ト音記号、ヘ音記号の書き方のコツをご存知ですか?
特に子供さんに練習させるとなるとわかりやすく教えてあげたいものですよね。
今回は、楽譜の基本となるト音記号、ヘ音記号を早めに書けるようになってもらうために、書き方のコツや練習の方法について解説します。
楽譜の勉強をし始めた子供さんと一緒にぜひ取り組んでください。
ト音記号とへ音記号の書き方で気を付けることは?
楽譜の勉強を始めるにあたって、必要なものは五線紙と筆記具です。
五線紙は無料ダウンロードできますし、学校で使用する筆記具で十分なので、特別な用意は不要でしょう。
必要なものリストと、注意点をまとめました。
- 五線紙…初めは線の間が広いものが書きやすいでしょう。
- 鉛筆…2Bや4Bなど濃く太く書けるものがおすすめです。削っておきましょう。
- 赤鉛筆…指導者用
- 消しゴム
- 定規…15cm程度でOK。音符を書くようになると使います。
また、書き方を指導する際に気をつけたいポイントを、以下にまとめました。
何事も最初が肝心ですので、ポイントを押さえることはもちろん、モチベーションを落とさないように気を配りながら教えていきましょう。
美しさより見やすさを意識させる
楽譜を書く際に重要なのは、形の美しさではなく、パッと見たときに素早く情報が読み取れるかどうかということです。
形よりも記号の位置、濃さ、太さが大切であること、どう書いたら見やすい楽譜になるだろうか、という気持ちを常に持つことを、導入段階でしっかり教えていくと良いでしょう。
「だんだん上手に書けるようになる」と励ます
ピアノも練習を重ねていくうちにスムーズに弾けるようになりますよね。
楽譜を書くのも同じで、最初はうまくできなくても、回数をこなせばだんだん綺麗に書けるようになり、スピードも上がります。
ピアノは好きだけれど楽譜を書くのは苦手…勉強みたいでつまらない…と苦手意識を持つ子供さんもいらっしゃると思いますが、書き慣れるまで、諦めずコツコツ練習するように励ましましょう。
ト音記号・ヘ音記号の練習でモチベーションアップさせる方法
- 美しさより見やすさを意識させる
- 「だんだん上手に書けるようになる」と励ます
続いて、実際にト音記号を書く際のポイントについてご案内いたします。
子供にわかりやすいト音記号の書き方やコツは?
ト音記号は高音域を担当する記号です。
何を表す記号なのか、おさらいしましょう。
よく耳にする「ドレミファソラシド」はイタリア語です。
これを日本語にすると「ハニホヘトイロハ」となります。
以下の表でご確認ください。
イタリア語 | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
日本語 | ハ | 二 | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
日本語「ト」→イタリア語「ソ」に対応することがわかりますね。
ト音記号とは、「ト(イタリア語では「ソ」)」の音はここですよ、と表す記号なのです。
そのため、ト音記号は、五線紙の下から2線目のソを囲むように書きます。
ちなみに五線は、下から第1線、第2線…と数え、線と線の間も下から第1間、第2間…と数えます。
ト音記号の書き方を言葉で表すと以下のようになります。
複雑に思えますが、どの線に接し、どこを通るのか、確認しながら書くようにしましょう。
- 第2線の少し下=「ソ」の位置からスタート
- 「ソ」をぐるっと囲むように
- 第3線、続いて第1線に接してから、第4線を目指して上へ
- 第4線を通過したら、5線から上方向にはみ出させて、くるっと折り返してから下へ
- 第4線で交わったら、そのまままっすぐおろし、5線から下方向にはみ出させ、軽く曲げてから、終わりに丸を書く
慣れれば①〜⑤を一筆書きで書けるようになりますが、最初のうちは各パートごとに分けて練習をするといいでしょう。
ト音記号練習シートを使う
引用元:ドレミ広場
こちらの「ドレミ広場」から無料ダウンロードできるト音記号練習シートを使って練習する方法もおすすめです。
※リンク先からPDFをダウンロードできます。
続いて、ヘ音記号の書き方やコツについてご案内します。
子供にわかりやすいへ音記号の書き方やコツは?
