楽譜を見ていると、色んな記号がでてきますね。
特にクラシック曲だと、速度についても速度標語で書かれている事があるので、覚えるまではどの標語がどのくらいの速さなのかわからなくて困りますよね。
今回は、そんな速度標語の中の「presto」を取り上げたいと思います。
「presto」は「プレスト」と読みます。
「presto」とはどのくらいの速さなのでしょうか?
テンポはどれくらいなのか、演奏の際の注意点などを解説していきたいと思います。
それではいってみましょう!
prestoの意味やテンポは?
さて、「presto」の意味は何なのでしょうか?
「presto」は速度標語の一種なので、速さを表す標語です。
では、「presto」の意味ですが「速く」です。
調べたところ、同じ速くという意味もある「allegro」よりも更に速い速度を示すと解説されているものもあります。
「allegro」は「快速」・「presto」は「急速」と解説されているものもありました。
あと、あくまでも目安ですが…
4/4拍子の場合、1分間に四分音符が168~208個分くらいの速さです。
つまり、テンポ168~208くらい(BPM168~208くらい)です。
こちらの動画はテンポ168のメトロノーム画像の動画です。
こちらはテンポ208です。
テンポ168~208はかなり速いですね。
曲の冒頭などに表記されるときは、PrestoとPが大文字になります。
では、prestoも含まれる速度標語の意味やテンポはどれくらいなのでしょうか?
次にいってみましょう!
prestoを使う速度標語の意味やテンポは?
それでは、prestoが含まれる速度標語の意味は何なのでしょうか?
さっそく見ていきましょう!
pretissimo
まずは「prestissimo」です。
「プレスティッシモ」と読みます。
「prestissimo」は、「presto」+「~issimo」の形です。
「~issimo」には「きわめて~」という意味があるので…
「prestissimo」は「きわめて速く」となります。
(曲の始めあたりなどに表示される際はPrestissimoとPが大文字になります)
そして、テンポの目安ですが…
だいたい、テンポ168~208くらいです。
prestoと同じテンポですが、テンポが速くなってくると、曲調にもよりますし演奏者の技術によってもどれくらい速くできるのかが変わってきてしまいます。
なので、テンポ168~208あたりで、曲調や自分が演奏する技術なども考えて設定すると良いでしょう。
ちなみに、「~issimo」は接尾語の一種で、「きわめて」と訳される事が多いです。
強弱記号のppのピアニッシモもpiano+~issimoで、弱く+きわめてできわめて弱くとなりますよね?
これも「~issimo」がついた形になっています。
ただ、「presto」については、「presto」自体が相当速い速度を示していることもあり、「prestissimo」は「できる限り速く」と解説されているものもありました。
イメージとしては、ものすごく速くという感じでしょうか。
では、prestissimo以外にprestoがついている速度標語にはどういう意味があるのでしょうか?
次にいってみましょう!
meno presto
「meno presto」は「meno」+「presto」という形ですね。
(menoとprestoの間は1文字分あきます)
「presto」は「速く」「急速に」という意味でしたよね?
では、「meno」が付くとどうなるのでしょうか?
「meno」は付加語の一種で、「より少なく」という意味があります。
なので、「meno presto」はより少なく速くとなり、一言で説明しようとすると「快速に」あたりが妥当かと思います。
prestoよりはちょっと遅めといったところでしょうか?
ただ、meno prestoはあまり見かけないかもしれません。
どちらかというと、più prestoの方が見かける確率は高そうです。
ちなみに、「più」は「meno」の対義語で、「より多く」という意味があります。
なので、「più presto」となるとより多く速くとなり、「prestoよりも更に速く」となります。
「più」と「meno」は対義語なので、一緒に覚えてしまいましょう!
では、他にも「presto」が含まれる速度標語はあるのでしょうか?
次にいってみましょう!
Allegro quasi presto
次は、「Allegro quasi presto」です。
あれ?「allegro」も「presto」も速度標語だぞ?となりますよね。
「allegro」も「presto」も「速く」という意味ですが、「allegro」よりも「presto」の方が速くなります。
その2つを繋いでいる言葉が「quasi」です。
この「quasi」は付加語の一種です。
「quasi」は読み方が色々あるのですが、「クワジ」又は「クワズィ」と読む事が多いかと思います。
「quasi」には「~のように」という意味があります。
では、「Allegro quasi presto」となるとどうなるのでしょうか?
英語と同じく後ろから訳していくので、「prestoのようなallegroで」となります。
なので、allegroの中では速めのテンポと考えて良いでしょう。
目安のテンポとしては、テンポ160~168位でしょうか。
「Allegro quasi presto」と出てきたら、速めのallegroなんだなと思っていただければと思います。
読み方 | 意味 | 実際の速さ | |
pretissimo | プレスティッシモ | きわめて速く | 168~208 |
meno presto | メノプレスト | 快速に | prestoより遅く |
più presto | ピュー プレスト | prestoよりも更に速く | prestoよりも更に速く |
Allegro quasi presto | アレグロ クワジ プレスト | prestoのようなallegroで | 160~168 |
それでは、prestoの速さの曲を弾く時に気を付ける事は何なのでしょうか?
