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NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)

Nコン課題曲小学校・中学校・高校の歴代一覧は?自由曲でも人気なのはどれ?


学生時代にNHK全国学校音楽コンクール(以下Nコン)に参加したことがある方は意外と多いのではないでしょうか。

経験したことがある方は、楽曲を聴くと練習の日々が思い出されて懐かしく感じると思います。

近年ではJ-POPのミュージシャンが作詞作曲を手掛けることも多く、Nコンの楽曲が身近に感じられるようになりました。

過去の課題曲を振り返りながら人気のある曲や歌うときのポイントなどについてお話していきます。

Nコンの歴史は?いつから始まったの?

          

合唱経験者にとっては、かなり思い入れのあるNコンですが、その歴史はいつから始まったのでしょう。

その歴史は長く昭和7年まで遡ります。

以降第二次世界大戦中の昭和19・20年を除いて毎年開催されています。

第1回の昭和7年のコンクールには小学校の部門しかありませんでした。

課題曲は男声・女声それぞれ2曲ずつ文部省唱歌です。

中学校の部門ができたのは昭和24年の第16回からです。

また、高校の部門ができたのはさらに3年後の昭和27年の第19回からです。

課題曲が各部門1曲ずつではなく、複数ある年もありいろんな形態を経て今の形になっています。

様々な方々が課題曲を作ってきていますが、平成10年代から作詞作曲にJ-POPのシンガーソングライターを起用していることが増えてきました。

このことにより最近ではNコンの課題曲をNHKのみならず民放の歌番組でも聴ける機会が増えましたね。

それでは、部門別に分けて各年代ごとに課題曲をみてみましょう。

Nコン課題曲小学校部門の歴代一覧は?

1970年代(昭和40~50年代)

1970年代の課題曲一覧

まずは、小学校部門の1970年代(昭和40~50年代)の課題曲の曲名を見ていきましょう。

1970(S45) 空がこんなに青いとは                    岩谷時子/野田暉行
1971(S46) 地球の子ども                                              まど・みちお/山本直純
1972(S47) トランペットを吹きながら           中村千榮子/湯山昭
1973(S48) ポンポン船のうた                  山本瓔子/森脇憲三
1974(S49) 気球にのってどこまでも               東龍男/平吉毅州
1975(S50) 夕やけに拍手                           やなせたかし/若月明人
1976(S51) さびしい時ははだしになって             蓬莱泰三/三木稔
1977(S52) 白い花                                  鶴見正夫/野田暉行
1978(S53) おーい海!                             山川啓介/山本直純
1979(S54) 出発の朝                                山川啓介/福田和禾子

1970年代の小学校部門の課題曲にはまど・みちお氏ややなせたかし氏など児童文学や子ども向けの作品に所縁のある作家を作詞に起用しているのがわかります。では、いくつかの曲を取り上げて紹介してみます。

課題曲紹介

  • 地球の子ども(S46課題曲):この楽曲は「NHKみんなのうた」でも放送されました(初回1971年)。歌詞の内容としては地球に生きる全てのものを対象にしたものとなっています。
  • 出発の朝(S54課題曲):作詞の山川啓介氏は歌謡曲を多く手掛けていることでも有名な作詞家です。マルコ・ポーロなどの冒険家の名前が何人か出て、「ぼくは旅人ー」と繰り返しながら終わっていくのが印象的な楽曲です。

1980年代(昭和50~60年代)

課題曲一覧

次は1980年代(昭和50~60年代)です。

1980(S55) びっくりしゃっくり        伊藤アキラ/越信義
1981(S56) 未知という名の船に乗り    阿久悠/小林亜星(若松正司)
1982(S57) 光の中へ さあ君と         柴田陽平/坂田晃一
1983(S58) 時間                       前田祐美子/若松正司
1984(S59) Aわりばしいっぽん         蓬莱泰三/三善晃    B空がこんなに青いとは     岩谷時子/野田 行
1985(S60) A花と草と風と             やなせたかし/まいたしょうこ                  B夕日が背中を押してくる   阪田寛夫/山本直純
1986(S61) A山があって海がいて      山川啓介/南安雄        B風のうた                 峯陽/三木稔
1987(S62) A亜麻色の風の中へ        こわせたまみ/玉木宏樹  Bふしぎないずみ          勝承夫/福井文彦
1988(S63) Aいつか                   立原えりか/菊地雅春   B地球のこども            まど・みちお/山本直純
1989(H1) Aあたまの上に空          神沢利子/小林亜星      Bブランコの空            近江靖子/中田直宏

