ホルンは金管楽器の中で最も難しい楽器だと言われています。
その難しさは、なんとギネスにも認定されているほどです。
ホルンは、管が細長いのにマウスピースが小さいため、安定した音を出すのはとても難しい楽器なんです。
そこで今回は、安定した音が出せない、ホルン初心者の方のために、ホルンを上手に吹くコツや練習方法についてお教えいたします。
- アンブシュアの形から、手の形
- 基本的な吹き方
- 高音をきれいに出すコツについて
ホルン奏者の方には是非とも知っておいて欲しい内容についてまとめましたので、是非参考にしてみてください!
目次
ホルン初心者の練習方法
ホルン初心者の方のために、まずはホルンの基本的な吹き方について解説していきたいと思います。
アンブシュア(口)は?
ホルンで安定した音を出すためにもアンブシュアは非常に大切です。
しかしながら、ハッキリ言ってホルンのアンブシュアは簡単ではありません。
どの楽器でもそうですが、顔周りの多くの筋肉を使ってアンブシュアを作っています。
練習してすぐに筋肉はつくものではありませんし、唇の形などによっても多少やりやすさは異なってくると思います。
ですので、練習したからと言ってすぐにできなくても、めげないで下さいね。
では、ホルンのアンブシュアについて解説いたします。
①まずは、空気の通り道(アパチュア)を真ん中に作る
まずは、空気の通り道であるアパチュアを真ん中に作ることが大切です。
マウスピースと楽器を持たない状態で、練習してみましょう。
顔から10~15センチほど話したところにティッシュを持ってきます。
唇を両側にひいて、口元はほんの少し上げるイメージでアンブシュアを作ります。
この唇の形で、スイカの種を飛ばすイメージで、ティッシュに向かって息を吹いてみましょう。
ティッシュは均等に揺れていますか?
もし、片側しか揺れていない状態であれば、アパチュアが真ん中でない可能性が高いです。
しっかりと真ん中で吹けるようにしましょう。
②アパチュアを意識しながら理想のアンブシュアを作る
先ほどのアパチュアを意識しながら、理想のアンブシュアを作ってみましょう。
口角を少しあげた状態で、顎を少しひくイメージです。
顎を引きぎみにすると、吹きにくい可能性もあります。
そんなときは、顎をひく具合を緩めてみても良いでしょう。
右手は?
ホルンの右手は、基本的にベルの中に入っています。
どのくらい中に入れたらいいのか?
手の形はどうしたらいいのか?
初心者の方は分からないと思います。
ここでは、ホルンの右手の入れ方について解説いたします。
右手の入れ方には、いくつか方法があります。
①右手の甲をベルにくっつけるようにして持つ:手の平をほっぺた側に当てる
②右手の甲でベルを支えるようにして持つ:一般的に一番持ちやすい方法
ホルンのベルは後ろを向いていますし、手を入れ過ぎると音も響かなくなってしまうので、基本的に入れ過ぎない方が良いと思います。
自分の一番持ちやすい持ち方で、そして音がこもらないようになるべくベルをふさがない持ち方をしましょう。
左手は?
では、続いて左手はどのようにしたらいいのでしょうか?
ホルンは珍しいことに、左手でバルブを操作する楽器です。
したがって、左手の基本的な位置は、
人差し指、中指、薬指はレバーに、そして、小指は小指掛けにひっかける形になります。
女性や、手の小さな方は小指が届かない!なんてこともあるかもしれません。
そんな時は、プロテクタ等を利用するのも手ですよ。
基本的に、演奏中はレバーから指は離さない方が良いです。
レバー操作のミスをしやすくなる原因になったり、楽器が不安定になってしまったりするおそれがあるため、基本的には指はレバーとくっつけておきましょう。
ちなみに、マウスパイプに手の平がつかないような手の位置にすると、音自体も響きやすくなるので、少し慣れてきたら試してみてはいかがでしょうか。
姿勢は?
