コントラバスの弓はどのようなものを選んだらよいのでしょうか?
コントラバスの弓の選び方の基準はあるのでしょうか?
そんな疑問を持っているコントラバス奏者のために、コントラバスの弓の選び方について解説いたします。
さらに、
●コントラバスの弓の素材の違いはあるの?
●おすすめのメーカーはなに?
●どのくらいの値段なの?
などといった疑問にもお応えすべく、コントラバスの弓の種類やメーカー、価格についても調査いたしました。
コントラバス奏者の方、必見の内容です。
目次
コントラバスの弓の種類
コントラバスの弓には、「ドイツ式」と「フランス式」があり、さらに素材も「木製」と「カーボン」があります。
さらに、重要なパーツである毛についても解説していきます。
ドイツ式とフランス式
コントラバスの弓には、ドイツ式とフランス式があります。
どこが違うかというと、「毛箱」と「弓ねじ」と呼ばれるパーツの形、さらに弓の持ち方も少し異なります。
毛箱は、別名フロッシュやフロッグとも呼ばれます。
この毛箱をスライドさせることによって弓をはったり緩めたりする、大切なパーツになります。
毛箱の先端から弓先の後端の長さは、フランス式の方が短くなっています。
以下、参考記事です。
http://www.intio.or.jp/t-kaz/bow.htm
どちらを使うかは好みにもよりますが、
楽器の構え方や奏法も変わってきますので、ぜひどちらも学んでおくと勉強になるでしょう。
ちなみに、スタンダードな弓はドイツ式です。
カーボン弓と木製弓
弓の素材によって、「カーボン弓」と「木製弓」に分けられます。
近頃は、炭素を原料として作られたカーボンファイバー、いわゆるカーボンも多く販売されてきています。
一般的に、”コスパが良い”と評されるのは、カーボン弓でしょう。
以下に、それぞれの特徴についてまとめてみましたので、是非参考にしてみてください。
カーボン弓 | 木製弓 | |
音色 | 力強い音にも対応可 | やわらかい音色 |
価格 | 比較的安価 | カーボンよりは高め |
使用感 | カーボン特有でよく曲がるため、扱いやすい | 天然木で作られている分、不安定な部分がある |
カーボン弓については、後ほどさらに詳しく説明しているので、そちらもご参考ください。
毛の種類について
コントラバスの弓は、馬毛で作られているのか一般的です。
毛の種類は、毛の太さや強さ、弾き心地が変わってくるので、音色や音の立ち上がりに深く関係してきます。
馬毛
馬毛には、白毛と黒毛、茶毛があります。
白毛はいわゆるスタンダードな馬毛。
音はしなやかさがあり、艶があります。
黒毛は、白毛に比べるとやや毛の太さが太く、粗くなっています。
その分も音も大きく出やすいですが、やや男性的な音色になります。
茶毛は、白毛と黒毛の中間くらいです。
ナイロン毛
弓の素材として比較的新しく使われるようになったのが、このナイロン毛。
ナイロン毛についても少しご紹介しておきましょう。
ナイロンは、石油を原料として製造された合成繊維です。
ご存知の通り、洋服にもよく使われている素材です。
馬毛に比べて1本1本がかなり太いので、馬毛と比較して音色や弾き心地はおそらく変わってくるかと思います。
また、馬毛と比べて伸びにくく、耐久性があり、音量も大きくでるので初心者にはよいかもしれませんが、音色は雑音が感じられるなどメリットデメリットはあるようです。
弓の種類 まとめ
コントラバスの弓の種類についてまとめました。
スタイル | ドイツ式 | フランス式 |
素材 | カーボン製 | 木製 |
毛の種類 | 馬毛(白、黒、茶) | ナイロン毛 |
それぞれ、良い点悪い点があるので、自分に合った弓を見つけてみてくださいね。
引用:http://www.sugito-bow.co.jp/shop/default.php?cPath=6
弓の選び方は?
コントラバスの弓の種類について解説しました。
それでは、たくさんの種類がある弓ですが、どのように選んだらよいのでしょうか?
結論から述べると、使っている楽器との相性、弾きやすさ、あとは好みで選ぶとしか言えないかと思います。
先ほど、コントラバスの弓には、ドイツ式とフランス式があることを解説しました。
両方とも長所短所があり、弾き方も異なります。
日本でメジャーなのはドイツ式ですが、どちらが技術的に難しいかというと、そこに変わりはありません。
好きな方を選んでよいと思います。
最終的には、好みになってくるとは思いますが、いくつか弓選びのポイントを載せます。
・引っ掛かりがよいか
・手元から先までのバランス
・音の立ち上がりはどうか
・低音のバランス具合
上記のことは、試奏して選ぶとよいでしょう。
それにプラスして、
・自分の出したい音量、音色は出せるか
・自分の使っているコントラバスにあっているかどうか
・弓の重さ、持つ感覚、弾きやすさはどうか
これらのことを総合的に評価して、自分に合った弓を選べるとよいでしょう。
楽器以外にも、奏者の身長や手の大きさ、腕の重さといった要素でも弾きやすさは変わってきますからね。
弓は音の質にも大きくかかわってくるので、自分、そして楽器に合った弓選びは、非常に重要です。
次は、コントラバスの弓の値段の相場について解説いたします。
値段相場は?