ここまで一覧にまとめてみてきました。1980年代の課題曲では歌謡曲で活躍している作詞家・作曲家がよく起用されています。それではいくつかどのような課題曲なのかを紹介していきます。

1980年代の課題曲紹介

  • 未知という名の船に乗り(S56課題曲):阿久悠作詞、小林亜星作曲という、あまり合唱曲に馴染みがない人でも知っているお二人が手掛けた課題曲です。結構アップテンポで、伴奏もかなりリズミカルです。ロックのテイストを感じる楽曲なので、リズムに乗って楽しく歌うことができます。
  • 空がこんなに青いとは(S45・S59課題曲):1970年にはNHK「みんなのうた」でも放送されていました。公害や環境問題をテーマにしている楽曲です。ミドルテンポで、パートごとに違うメロディを歌うことがほとんどないため歌いやすいです。長嶋茂雄氏が出演していたCMに起用されていたことがあります。
  • 花と草と風と(S60課題曲):アンパンマンの作者としても有名なやなせたかし氏が作詩を手掛けた楽曲です。歌詞にルルルやサササとありますが、歌と合っていれば違う言葉を当てはめてもよいということになっています。いろんな表現ができますね。爽やかでかわいらしい曲です。

1990年代(昭和60年代~平成11年)

1990年代の課題曲一覧

1990年代(昭和60年代~平成11年)の課題曲です。

1990(H2) 千年の樹                    高田ひろお/小林秀雄
1991(H3) 朝のおまじない              村田さち子/松尾祐孝
1992(H4) だから すきさ                東龍男/若松正司
1993(H5) スケッチブックの空を         人見敬子(村田さち子)/平吉毅州
1994(H6) ともだちと                   山本瓔子/大熊崇子
1995(H7) 六年生の夏                   関根榮一/飯沼信義
1996(H8) 自転車でゆこうよ             桑原永江/石桁冬樹
1997(H9) かぜと木                     岸田衿子/黒澤吉徳
1998(H10) 花と少女                     榎木冨士夫/寺島尚彦
1999(H11) ほほう!                     工藤直子/横山潤子

1990年代の課題曲紹介

  • 千年の樹(H2課題曲):この楽曲は4分の3拍子のワルツを感じさせる曲です。なかなか曲調を活かして歌いこなすのが難しいようです。おじいさんを千年の樹に例え、全てを見守ってくれていると感じさせる温かい歌詞です。
  • ほほう!(H11課題曲):タイトルだけだと何を歌っているか興味をかきたてられる曲ですよね。「左の耳をすませば 遠い遠い昔の音がきこえる」「右の耳をすませば はるかはるか未来の音が聞こえる」と過去と未来とを繋ぐような壮大な歌詞です。

2000年代(平成10年代)

2000年代の課題曲一覧

2000年代(平成10年代)です。だいぶ現代に近づいてきました。

2000(H12) 大すき                      小泉周二/山本健司
2001(H13) ロボット                    サンプラザ中野/福田和禾子
2002(H14) おさんぽぽいぽい            角野栄子/新実徳英
2003(H15) やさしい風                  萩原あゆみ/グッチ祐三(福田和禾子)
2004(H16) 未来を旅するハーモニー      吉田美和/吉田美和(寺島尚彦)
2005(H17) みんなみんな                まど・みちお/ 三善晃
2006(H18) まいにち「おはつ」          工藤直子/木下牧子
2007(H19) 手をのばす 俵万智/新実徳吉
2008(H20) この☆(ほし)のゆくえ 森絵都/大田桜子
2009(H21) ここからいちばんとおいところ 覚和歌子    夢の太陽           /千住明

この年代あたりからJ-POPミュージシャンの名前がちらほら見えるようになってきました。では、どのような曲があったかいくつか見てみましょう。

2000年代の課題曲紹介

  • ロボット(H13課題曲):爆風スランプのサンプラザ中野くんが作詞を手がけた楽曲です。この年から課題曲にテーマが決められ、2001年は「個が輝く時代」というテーマでした。「ロボット」という楽曲にはロボットのように友達や人のことを考えられない人になるのは嫌だ、人を思いやる気持ちの大切さが込められています。
  • 未来を旅するハーモニー(H16課題曲):DREAMS COME TRUEの吉田美和氏が作詞作曲された楽曲です。歌詞は卒業するにあたっての心情をとてもリアルに表現されています。3拍子で少し難易度は高いですが、人気があります。

