バスドラムといえば、低音楽器とともにビートを刻む打楽器の重要な楽器ですね。
重要ゆえに大きな音で叩くことを求められたり、ついつい力が入って思い切り演奏する機会も多いかもしれません。
使い込まれたバスドラムのヘッドが緩んできてしまったり、はたまた破れてしまった時、みなさんはどのように対応していますか?
今回は自分でバスドラムのヘッドを交換する方法や、選び方などをご紹介していきたいと思います!
バスドラムのサイズや材質の種類はどんなものがある?
一口に「バスドラム」というと、皆さんはどの「バスドラム」を想像されますか?
もう少し正確に表現すると、いわゆる大太鼓と呼ばれている「コンサートバスドラム」と、ドラムセットの中央についている「バスドラム」があります。
それぞれのバスドラムの中でも大きさが色々あり、ヘッド交換をする場合は必ず大きさを確認してから買うようにしましょう。
ヘッドのサイズ
ヘッドのサイズは色々な大きさがあり、ほとんどの場合インチで表記されています。
自分が使っているバスドラムのインチ数がわからない場合は、ヘッドを外して「盛り上がっている部分の直径(cm)」を測ってみましょう。
この時、ヘッドのリム(一番外側の金属部分)の直径ではないので、注意してくださいね!
センチメートルとインチの換算表は下記の通りになります。
・1インチ=2.54センチメートル
・1センチメートル=0.393701インチ
小数点が多くてちょっとわかりずらいですが、センチメートルで測れればだいたいのインチサイズは計算できると思います!
主に使われているサイズを下記にまとめておきますので、参考にしてみてください。
バスドラム(ドラムセット) | 18”(約46cm) 20”(約51cm) 22”(約56cm) 24”(約61cm) 26”(約66cm) |
---|---|
コンサートバスドラム | 24”(約61cm) 28”(約71cm) 32”(約81cm) 36”(約92cm) 40”(約102cm) |
ヘッドの素材
また、ヘッドに使用されている材質も様々なものがあります。
厚みもメーカーによって複数種類用意されていることがほとんどで、打面と反対側の裏面に張るヘッドは薄いものをつけることが多いです。
ヘッドの厚みや素材によって音色が変わってきますので、好みの素材を選びましょう。
本皮 | 皮を使用しており、芯のある深い響きがする |
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ニュースキン | 温度や湿度の影響を受けにくい |
レガシー | 特殊フィルムを採用した素材で、本皮に近い音色 |
スムースホワイト | 最もポピュラーな素材で、伸びのある音色 |
コーテッド | 表面にざらざらしたコーティングを施したもの |
etc. | … |
バスドラムヘッドの選び方は?
ここまで、いろいろなサイズや素材の種類があることをご紹介してきました。
では、いざバスドラムヘッドを選ぶときは何を判断基準にすればよいのでしょうか?
交換するバスドラムのサイズを確認する
まずはこれを確認しないことには始まりません、
上に紹介したようにご自身のバスドラムの直径を測ってインチ数を確認しましょう。
もし測るものがなかったり不安な場合は、現在使用しているヘッドを取り外して楽器屋さんに持っていき同じサイズのヘッドを選びましょう。
予算を決めておこう
バスドラムのヘッドはたくさんのメーカーが色々な種類を販売しています。
中でもスポンジミュートがついているものなどは、ついていないタイプに比べて価格が高くなっていたり、素材によって価格帯が変わってきますので「高くても5,000円までにしよう」「欲しい音色が出せればいくらでも」「今回はこのメーカーのものが買いたい」など、欲しい音色とお財布のバランスを決めておくことで選択肢が絞られてくるでしょう。
欲しい音色、出したい音のタイプを考える
さて、サイズと予算が決まれば求める音色についてポイントをしぼっておきましょう。
明るく繊細な音色が欲しいですか?重厚感のある太い音色が欲しいでしょうか?
出したい音のタイプによって選ぶべきヘッドのタイプが変わりますので、予算の中で最も求める音に近いタイプを選ぶことが大切です。
また、ヘッドを変えることによって音色に直接大きな影響を与えるのは打面側のヘッドで、反対側にあたるフロントヘッドはあまり影響は大きくありません。
フロントのヘッドを変える場合はデザインや皮のタイプにこだわってみるのもいいかもしれませんね。
明るい⇔暗い、繊細⇔重いなどの音色の比較についてはメーカーのガイドがあることが多いので、楽器屋さんにたずねてみましょう。
おすすめヘッドは?