次にいってみましょう!
演奏で気を付けることは?
まずは弾きやすい速度で練習
今までの解説で、「presto」は相当速いテンポという事はわかって頂けたかと思います。
では、かなり速いテンポの曲を弾くときに気を付けることは何なのでしょうか?
まずは、prestoのテンポを気にせずに、自分が弾きやすい速度で練習しましょう。
いきなり速いテンポで弾こうとしても、なかなか弾けるものではありません。
なので、まずは弾きやすいテンポで、きちんと弾けるようにするのが先です。
速いテンポの曲で知っている曲の場合は、そのテンポで曲のイメージがついているので速く弾きたくなるものですが、まずはきちんと弾けるまでは我慢しましょう。
少しずつ速度を上げる
そして、弾きやすいテンポできちんと弾けるようになったら、少し速度を上げてみましょう。
ここでも、一気にテンポを上げると弾くのがツラくなってくる場合が多いので、まずはテンポ10~30くらい上げてみるのがいいかと思います。
そして、そのテンポで弾けるようになったら、またテンポを上げてみる…というのを繰り返して、最終的にprestoの速さを目指してみて下さい。
拍をずらさないように一定のテンポで
あと、速いテンポの曲を弾くときによくあるのが、拍がズレていってしまう事です。
ほとんどがどんどん実際の曲より遅くなってしまうという事が多いかと思いますが、弾くのにせっかちなタイプの方は逆に若干速めになってしまう事もあります。
実際のテンポより遅くなってしまう場合は、やはりテンポを落としてまずは弾けるようにして、それからちょっとずつテンポを速くして慣れていくと良いでしょう。
逆に速めになってしまう場合は、もう指は動けるようになっているわけですから弾けるようにはなっているので、落ち着いて拍を感じて弾きましょう。
特に難しいフレーズの前は遅くなったり速くなったりしがちですので、気を付けましょう。
速い曲だ!と思うと、ついつい焦ってしまいがちなので、リズムも崩れやすくなります。
リズムが崩れてしまったところは、反復練習したり、拍をきちんと感じて弾くように気を付けましょう。
ピアノの場合はメトロノーム、電子ピアノの場合はだいたいメトロノーム機能がついていると思うので、そちらを活用して練習してみて下さい。
あと、速い曲は弾き方が乱暴になりがちなので、乱暴にならないように丁寧に弾けるようにしましょう。
乱暴に弾くと、やはり乱暴な音になってしまいます。
乱暴な曲想の曲であればよいのですが、あまり多くはないと思いますので気を付けましょう。
テンポの速い曲は難しく感じてしまいがちですが、コツコツ練習すれば徐々に弾けるようになってくると思います。
ただ、prestoの曲に技術的に難しい事が多ければ、まずはその技術を身に付けられる他のテンポの曲が弾けるようになってからトライするのがいいかもしれません。
テンポが速いとどうしても速く弾かないといけなくなってしまうので、技術が身についていないと挫折しがちです。
prestoの曲は、技術的に弾けそうになってから試してみましょう!
まとめ
「prestoの意味やテンポ!meno prestoなどprestoを使う速度標語マスターしよう」はいかがでしたか?
「presto」の意味は「速く」「急速に」です。
「allegro」よりも速いテンポを示しています。
テンポの目安としては、だいたい168~208くらいとなり、かなり速いテンポですね。
「prestissimo」は「きわめて速く」「できる限り速く」となります。
ほかにも、「meno presto」や「Allegro quasi presto」についても解説しました。
そして、prestoの曲を弾く時のポイントも解説しました。
まず、速いテンポの曲ですので、技術的に難しい事が多いようでしたら、まずはpresto以外の速さの曲で先に技術を身に付けておいた方が良いでしょう。
そして、技術的に問題がないようでしたら、いきなりprestoのテンポで練習するのではなく、自分の弾きやすいテンポでまずは弾けるように練習してみて下さい。
そして、弾けるようになってから、テンポを少しずつ速くして弾けるようになったらまたテンポを少し速くする…と繰り返してprestoのテンポを目指して練習してみて下さい。
あと、曲想にあわないところでその曲のテンポより遅くなったり速くなったりしがちですので、気を付けましょう。
すぐにprestoの曲を弾くのは難しいですが、テンポの速い曲を弾く事を目標にして他の速度の曲で技術を磨くのもいいかと思います。
ピアノを弾くことが更に楽しくなる事を願っています!