2010年代(平成20年代~)

2010年代の課題曲一覧

2010年代(平成20年代~)です。記憶に新しい楽曲が並んでいると思います。

2010(H22) いのちのいっちょうめ 里乃塚玲央/横山裕美子
2011(H23 ) ぼくらは仲間  やなせたかし/鈴木憲夫
2012(H24) 希望のひかり  遊佐未森/大熊崇子
2013(H25) ふるさと  小山薫堂/youth case(桜田直子)
2014(H26) ゆうき  中川李枝子/村松崇継
2015(H27) 地球をつつむ歌声 日野原重明/加藤昌則
2016(H28) ぼくらのエコー 荒井良二/大田桜子
2017(H29 ) いまだよ  宮下奈都/信長貴富
2018(H30) 出発  工藤直子/松下耕

今まで課題曲に携わっていなかった作詞家・作曲家の方を起用して課題曲が作られているような傾向にあります。では、どのような楽曲があったのかいくつか絞ってみてみましょう。

2010年度の課題曲紹介

  • ぼくらは仲間(H23課題曲):アンパンマン作者であるやなせたかし氏が作詞を手掛けています。春は花の仲間、夏は波の仲間など季節それぞれの良さを仲間に例えて四季を歌った歌詞です。やなせたかし氏らしいかわいらしい楽曲です。
  • ふるさと(H25課題曲):この課題曲は2010年の「第61回NHK紅白歌合戦」のために制作され、第62回で歌われたものです。嵐が何度か披露していることで耳にしたことがある方も多いと思います。「夢のスタート地点である小学生時代の今を自分の心のふるさとと思ってほしい」というような気持ちを込めてあるとされています。

では、次に中学校の部門の課題曲を見ていきましょう。

Nコン課題曲中学校部門の歴代一覧は?

1970年代(昭和50年代)

1970年代の課題曲一覧

今から約50年程前の課題曲にはどのようなものがあったのかをまとめていきます。

1970(S45) 海べで 安永稔和/平吉毅州
1971(S46) 山の祭り  川添一郎/江川マスミ
1972(S47) かたつむりのうた 阪田寛夫/大中恩
1973(S48) 遊園地の汽車  筒井敬介/三枝成章
1974(S49) 青空のすみっこ  谷川俊太郎/寺島尚彦
1975(S50) ともだちがいる  岩谷時子/冨田勲
1976(S51) 水芭蕉  三越左千夫/岩河三郎
1977(S52) レモン色の霧よ  結城ふじを/玉木宏樹
1978(S53) 歌がうまれる 峯陽/小林秀雄
1979(S54) 時は流れても  山上路夫/池辺晋一郎

では、どのような楽曲があるかをいくつか紹介してみましょう。

1970年代の課題曲紹介

  • 青空のすみっこ(S49課題曲):谷川俊太郎氏が作詞をされています。歌詞も曲調も比較的シンプルなので、歌いやすい楽曲です。中学生の多感で不安定な心情を空に例えているように感じる内容です。
  • 時は流れても(S54課題曲):NHK大河ドラマの音楽などを多く作られてきた池辺晋一郎氏が作曲されています。「時の流れは止められないから今を大切に生きよう」というようなメッセージ性の強い楽曲です。

では、次に1980年代の課題曲を振り返ってみましょう。

1980年代(昭和50年代~60年代)

1980年代課題曲一覧

この年代の課題曲からA・B、2種類の課題曲から選択して歌唱する時期が出てきます。どのような楽曲があったかをみていきましょう。

1980(S55) きみは鳥・きみは花 川崎洋/湯山昭
1981(S56) うつくしい鐘が… 新川和江/飯沼信義
1982(S57) 景色がわたしを見た 関根榮一/寺島尚彦
1983(S58) 心の馬 三石真弓/中田喜直
1984(S59) A虹のうた 木島始/新実徳英               Bひとみ  薩摩忠/越部信義
1985(S60) Aミスター・モーニング 村田さち子/小六禮次郎                            B美しい秋 髙田敏子/中田喜直
1986(S61) A風よ鳥よ 榎木富士夫/飯田隆              B麦藁帽子 立原道造/飯沼信義
1987(S62) Aトマトの夕焼けスープ 村田さち子/青島広志                            B時は流れても 山上路夫/池辺晋一郎
1988(S63) A小さな協奏曲(コンチェルト) 木坂涼/寺島尚彦                            Bかたつむりのうた 阪田寛夫/大中恩
1989(H1) A海の不思議 川崎洋/平吉毅州                            Bことばの歌 藤田圭雄/林光

