2楽章や第3楽章のゆっくりした楽章に指定されていることが多いです。

 

例えば、ピアノが活躍する曲では

ラフマニノフ ピアノ協奏曲 第2番 第2楽章 Adagio sostenuto

グリーグ ピアノ協奏曲 第2楽章 Adagio

ベートーベン ピアノ協奏曲第5番『皇帝』第2楽章  Adagio un poco mosso

ベートーベン ピアノソナタ 第8番『悲愴』Adagio cantabile

 

などがあり、

 

ベートーベン ピアノソナタ 第14番『月光』は

第1楽章がAdagio sostenuto

というめずらしい例です。

 

これらは美しい旋律でピアノの分散和音も映える、甘く、または切ない曲です。

 

テンポは作曲者の感覚や時代などによってもかなり違うので

作曲者が指定しない限り「♩=○」では示せないのですが

知識として「ゆるやかに」と覚えるだけでなく

是非adagio(アダージョ)の曲想を味わってみてください。

 

 

adagioを使う速度標語の意味やテンポは?

 

先ほどご紹介した曲もそうですが、

Adagio

だけでなく、

Adagio ○○とか、○○ Adagio

のように

Adagio(アダージョ)の前後に他の言葉も併記されていることがあります。

 

Adagio(アダージョ)はその曲やある部分の曲のテンポを表し、

その意味は「ゆるやかに」でした。

 

Adagio ○○とか、○○ Adagio  

曲のテンポ + その曲をどう演奏するかという指示

 

です。

 

いくつかの例とその意味を挙げてみます。

 

Poco adagio(ポコ アダージョ)

poco(ポコ)

速度標語に付け加えられる言葉で、意味を弱める付加語です。

意味は「少し やや」なので

Poco adagio(ポコ アダージョ) 

やや ゆるやかに

となります。

 

Andante quasi adagio(アンダンテ クアジ アダージョ)

quasi(クアジ)

速度標語に付け加えられる言葉で、

意味は「およそ~のように」なので

Andante quasi adagio(アンダンテ クアジ アダージョ)

アンダンテ(歩くような速さ)だけれどアダージョ(ゆるやかに)のように

となります。

 

 

Adagio sostenuto(アダージョ ソステヌート)

sostenuto(ソステヌート)tenuto(テヌート)と同じく

音を十分に保って」という意味ですが

tenuto(テヌート)が音符について、その音限定の指示なのに対し、

sostenuto(ソステヌート)その部分への指示で曲想を表す用語です。

Adagio sostenuto(アダージョ ソステヌート)

ゆるやかなテンポで、音を十分に保って

となります。

 

 

Adagio ma non troppo(アダージョ マ ノン トロッポ)

ma non troppo(マ ノン トロッポ)は意味を弱める付加語で

「しかし、あまりはなはだしくなく」という意味で、

 Adagio ma non troppo(アダージョ マ ノン トロッポ)

 ゆるやかに、しかしはなはだしくなく

と、なります。

 

 

Adagio cantabile(アダージョ カンタービレ)

 cantabile(カンタービレ)は曲想に関する指示で

「歌うように」という意味で、

Adagio cantabile(アダージョ カンタービレ)

ゆるやかなテンポで、歌うように

 と、なります。

 

 

 

Molt Adagio(モルト アダージョ)

Molt (モルト)は標語に付加される言葉で

「きわめて 非常に」という意味で

Molt Adagio(モルト アダージョ)は

きわめてゆるやかに

と、なります。

 

次に、Adagio(アダージョ)の曲を演奏するときについて

気を付けることをお話しします。

 

演奏で気を付けることは?

 

はじめのところで、ピアノの活躍するAdagio(アダージョ)の曲をご紹介しましたが

タイトルにAdagio(アダージョ)がつく楽曲は

 

バーバー『弦楽のためのアダージョ

アルビノーニ(ジャゾットの作曲といわれている) 『アダージョ ト短調』

 

などがあり、

 

その美しい旋律は映画やドラマのBGMとして使用されたり、

様々なメディアや式典などで使われたりしています。

 

ゆるやかなテンポで

指が回らないということもないのですが

曲想に合った表現をするための技術が大変難しいのが

Adagio(アダージョ)です。

 

ピアノの音は一度出ると途中で音量は上げられないという特性があります。

なめらかな旋律を弾こうと思っても、普通に弾いただけでは、

一音一音はつながらず、ブツブツ切れてしまいます。

 

美しいメロディラインは次の音までどのようにつなぐかという

レガートの奏法ペダルの操作が大切になってきます。

 

美しく弾くために、耳、タッチの仕方、手首・腕の使い方、身体の使い方

そして、ペダルの踏み方やタイミングなど

工夫のしどころ満載です。

 

お気に入りの演奏をみつけて

何度も聴いてみてください。

 

 

まとめ

 

ここまでadagio(アダージョ)についてみてきました。

 

adagio(アダージョ)「ゆるやかに(演奏する)」という意味で

目安となる速さは♩=60ぐらいと、比較的遅い速度を示す速度記号

 

Adagio ○○  とか、○○ Adagio 

曲のテンポはadagio(アダージョ)るやかに(演奏する)」

+ その曲をどう演奏するかという指示

でした。

 

どのように演奏するか、という指示の言葉にはさまざまなものがあります。

音楽事典やインターネットなどで調べられますから、

わからない言葉が出てきたら調べて

鉛筆で書き込んでおく習慣をつけるといいですね。

 

演奏しながらその意味をつかんでください。