普段話すときの地声が低い女性は、カラオケなどで高音のサビをうまく歌えず悩んでいるのではないでしょうか。
裏声を使えば高音は出しやすくなりますが、地声に比べると弱々しく頼りない歌声になりがちです。
この記事では低い地声を高くするための、おすすめの歌い方や練習法をご紹介します。
低い地声を高くすることができれば、高音を使う女性アーティストの曲も力強く歌えるようになるでしょう。
人前で歌うのもより楽しくなるので、ぜひ歌い方をマスターしてみてください。
地声が低いのはなぜ?
一般的に女性は男性よりも地声が高いですが、女性の中でも地声が高い人と低い人がいます。女性でも地声が低くなるのはなぜなのでしょうか。
主に、次のような要因が考えられます。
- 声帯の長さ
- 身長の高さ
- 周りの環境
ひとつずつ順番に見ていきましょう。
声帯の長さ
人間の喉には声帯というものがあります。
声帯は喉頭にある2つのひだのようなもので、呼吸をするときは声帯が開いて空気を通しています。
地声で発声するときは、声帯は閉じています。
吐き出す空気が閉じられた声帯にぶつかって振動することで音になり、声が出るのです。
この声帯の長さは生まれつき決まっており、声帯が長いほど声が低くなるといいます。
ですから、その人が元々持っている声帯が長ければ女性でも地声が低くなるでしょう。
身長の高さ
身長が高い人は、声帯が長いという傾向があります。
そのため、身長が高い人は地声が低くなりがちです。
大抵の男性が女性より地声が低いのは、一般的に男性の方が高身長であるからという理由もあるのでしょう。
また、女性同士でも身長が高い女性の方が、地声が低くなる傾向にあります。
周りの環境
声帯が長いわけではなくても、低い声を出すことが習慣になっており、いつの間にか地声が低めになるということもあります。
例えば男性の兄弟や友達が多い人など、周りの人たちの地声が低い場合、それに合わせて話しているうちに女性でも低めの地声が定着してしまうことがあるのです。
地声が低い要因として考えられること
- 声帯の長さ
- 身長の高さ
- 周りの環境
以上のような要因で地声が低い人であっても、歌い方によって、地声でより高い音を出すことが可能です。
では、低い地声を高くするにはどのような歌い方をすればいいのでしょうか。
地声を高くする歌い方
低い地声を高くするための歌い方として、意識するといいポイントを説明します。
喉に力を入れない
一つ目のポイントは、喉声にならないようにリラックスすることです。
高音を地声で無理やり絞り出そうとして喉に力が入ってしまうと、喉声になってしまいます。
喉声では高音を出せたとしても喉を傷めやすくなりますし、歌声もきれいになりません。
喉を楽にして歌うことを常に心がけましょう。
鼻に響かせる
二つ目のポイントは、歌うときに声を鼻に響かせることです。
鼻に響かせることを鼻腔共鳴といいます。
鼻腔共鳴ができると高音を出しやすくなるだけでなく、歌声の響きが豊かになり音量も上げることができるでしょう。
ミックスボイスを使う
三つ目のポイントは、ミックスボイスを使えるようにすることです。
地声を高くする練習をしても、通常の地声で出せる高音にはどうしても限界があります。
そんなときはミックスボイスも練習してみましょう。
ミックスボイスは地声と裏声が混ざったような歌声のことです。
裏声のように高音を楽に出すことができ、なおかつ地声の力強さも持ち合わせているのが特徴です。
ミックスボイスを習得すれば、さらに音域を広げることができるでしょう。
地声を高くする歌い方のポイント
- 喉に力を入れない
- 鼻に響かせる
- ミックスボイスを使う
以上が、地声を高くする歌い方のポイントです。
これらのポイントを意識して、低い地声を高くするための練習法を見ていきましょう。
練習法
ここでは、低い地声を高くするための練習法を3つご紹介します。
喉声にならないための練習
喉声になってしまう原因のひとつは、歌うとき体に余計な力が入ってしまうことです。
特に、首や肩周りが力んでしまわないよう、歌う前によくストレッチをしてみましょう。
また、喉声になるときは喉仏が上がってしまうことが多いです。
喉仏を下げ、喉を開く感覚をつかんでおくと、そのようなときに役に立つでしょう。
あくびをするように口を開けることで喉仏を下げることができますよ。
ただし、そのまま喉仏を限界まで下げて歌うと喉に負担がかかってしまうので注意しましょう。
鼻腔共鳴の練習
次に、鼻腔共鳴の練習をしてみましょう。
声を鼻に響かせると言っても、最初はなかなかイメージがつかめないかもしれません。
そんな時は、口を閉じて「んーーー」とハミングをしてみてください。
ハミングをすると、鼻の奥の方が震えるように感じると思います。
その感覚がわかったら、今度はそのまま口を開いて発声してみましょう。
ハミングと同じように鼻の奥を震わせるイメージで歌います。
うまくいかない場合は、鼻から息を出しながら歌うつもりで発声してみてください。
ミックスボイスの練習
地声の音域をさらに広げたい場合は、ミックスボイスも練習してみましょう。
多くのアーティストが高音を出すときにミックスボイスを使っています。
ミックスボイスを出すには、これまでに説明した「喉声にならないための練習」と「鼻腔共鳴の練習」ができていることが前提になります。
その上で、裏声を出すときに地声のように声帯を締める練習をすることで、ミックスボイスを出せるようになるでしょう。
声帯が締まっている状態とはどんな感覚なのでしょうか。
確認するには、まず息を長く吐き、途中で急に息を止めてみてください。
そうすると喉のあたりが詰まったように感じるでしょう。これが、声帯が締まっている感覚です。
ミックスボイスの習得には時間がかかるかもしれませんが、歌えるようになったときのことをよくイメージしながら、根気よく練習を続けていきましょう。
低い地声を高くするための練習法を、以下の表にまとめます。
喉声にならないための練習 | ・首や肩周りのストレッチをする ・喉仏を下げ、喉を開く練習をする |
鼻腔共鳴の練習 | ・ハミングをして声を鼻に響かせる感覚をつかむ |
ミックスボイスの練習 | ・喉を開き、鼻腔共鳴をした上で、裏声を出しながら声帯を締める練習をする |
まとめ
この記事では、低い地声を高くするためにおすすめの歌い方や練習法をご紹介しました。
地声が低くて悩んでいるという人は、ぜひ参考にして練習してみてください。
地声を高くすることやミックスボイスを使うことによって、高音でも弱々しくならず、芯のある歌声で歌えるようになるでしょう。
友達や職場の人とカラオケに行くのもきっと一層楽しくなりますよ。
高音が出ないことに悩んでいる人でも、トレーニングをすることによって高音を出すことができるようになります。
一方で、低い音はどれだけトレーニングをしても、出せる音に限度があるでしょう。
なぜなら声帯の長さは生まれつき決まってしまっていて、自分の持っている声帯で出せる低音よりも低い音を出すのは難しいからです。
つまり、地声が低いというのは生まれ持った才能といえるかもしれません。
低い地声を活かしながら、高音も出せるよう練習をして、幅広い音域を歌えるようにしてみてはいかがでしょうか。
そうすれば、地声が低いことは決してコンプレックスではなく、あなたを輝かせる魅力のひとつになるでしょう。