では、どのような曲があったかをいくつか紹介してみようと思います。

1980年代の課題曲紹介

  • きみは鳥・きみは花(S55課題曲):鳥や花に例えて今の時期のきみが素晴らしいと歌っているかのような歌詞で、詞がとても美しいです。曲調もとても豪華な印象です。
  • ミスター・モーニング(S60課題曲):「ミスター・モーニング 会いたかったよ」が印象的ですね。曲調、歌詞共に爽やかで中学生にぴったりの楽曲と言えます。

では、次に1990年代の課題曲をみてみましょう。

1990年代(平成2年~平成11年)

1990年代の課題曲一覧

この年代からまた選曲制ではなくなっています。

1990(H2) 朝のバス 俵万智/飯沼信義
1991(H3) 地球が私を愛するように 山川啓介/野田暉行
1992(H4) もえる緑をこころに 関根榮一/木下牧子
1993(H5) いっぽんの欅の木が 埋田昇二/佐藤眞
1994(H6) 家族 川崎洋/鈴木行一
1995(H7) 遥かな時の彼方へと 片岡輝/高嶋みどり
1996(H8) この夢を 高野喜久雄/鈴木輝昭
1997(H9) 砂丘 園田恵子/荻久保和明
1998(H10) タンポポ 蓬莱泰三/松下耕
1999(H11) こんなにたしかに まど・みちお/山本純ノ介

では、何曲か取り上げて課題曲を紹介していきます。

1990年代の課題曲紹介

  • 遥かな時の彼方へと(H7課題曲):後半部分の「あなたも私も 生きて 生きて 生きる」からの盛り上がりが心を打つ楽曲です。とてもエネルギーを感じる歌詞です。歌うときはテンポ感と強弱のつけ方がカギになります。
  • 砂丘(H8):「ひとつの砂山を~」から始まる楽曲です。砂山を人生・時間に置き換えて、人生における時間の大切さを歌っているような歌詞です。「他人を愛すことができたか」など問いかけるような歌詞が印象的です。

では、次に2000年代の課題曲を見ていきましょう。

2000年代(平成10年代)

2000年代の課題曲一覧

この年代からJ-POPのミュージシャンが作詞作曲を手掛ける課題曲が増えてきます。

2000(H12) こうしていよう さくらももこ/朝川朋之
2001(H13) 変  ドリアン助川/寺嶋陸也
2002(H14 ) 予感 片岡輝/大熊崇子
2003(H15) 白いページ  竹内香織(小椋圭)/小椋圭(横山潤子)
2004(H16) 信じる  谷川俊太郎/松下耕
2005(H17) 花と一緒 ねじめ正一/横山潤子
2006(H18) 虹 森山直太朗・御徒町凧/森山直太朗・御徒町凧(信長貴富)
2007(H19) めぐりあい  重松清/高嶋みどり
2008(H20) 手紙 アンジェラ・アキ/アンジェラ・アキ(鷹羽弘晃)
2009(H21) YELL 水野良樹(いきものがかり)/水野良樹(いきものがかり)(鷹羽弘晃)

2000年代の課題曲紹介

  • こうしていよう(H12課題曲):さくらももこ氏が作詞をされています。「おもしろいね ラクだからこのまま ころころしていよう」など歌詞にはさくらももこ氏らしいあたたかい言葉がたくさん詰め込まれています。曲自体聴いていてとてもほっこりさせられます。
  • 虹(H18課題曲):森山直太朗氏・御徒町凧氏が作詞作曲に携わっています。森山直太朗氏の風待ち交差点にも収録されています。この楽曲の背景には大切な友人が亡くなったことがあるようです。

では、最後に2010年代の課題曲をみてみましょう。

2010年代(平成20年代)

2010年代の課題曲一覧

記憶に新しいですね。オリコンチャートの上位を占めるミュージシャンが多く課題曲を作っているのがわかります。アイドルまで課題曲に関わるようになったときには驚きました。一覧にしてみていきいましょう。