続いては、演奏中の姿勢について解説いたします。
立ち姿勢
足を少し広げて、まっすぐ立つとお腹に力も入りやすいため、吹きやすいでしょう。
座った姿勢
圧倒的に椅子に座って吹く場合が多いかと思います。
基本的に、息が楽に使える姿勢が良い姿勢だと言えるでしょう。
椅子に座る際の姿勢のポイントをご紹介します。
・背筋はまっすぐ
・足は少し開いて安定させる
・ベルは足においても構わない
座る場合の楽器の持ち方として、ベルを足の上に乗せる方とそうでない方がいます。
どちらが正しい持ち方、ということはないのですが、
プロの方は足に乗せる場合が多いようです。
ホルンは結構重いので、慣れないうちは足に乗せても良いと思います。
乗せる際は、音が響かなくならないように注意しましょうね。
息の入れ方は?
楽器を始めたはかりの初心者だと、肺活量もあまりないし、本当に上手に吹けるようになるの?
と不安な方も多いはず。
でも、大丈夫。小柄な女性でも上手に吹いている方はいますし、肺活量よりも息をいかに効率よく使うか、がポイントなんです。
まず、マウスピースのあてかたは、上唇に内径の2/3を、下唇に1/3をあてるくらいがちょうどよいです。
そして、息の使い方は、腹式呼吸が大切です。
腹式呼吸は、どの楽器でも大切な呼吸法ですよね。
腹筋をしっかりと使って、お腹から息を吹き込めるようにしましょう。
ちなみに、正しい先ほど説明した、正しい姿勢を保てていないと、うまく呼吸もできないと思いますので、正しい姿勢もきちんと心がけてください。
続いては、うまくなりたい初心者のみなさんのために、
うまくなるコツと練習法をお教えいたします!
https://www.rere.jp/beginners/15677/
初心者がうまくなるコツ
ホルンは難しい楽器ですから、誰でもすぐに上手に吹ける楽器ではありません。
なので、うまく吹けないからといって、めげる必要はまったくありません!
ここでは、少しでも初心者の方が上手に吹けるようになるコツと練習方法についてお教えいたします。
うまくなるための練習方法、リップスラー
ホルンを始めたばかりの方、基礎練習は何を行っていますか?
ロングトーン、タンギング練習、教本を使用しての練習・・・さまざまかと思います。
うまくなるための練習方法としておすすめなのは、ずばりリップスラーです。
ただ、このリップスラー、初心者の方には非常に難易度が高い練習法かと思います。
なぜならば、ホルンはただでさえ音域が広い楽器ですし、マウスピースも小さいのでコントロールが非常に難しいからです。
ですが、リップスラーを学んでおけば、曲を吹くときにも目的の音を一発で出せるようになりますし、音域も広がるので、上達への近道になります。
引用:http://suipedia.net/contents/improve/brass/lipslurptn/
うまくなるためのコツ「理想の音をイメージしながら練習する」
うまくなる、と一言で言っても、どのような音色を出したいのか、どんな曲が吹けるようにりたいのかは人それぞれだと思います。
したがって、ホルン初心者の方は、是非とも自分の出したい音色や目標とする演奏家を探してみるとよいと思います。
常に理想の音色を頭の片隅におきながら、練習をすることによって、
「どうすればこんなキレイな音が出せるようになるのか?」
「どのような練習をしたら上手になるのだろうか?」
と、改善点を見つけながら練習することに繋がるので、それは上達への大きな一歩になると思います。
また、毎日の練習にも飽きてきたな・・・という方にも、モチベーションを上げるよい方法ですよ。
自分の理想の音色、明確な目標をもつことは、練習するうえで大事なポイントです。
高音をきれいに出すには?