ヘ音記号は、低音域を担当する記号で、ト音記号よりも単純な形をしていますね。
ト音記号と同様にイタリア語と日本語を対応させると、日本語「へ」→イタリア語「ファ」となりますから、ファの位置を表す記号ということになります。
つまりヘ音記号は「ファ」の位置からスタートし、それを囲むように書いていきます。
ヘ音記号の書き方を下記にまとめました。
- 第4線=「ファ」の位置に丸を書いてスタート
- 第5線に接してから、ぐるっと囲むように第2線の少し下まで書く
- 第4間と第5間に一つずつ点を打つ
形はト音記号ほど難しくはありませんが、忘れがちなのが③で打つ二つの点です。
これはちょうどファの音を挟むように打たれています。
意味がある点なので、忘れず書くようにしましょう。
続いて、楽しくできる練習方法についてご案内します。
楽しくできる練習法は?
楽譜の勉強は、絵やお手紙を書くのが好きで、鉛筆を使うことに抵抗がない子供さんなら、楽しんで取り組むでしょう。
苦手意識を持ってしまうお子さんは、鉛筆を使うことに慣れていなかったり、じっと座っているのが難しいことも多いので、それぞれの子供さんに対応したやり方で進めていくのが理想です。
導入前の段階であれば、まず塗り絵や点つなぎなどをやらせ、鉛筆の扱いと座って作業することに慣れさせるといいでしょう。
たくさんの色鉛筆をそろえ、音符やピアノに関する可愛らしい教材を用意すれば、意欲的に取り組んでくれるかもしれませんね。
続いて、ある程度楽譜に慣れ、本格的に勉強を進めようとする時に、なるべく楽しんで取り組んでもらえそうな方法をまとめました。
タイムアタックをしてみる
子供は基本的に競争することが好きです。
正しい競争であれば、集中して夢中で取り組みますし、「できた」「次はもっと頑張ろう」と前向きな気持ちになることが期待できます。
子供の向上心を刺激するために、人との競争ではなく時間と競わせてみてはいかがでしょうか。
例えば「ト音記号を10個正しく書けるまで、何分かかるか測ってみよう!」などの声かけです。
タイムが少しでも縮まったら、共に(少し大げさに)喜んであげましょう。
また、子供は大人が普段使っている道具に興味を持っているものです。
日頃、お家で見かけるキッチンタイマーを使えば、よりやる気になってくれるかもしれませんね。
音楽ドリルをしてみる
国語や算数などと同様、楽譜に関してのドリルも市販されていますので、お金はかかりますが利用してもいいでしょう。
繰り返し取り組み定着させる内容ですが、合間にクイズがあったり、1単元終了するとシールがもらえたりと、飽きないような工夫がされています。
間違えたところを分析すれば苦手な分野もわかり、先生や親から見て進捗状況のチェックがしやすい点もいいですね。
一冊終えれば本人の達成感もひとしおではないでしょうか。
ト音記号・ヘ音記号を楽しく練習する方法
- タイムアタックをしてみる
- 音楽ドリルをしてみる
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まとめ
今回は、楽譜の基本であるト音記号とヘ音記号の書き方について説明しました。
ト音記号やヘ音記号がなければ、五線紙に書かれている音符がどの音を表しているのかわからず、演奏する時とても困ります。
そのため、一瞬で判別できるようにわかりやすく見やすく書く必要があるのです。
また、聞き取った音を楽譜に記したり、頭の中のメロディを書き留めたりするためには、書くスピードも求められます。
わかりやすい形と一定以上のスピードで記号を書けるように、コツコツと練習を続けていく必要があるでしょう。
音楽とは本来楽しいものですから、楽譜に苦手意識を持たせないよう工夫しながら指導していきたいものですね。