2010(H22) I ♥ xxx 愛/愛(上田真樹)
2011(H23) 証(あかし) 山村隆太(flumpool)/阪井一生(flumpool)(加藤昌則)
2012(H24) fight YUI/YUI(松本望)
2013(H25) 友~旅立ちのとき~ 北川悠仁(ゆず)/北川悠仁(ゆず)(相澤直人)
2014(H26) 桜の季節 ATSUSHI/ATSUSHI/ マシコタツロウ(加藤昌則)
2015(H27) プレゼント Saori(SEKAI NO OWARI)/Nakajin(SEKAI NO OWARI)(大田桜子)
2016(H28) 結ーゆいー miwa/miwa(佐藤賢太郎)
2017(H29) 願いごとの持ち腐れ 秋元康/内山栞(横山潤子)
2018(H30) Gift 越智志帆(Superfly)/越智志帆/蔦屋好位置(大田桜子)

2010年代課題曲紹介

  • 友~旅立ちのとき~(H25課題曲):北川悠仁氏(ゆず)が作詞作曲をされています。2013年にはNHK「みんなのうた」にも起用されています。東日本大震災後にツアーを共にするスタッフなどを想い書かれたとされる曲で、課題曲をつくるにあたりぶっラッシュアップされたそうです。
  • 結-ゆい-(H28課題曲):miwaさんにより作詞作曲されています。miwaさんは「仲間と一緒に時間を共有し大きな夢に向かってチャレンジすることの素晴らしさ」を楽曲に込めて作られたと話しています。歌を聴いていても元気づけられる

では、高等学校の課題曲をみていきましょう。

Nコン課題曲高等学校部門歴代一覧は?

1970年代(昭和40~50年代)

1970年代の課題曲一覧

この年代の課題曲には後に合唱組曲として出されている曲がいくつか含まれています。まずは、一覧でみてみましょう。

1970(S45) 赤い機関車 高田敏子/高木東六
1971(S46) ひとみのうた 木島始/三宅榛名
1972(S47) 開演のベルが 中山知子/末吉保雄
1973(S48) 博物館の機関車 筒井敬介/池辺晋一郎
1974(S49) ともしびを高くかかげて 岩谷時子/冨田勲
1975(S50) 海はなかった 岩間芳樹/広瀬量平
1976(S51) 旅に出よう 吉原幸子/大中恩
1977(S52) みえない樹 伊藤海彦/佐藤眞
1978(S53) ひとつの朝 片岡輝/平吉毅州
1979(54) 冬・風蓮湖 岩間芳樹/高田三郎

それでは、いくつか課題曲を紹介していきます。

1970年代課題曲紹介

  • ともしびを高くかかげて(S49課題曲):作詞には「サインはV」などの作詞をされている岩田時子氏が手掛けています。この楽曲は他の年の課題曲と比べると比較的歌いやすいです。ギターを使用しても良いとされており、合唱曲としてはかなり楽しんで歌えるものとなっています。
  • 冬・風蓮湖(S54課題曲):自由曲として選ばれることが多い楽曲でもあります。歌詞には冬の厳しさがよく描かれており、作詞をされた岩間氏は十代が持つ劣等感を歌詞に表現されたというエピソードがあります。

では、次は1980年代の課題曲をみてみましょう。

1980年代(昭和50~60年代)

1980年代の課題曲一覧

1980年代(昭和50~60年代)です。この年代には課題曲4曲から選んで歌唱するというスタイルが出てきています。

1980(S55) 走る海 吉野弘/広瀬量平
1981(S56) わが里程標(マイルストーン) 片岡輝/平吉毅州
1982(S57) 水のうた 丸山豊/大中恩
1983(S58) みぞれ 伊藤民枝/野田暉行
1984(S59) A君は夕焼けを見たか 阪田寛夫/黒澤吉徳          Bひとつの朝 片岡輝/平吉毅州        C男性合唱組曲「月光とピエロ」から秋のピエロ 堀口大學/清水侑                           D開演のベルが 中山知子/末吉保雄
1985(S60) A青春のノートブック 嶋岡晨/青島広志   B混声合唱のための組曲「旅」から行こうふたたび 田中清光/佐藤眞            C男性合唱組曲「柳河風俗詩」から柳河 北原白秋/多田武彦                D落葉松  野上彰/小林秀雄
1986(S61) Aさようならの季節に 吉沢久美子/坪能克 裕                       B混声合唱組曲「筑後川」から河口 丸山豊/團伊玖磨                        C男声合唱のための組曲「蛙の歌」から小曲 草野心平/南弘明                  D海はなかった 岩間芳樹/広瀬量平
1987(S62) A巨木のうた 木島始/林光                       Bわが里程標(マイルストーン) 片岡輝/平吉毅州                                                         Cともしびを高くかかげて 岩谷時子/冨田勲                                                         D赤い機関車 高田敏子/高木東六
1988(S63) A時代ー飛び立つ鳥はー 阿久悠/佐藤眞       B冬・風蓮湖 岩間芳樹/高田三郎              C日本のみのり 中村千榮子/小山清茂        Dねむの花 壷田花子/中田喜直
1989(H1) Aいま 阪田寛夫/尾形敏幸                       Bひとみのうた 木島始/三宅榛名             C男声合唱組曲「富士山」作品第肆 草野心平/多田武彦                                                D小鳥の歌 深尾須磨子/橋本国彦