ホルンは非常に音域の広い楽器です。
ホルンの高音域はとても響きが豊かで綺麗ですが、高音を出そうとしてもなかなか綺麗には出せませんよね。
そこで、ホルンの高音域を綺麗に出すコツをまとめてみました。
アパチュアを小さく
高音を出すためには、アパチュアは小さくしなければなりません。
アパチュアを変化させてあげることが、高音を楽に出すために必要になります。
息の圧力
高音を出すためには、息の通り道が狭くなります。
息の通り道が狭くなるという事は、息の量が少なくなります。
そのため、息を吐こうとする力=息の圧力を増やす必要があります。
マウスピースへの唇の当て方
高音域を出すためには、唇をある程度マウスピースに押しつける必要があることが分かっています。
ホルンの高音を綺麗に出すための練習方法として、リップスラーが有効です。
アパチュアや息の圧力を変化させなければなりませんので、それを柔軟にこなすためにはリップスラー練習が最適です。
最初は難しいかもしれませんが、出来る範囲でいいので、口の中の広さを瞬時に変える練習をしましょう。
ホルンの種類
ホルンは、F管とB♭管の2種類を切り替えて演奏されることの多い楽器です。
なぜ、2種類を切り替えるかといいますと、基本となるF管だけでは曲の調整やピッチが難しいためです。
F管とB♭管の2種類の調整は、さらに大きく3種類に分けられます。
・シングルホルン
・ダブルホルン(フルダブルホルン)
・トリプルホルン
では、簡単に上記3種類のホルンについて解説いたします。
シングルホルン
シングルホルンは、その名の通り管が1つのホルンです。
F(エフ)管とB♭(ベー)管、それぞれで微妙に形が異なります。
ダブルホルン(フルダブルホルン)
ダブルホルンは、その名の通り管が2つのホルンです。
シングルホルンでは、別々であったF管とB♭管が組み合わされてできています。
トリプルホルン
トリプルホルンは、その名の通り管が3つのホルンです。
ダブルホルンまでのF管、B♭管に、「High F管」が組み合わされてできています。
ホルンの初心者おすすめ楽器の値段相場は?
では、次に気になる初心者におすすめのホルンの値段相場について解説いたします。
シングルホルンが比較的に値段は安め
ホルンの平均相場は30~70万円ほどで、シングルホルンが比較的に安いです。
また、値段の相場が広がる主な理由は以下の4つです。
・管の巻き方:4番ロータリーが左手の小指側にあるガイヤー、親指側にあるクルスぺ
・ベル:取り外せるベルカット、取り外せないワンピース
・楽器が日本の製品であるか、外国の製品であるか
ホルンはレンタルできる?
購入すると、それなりに値段がかかってくるホルンですがレンタルはできるのでしょうか。
ここでは、ホルンがレンタルできるかどうかを解説いたします。
ホルンはレンタルができる
結論からいいますと、ホルンはレンタルができます。
パソコンから「ホルン レンタル」で検索いたしますと、ヤマハや山野楽器といった楽器専門店~格安で楽器をレンタルしてくださるサイトを閲覧することができます。
ホルンを独学で演奏するのにおすすめの教本は?
では、初心者の方が気になる独学におすすめの教本について解説いたします。
ホルン教本(管楽器メソード・シリーズ)
ホルン教本(管楽器メソード・シリーズ)は、初心者が読んで理解しやすいのでおすすめです。
ホルン教本を読めば、基本となる楽器の構え方や演奏で大事になるアンブシュア(口)を徹底して理解ができます。
うまくなろう!ホルン
うまくなろう!ホルンも図解式なので初心者にもわかりやすいのでおすすめです。
うまくなろう!ホルンを読めば、基本的な吹き方~上達ポイントまでが1冊で理解できます。
ホルンのお手入れ方法
最後に、初心者の方がホルンを大切に使い続けるためのお手入れ方法について解説いたします。
ホルンは基本的にやさしく拭く
ホルンのお手入れは、やさしく行いましょう。
ホルンの表面に付いた汚れやマウスピース、管の1本1本まで丁寧に心を込めて拭いてあげれば、楽器に愛着がわいてきます。
使う布の種類は、ポリシングクロスやガーゼなどがおすすめです。
楽器を丁寧に拭きとりサビの原因を防ごう
ホルンは、演奏し終わったら水分を丁寧に拭きとりましょう。
マウスピースを始め、抜き差し管(第1~第3)にいたるまで、慎重に水分を拭きとれば、楽器のサビを防げるので、長く楽器を使用することができます。
拭きとりには、ホルン専用のクリーニングスワブがおすすめです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、金管楽器の中で一番難しい楽器と言われるホルンの練習方法について、ホルン初心者の方向けにまとめました。
●右手は入れすぎずに、安定した持ち方を探してみましょう
●腹式呼吸が楽にできる、正しい姿勢が大切です
●上達するための効果的な基礎練習は、リップスラー
●自分の理想の音色、演奏家を意識した練習が大切です
どのように練習したらいいかわからない初心者の方は、是非こちらの記事を参考に、練習に励んでみてくださいね!
楽団の中の縁の下の力持ち、柔らかくて力強い音色が魅力的なホルンを、もっと好きになってもらえたら幸いです。