ピアノをはじめ、様々な楽器の演奏を楽しむにあたり、楽譜に書いてある様々な音楽用語を無視するわけにはいきませんよね。楽譜に書かれている音だけを理解して演奏するのではなく、音楽用語も正しく理解することがとても大切です。
そこでここで紹介する音楽用語が、「allegro」です。「molto allegro」と書かれていることもあるでしょう。この「allegro」の意味、そしてテンポはどのくらいなのか、解説していきます。
ぜひ、楽譜に書かれている「allegro」をしっかりと理解して、より素敵な演奏ができるようにしましょう。では、「allegro」について、確認していきます!
allegroの意味やテンポは?
まずは「allegro」について、解説していきます。「allegro」はアレグロと読みます。アレグロとはイタリア語で、本来の意味は「陽気な」です。では、「allegro」を音楽用語で表すとどういった意味を持つのか、みていきましょう。
allegroの意味
allegroを音楽用語で示すと、「快速に」「速く」という意味になります。つまりallegroはテンポを表す音楽用語になります。
楽譜にallegroと書かれている時は、その部分から「快速に」「速く」演奏する必要があるということです。
allegroのテンポ
allegroの意味でも説明した通り、allegroは「速く」演奏する必要があります。実際どのくらいのテンポなのかというと、曲によって違うというのが正直なところ。
メトロノームで合わせるとしたら、♩=120~152くらいです。
ちなみに、テンポを表す音楽用語は「allegro」の他にもたくさんあります。「allegro」を理解するのはもちろんですが、その他の音楽用語も同時に覚えた方が、様々な曲の演奏を楽しむことができるはずですよ。
allegroを使う速度標語の意味やテンポ
「allegro」は「allegro」だけで使うものの他に、違う音楽用語(速度標語)もあります。最初に出てきた「molto allegro」などがそうです。
そこで、「allegro」を使うその他の音楽用語についても紹介していきます。
molto allegro
「molto allegro」はモルトアレグロと読みます。その意味は、非常に速くです。moltoとはきわめてという意味があるので、「molto allegro」で非常に速くという意味を持つわけです。つまり、「allegro」よりも「molto allegro」の方が速度は速いということになりますね。
「allegro」に限らず、他の音楽用語にも「molto」がついていることもあります。「molto」がきわめてという意味を持っていることを覚えておくと、応用できるはずですよ!
allegro moderato
「allegro moderato」は、アレグロモデラートと読みます。その意味は、ほどよく速くとなります。なんだかあいまいな表現と思ってしまうかもしれません。曲ごとやその部分によってテンポなど変わってきますが、よく楽譜に登場する音楽用語でもあるので、しっかりと覚えておいた方がいいでしょう。
allegretto
「allegro」と少し変わりますが「allegretto」は、アレグレットと読みます。そしてその意味は、やや速くです。allegrettoのテンポをメトロノームで表すとすると、♩=96~120くらいでしょう。つまり、「allegretto」よりも「allegro」の方が速いということになります。
ちなみに、「allegro」の他にどのような音楽用語(速度標語)があるのかも簡単に説明しておきますので、確認しておいてくださいね。とはいえ、全て書くと大変なことになってしまうので、よく出てくる一部の音楽用語だけを紹介しておきます。
音楽用語 | 読み方 | 意味 |
Largo | ラルゴ | 非常にゆっくりと |
Lento | レント | ゆるやかに、気楽に遅く |
Adagio | アダージョ | 静かに遅く、ゆっくりと |
Andante | アンダンテ | 歩くような速さで |
Moderato | モデラート | ほどよく速く |
Vivace | ヴィヴァーチェ | 活発に、いきいきと |
Presto | プレスト | きわめて速く |
Prestissimo | プレスティッシモ | 出来る限り速く |
一部を紹介しただけでも、これだけの速度標語がありました。中でも「Andante」はよく出てくる音楽用語になるので、「allegro」とあわせて、ここで覚えてしまいましょう!
また、「molto allegro」のように、速度標語に「molto」と添える用語もいくつか存在しています。その一部も簡単にはなりますが、ご紹介しておきますね。
用語 | 読み方 | 意味 |
meno | メノ | より少なく |
molto | モルト | きわめて |
non troppo | ノントロッポ | しすぎないで |
piu | ピウ | もっと、より多く |
poco | ポコ | 少しだけ |
subito | スービト | 急に |
un poco | ウンポーコ | やや、少し |
これはほんの一部の用語にすぎません。全ての音楽用語を頭に入れようとすると大変なことになります。練習している曲の楽譜にわからない音楽用語が出てきた時には、すぐにその意味を調べ、楽譜に書き込みをしておくといいですよ。
これを繰り返し作業することで、いつも間にかわかる音楽用語が増えているはずです!
演奏で気を付けることは?
「allegro」などの音楽用語を気にしながら演奏するうえで、気をつけておきたいこともご紹介しておきます。
演奏している曲の楽譜に「allegro」が出てきたからといって、その部分から急にスピードを上げて弾くのはNG。きちんと曲の繋がりを大切にしなくてはいけません。その部分だけ急にスピードを上げて弾いてしまうと、1曲のまとまりがなくなるだけでなく、聞いている方も疲れてしまいます。(もちろん、そこから急にスピードをあげることを必要としている曲もあります。その曲ごとでしっかりと音楽用語の意味を解釈する必要があるということなんです)
その曲を作った方の意図を考えて、演奏するようにしましょう。
もちろん、これは「allegro」に限ったことではありません。その他の音楽用語も楽譜に出てきたからといって、その意味だけを解釈して演奏してしまうと曲のまとまりがなくなる可能性があります。1曲の流れにそって、音楽用語をきちんと理解して演奏するようにしましょう。
また、先にも説明しましたが、わからない音楽用語はその都度調べておくといいでしょう。ですが、そこで調べてわかったつもりになっているのが一番問題です。忘れないように楽譜にしっかりと書き込みしておくのがおすすめですよ!
楽譜は曲が仕上がりに向かうのと同時に真っ黒になるくらい書き込みをしてもいいんです。ぜひ、書き込みをすることで、知ってる音楽用語をどんどん増やしていきましょう。
まとめ
速度標語である「allegro」の読み方や意味、さらにテンポはどのようなものなのか解説してきましたが、なんとなくでもおわかりいただけたでしょうか。
また、「allegro」の他にもたくさんの速度標語が存在しています。その一部も紹介させていただきました。「allegro」を覚えるのと同時にいくつか覚えられるといいですね。
音楽用語は果てしない数が存在しています。一気に覚えることはできないので、演奏している楽譜に登場する音楽用語だけでもしっかりと理解していくようにしてください。
そして、作曲家さんが込めた音楽をしっかりと解釈して演奏を楽しんでくださいね。