それでは何曲か紹介していきます。

1980年代の課題曲紹介

  • 走る海(S55課題曲):「それは一個の巨大な排他性だった」という表現やや吹雪という言葉が何度も歌詞の中に出てきて高校生ならではの難しい内容の歌詞です。一見、重い印象の楽曲ではありますが、聴いていてすごく考えさせられる部分がある奥の深い曲です。
  • ねむの花(S63課題曲):「おねむりなさいというように ねむの花が咲く夕べ」など歌詞がとても柔らかく、美しい楽曲です。メロディーラインも美しく親しみやすいです。

1990年代(昭和60年代~平成11年)

1990年代の課題曲一覧

1990年代(昭和60年代~平成11年)です。

1990(H2) この愛を 片岡輝/髙嶋みどり
1991(H3) 聞こえる 岩間芳樹/新実徳英
1992(H4) ありがとう 高野喜久雄/鈴木輝昭
1993(H5) 遠く吹く風 県多乃梨子(片岡輝)/黒澤吉徳
1994(H6) そして夜が明ける なかにし礼/西村朗
1995(H7) 生きる 谷川俊太郎/新実徳英
1996(H8) 風を拓いて 村田さち子/菅野由弘
1997(H9) めばえ みずかみかずよ/木下牧子
1998(H10) また、あした 島田雅彦/三枝成彰
1999(H11) この世の中にある 石垣りん/大熊崇子

では、課題曲をいくつか取り上げて紹介していきます。

1990年代の課題曲紹介

  • 遠く吹く風(H5課題曲):ポップな印象で始まりますが、終盤に向かって壮大な印象の曲です。歌詞が世界の広さを感じさせ、また天気予報のような言い回しを使い親しみやすさ感じさせる楽曲です。
  • 生きる(H6課題曲):合唱曲集「空に、樹に」に収録されています。この楽曲は無伴奏課題曲で美しいメロディーとハーモニーが印象的です。歌詞は命をテーマにされています。

では、2000年代の課題曲をみていきましょう。

2000年代(平成10年代)

2000年代の課題曲一覧

2000(H12) はじめに…… 長田弘/松下耕
2001(H13) きょうの陽に 新川和江/髙嶋みどり
2002(H14) なぎさの地球 大岡信/木下牧子
2003(H15) あしたはどこから 平峯千晶/三枝成彰
2004(H16) 「新しい人」に 大江健三郎/信長貴富
2005(H17) 風になりたい 川崎洋/寺嶋陸也
2006(H18) ある真夜中に 瀬戸内寂聴/千原英喜
2007(H19) 言葉にすれば ゴスペラーズ・松下耕共同制作
2008(H20) 青春譜 五木寛之/信長貴富
2009(H21) あの空へ~青のジャンプ~ 石田衣良/大島ミチル

それでは、何曲か課題曲を紹介します。

2000年代の課題曲紹介

  • あしたはどこから(H15課題曲):先がわからない今の現状から明るい未来を見出すことを表現したかのような楽曲です。「青い疑問符たち」「私と世界の付け根から」など独特の言葉を選ばれていて、歌詞を読むだけでも楽しめます。
  • 風になりたい(H17課題曲):高校の課題曲としては比較的短めで歌いやすい楽曲のように感じます。風や森、潮騒など自然を美しく表現した言葉が多く用いられており、とても爽やかな印象を受けます。

では、最後に2010年代の課題曲をみていきましょう。

2010年代(平成20年代)