それではもう少し具体的にいくつかのバスドラムヘッドをご紹介します。
ドラムセットのバスドラム編
以下は22インチで統一してご紹介していますが、他のサイズやタイプもありますのでご参考程度にご覧ください。
REMO (レモ) /パワーストローク3 P3-122B
ドラムのメーカーとして知らない人はいないであろうRemoのヘッドです。
パワーストローク3の型番の中で100番台がコーティング、300番台がクリア、SUとついているものがスエードタイプです。
ヘッド全体がコーティングされたタイプで、ダブルフィルムのエッジ部分にミュートがついています。
EVANS(エヴァンス)/BD22EMAD
EVANSはコンピューター制御によって生み出される均一性の高いドラムヘッドメーカーとして有名です。
EMADシリーズは型番の後ろにCWがついているものがコーテッド、ついていないものがクリアタイプです。
このシリーズは外側からウレタン製ミュートを挟み込む構造になっており、簡単にミュートの取り外しができるのも魅力です。
Pearl(パール)/Black Beat EB-22BDPL
Pearlも打楽器メーカーとして有名です。
1ply(一枚皮)のため、開放感のあるナチュラルな音色をしています。
価格もお手ごろで、オーソドックスなモデルのため手軽に試せるでしょう。
コンサートバスドラム編
コンサートバスドラムは打面が大きいため、価格帯も1万円前後となっています。
Pearl(パール)/PBB3216
YAMAHAと並んでポピュラーなコンサートバスドラムです。
使いやすくオールマイティなサイズで人気を獲得したモデルなので、一度は演奏したことがあるかもしれません。
YAMAHA CB-7032
よく目にするYAMAHAのコンサートバスドラムです。
ヘッド部分はヤマハレモニュースキンを使用しており、シェルとの相性が抜群で重厚な音色が出せます。
ヘッド交換はどうする?
さて、ここまでで様々なヘッドの種類やおすすめヘッドについてご紹介してきましたが、実際にヘッドを交換する方法についてご説明しましょう。
ボルトをはずす
まず最初に交換したいヘッドが上を向くように平らなところに置き、ボルトを少しずつ緩めていきます。
その際に注意することは、なるべく対角線上にあるボルト同士をペアとして、均等に緩めるということです。
ボルトを緩める際は、チューニングキーを使って少し緩め、対角線にあるボルトを同じくらい緩め、その隣のボルトを緩めてまたその対角線上・・・という具合に少しずつ緩めていき、最終的に手で回せるくらいまで緩めます。
ミュート材を出す
バスドラムの中にミュート材(毛布など)が入っている場合は、ミュート材を出します。
ミュート材の出し入れや取り換えなどのみの作業をする場合もここまで同じ作業内容になるので、ここまでの手順を覚えておくといいでしょう。
パーツを点検する
次に、内側にあるボルトを受けるパーツ(ラグ)のネジを締めなおしましょう。
この時、強く締め過ぎないように注意しましょう。緩んでたら締める程度で問題ありません。
必要であればこの際に本体やネジ山など普段手入れがしにくい箇所をきれいに拭いたり、磨いたりしてメンテナンスをしましょう。
ドラムヘッドを取り付ける
裏側のメンテナンスが終われば、準備しておいたバスドラムヘッドを取り付けます。
この時にロゴマークはきちんと上にくるようにセッティングしましょう。
取り外した時と同じ要領で、対になるペアごとに少しずつボルトを均等に締めていきます。
締める時のポイントは、最初からきっちり締めていくのではなく、少しずつ締めていって、各ペアの締め具合を均等に締めていくことです。
ある程度締まったら、手でヘッド部分を軽く押さえましょう。
こうすることで新品のまま張った時より何度か叩いたような伸びを作ります。
少し伸ばしたら、また均等に締めてください。
ある程度なじんできたら、次はさっきより強めに力を入れてヘッド面を押さえてさらにテンションをかけます。
「ミシミシ」という音が、少なくなってくるまでこの作業を続けてください。
最後に微調整をしながらチューニングして完了です。
インパクトパッドはヘッドを取り付けた後に取り付けでも大丈夫です。
取り外して戻しても大丈夫?
使用していたヘッドをいったん取り外したものの、新しいものとサイズが合わなかったりして結局また同じものを使う・・・
そういう状況になった場合に、今まで使っていたものをまた使用してもいいのか?
という疑問が出ることもあるかもしれませんね。
基本的に穴が開いてしまったり破れたものでなければ、再使用は可能です。
ただし、一度はずしてしまうとまた張りなおす必要がありますので、締める際は特に気を付けましょう。
新品のヘッドを取り付ける時とは違い、何回か使用しているヘッドであればある程度革が締まって硬くなっていると思いますので、新品を取り付ける際のようにあまり強く押したりテンションをくわえてしまうと、劣化しているものであればそれが原因で破れてしまう原因にもなりかねません。
また、対になるよう軽くから締めていってから微調整を行うことも忘れないようにしましょう。
まとめ
- サイズを必ず確認しよう
- 求める音によって選ぶ素材が変わってくる
- ヘッドを張り替えるタイミングで各所メンテナンスを
- 張り替えの際は何度か押してテンションを加えて締めなおそう
張り替えの作業は慣れれば15分程度で完了すると思います。
本番やイベントの時にヘッドが劣化して破れたりなんていうことのないように、定期的にチェックして必要であれば自分で張り替えておきましょう!