2010年代の課題曲一覧

2010(H22) いのち 谷川俊太郎/鈴木輝昭
2011(H23) 僕が守る 銀色夏生/上田真樹
2012(H24) 明日(あした)へ続く道 星野富弘/千原英喜  もう一度
2013(H25) ここにいる 文月悠光/新実徳英
2014(H26) 共演者 小林香/横山潤子
2015(H27) メイプルシロップ 穂村弘/松本望
2016(H28) 次元 朝井リョウ/三宅悠多
2017(H29) 君が君に歌う歌 Evis Woodstck(リリー・フランキー)/大島ミチル
2018(H30) ポジティブ太郎~いつでも始まり~ つんく/上田真樹

では、課題曲をいくつか紹介していきます。

2010年代の課題曲紹介

  • いのち(H22課題曲):「いのちからいのちを”奪われるとき”もいのちはいのちから”生まれ”」などいろんな表現の仕方でいのちとは何なのかを表現されている歌詞です。奥が深い高校生にふさわしい課題曲だったと言えます。壮大なテーマでもあるので、ハーモニーを十分に響かせて歌われるととても素晴らしい曲になります。
  • ここにいる(H25課題曲):無伴奏で歌う課題曲です。スタートをテーマにした楽曲です。「いろんなことに迷いが生じるけれども、自分の好きなことを見出すことがスタートだ」というような解釈ができる歌詞です。無伴奏であることも影響して難しめの楽曲ですが、力強さを感じさせる素敵な曲です。

ここまで小学校・中学校・高等学校の昭和50年以降の歴代課題曲を一覧にしてみてきました。では、自由曲ではどのような曲がよく選ばれているかをみていきます。

自由曲でもよく選ばれる曲は?

Nコンでは課題曲と別にもう一曲自由曲を歌うことになっています。

自由曲に過去のNコン課題曲を選ぶ学校がよくあります。

そこで、自由曲によく選ばれる曲をNコン課題曲に絞って紹介してみます。

  • YELL(H21中学校の部課題曲) いきものがかりの楽曲としても有名な曲です。力強く
  • 落葉松(S60高等学校の部課題曲) 軽井沢の自然を愛した野上氏が生前に残した詩に小林秀雄が曲を付けた楽曲です。
  • 気球にのってどこまでも(S49小学校の部課題曲) 教科書に掲載されるほど人気のある曲です。サビの部分では手拍子を付けて歌われることもあり、爽やかな明るい楽曲です。
  • 聞こえる(H3高等学校の部課題曲) 混声四部、女性三部、男声四部の3パターンの楽譜があります。荘厳な感じで始まり、次第に疾走感のある歌に変わる、時代を反映した楽曲です。
  • 言葉にすれば(H19高等学校の部課題曲) ゴスペラーズの安岡優が共作として携わっています。ポップスと合唱曲の融合の先駆けとなる楽曲です。
  • 信じる(H16中学校の部課題曲) 平和・反戦をテーマにされたような楽曲で、卒業式などの機会で歌われることも多いです。
  • 手紙~拝啓 十五の君へ~(H20中学校の部課題曲) アンジェラ・アキが15歳のときに自分に向けて書いた手紙に基づいています。
  • 虹(H18中学校の部課題曲)森山直太朗・御徒町凧の共作ででいきた楽曲です。
  • ひとつの朝に(S53.S59高等学校の部課題曲) 課題曲となったのちに合唱組曲「ひとつの朝」となった合唱曲の定番です。パートごとの声量のバランス、強弱に気を付けて歌うと良く聞こえます。
  • 未知という名の船に乗り(S56小学校の部課題曲) 歌謡曲の作詞や作曲を手掛ける作家が初めて課題曲を作ったのがこの楽曲です。
  • 予感(H14中学校の部課題曲)環境をテーマとした課題曲です。自分たちで未来を変えていこうというメッセージ性の強い楽曲です。

人気のある曲だけあってどの曲もメッセージ性のある素敵な楽曲です。

Nコンの課題曲以外にもよく自由曲で歌われている合唱曲は多くあります。

インターネットで視聴できるようになっているので、ぜひいろんな曲を聴いてみてください。

まとめ

Nコンは80年以上にもおよぶ長い歴史をもっています。

どの課題曲も心に響く素敵な楽曲ですね。

Nコン公式ホームページでは楽曲を視聴することが可能です。

楽曲を少し聴くだけでも、その当時のことを思い出せてとても懐かしく感じられますよね。

ぜひ気になった課題曲を聴いて、楽しんでみてください。