コントラバスの弓の選び方について解説しましたが、
値段の相場はどのくらいなのでしょうか?
安いもので、2、3万円前後~、高いものでは、50万円近くまで値段の幅は広いです。
コントラバスの弓は、国産のものと外国産のものとがあります。
外国産の弓は、関税や輸送などといったコストが余計にかかるので、
同じグレードの弓でも、国産の方が値段が安い可能性があることは知っておいても損はないと思います。
続いては、弓のおすすめメーカーをご紹介していきます。
おすすめメーカー
コントラバスの弓は、多くのメーカーから発売されているため、
特に初心者はどんな弓を選んだらいいのか分かりませんよね。
初心者は、実績のあるブランドを選ぶとよいと思います。
初心者でも扱いやすい弓を含む、おすすめのメーカーについてご紹介いたします。
●杉藤楽弓社
楽弓の制作を行ってから、なんと110年の歴史を持つメーカーです。
コントラバスだけでなく、バイオリン、ビオラなどの弓の制作も行っています。
世界的にも有名な日本のメーカーで、各国の演奏家たちに愛されているメーカーです。
コントラバスの弓に関しても、初心者用の数万の弓から、
上級者用の50万近くする弓まで、豊富なラインナップが揃っています。
●アルシェ
初心者でも使いやすいメーカーは、アルシェというブランドです。
1983年に創業して以来、楽器と弓の制作に携わってきました。
工場は、神奈川県に構えており、今でも多くの職人が勤めています。
引用:http://www.shopping-kurosawagakki.com/shopdetail/000000176603/ct460/page1/order/
杉藤楽弓社でおすすめ
バス No. 400 ジャーマン
初心者は、オーソドックスなドイツ式を選ぶとよいかと思います。
価格も、43200円とお手頃な値段なので、これからコントラバスを始めてみようという初心者の方にぴったりの弓です。
素材はブラジル材で作られています。
バス No. 1000 ジャーマン
杉藤楽弓社で、人気No.1のコントラバス弓です。
価格は、108000円です。
豊かな音色が特徴の弓です。
メーカー直営のネットショップもあり、インターネットでお買い上げの場合でも試奏することも可能です。
引用:http://www.sugito-bow.co.jp/shop/product_info.php?cPath=6&products_id=45&osCsid=a38172106c2fdba1cf54bdaaa4c9d7f4
アルシェでおすすめ
次に、アルシェのおすすめのコントラバス弓をご紹介いたします。
CONTRABASS BOW HO4001
アルシェのコントラバス弓の中で、最も手頃なお値段の弓です。
今は貴重なフェルナンブーコ材を使用しており、一本一本丁寧に作り上げています。
バランスに優れた弓なので、扱いやすいです。
CONTRABASS BOW HOYER TRAD-S
より上のランクの、コントラバス弓をお求めならこちら。
価格は、30万円と高額になりますが、プロフェッショナルモデルとして発売されている比較的上級モデルになります。
引用:http://www.archet.co.jp/archet/archet_Cb_ho4001/
カーボンメリットデメリットとおすすめ商品は?
ここでは、カーボン弓のメリットデメリットとオススメ商品について、詳しくまとめてみました。
カーボン弓のメリット
カーボンファイバーという素材で作られているため、温度・湿度の変化に強いです。
不安定な天然木で作られた木製より、安定しているため、初心者でも扱いやすいというメリットがあります。
また、衝撃にも強いというメリットもありますね。
野外で演奏する機会などで重宝するかもしれません。
カーボン弓のデメリット
大きな音量も出る一方で、木製独特の粘りはありません。
また、カーボンファイバーの素材は軽いので、そこは良しあしが分かれます。
軽すぎることは、デメリットにもなり得るのです。
おすすめの弓は?
●Presto/PRESSANTEの弓は、ネット価格でなんと24242円。
非常にお手頃価格なのが嬉しいですね。
http://kreislermusic.ocnk.net/product/1568
●Grazioso グラッツィオーゾ [BC-2 カーボン German]
耐久性に優れており、学校などで使用するのも良いですし、セカンドボウとしてもおすすめです。
●コントラバス弓 LNM
フランス式のカーボン弓で、重さのバランスに優れており使いやすいのが特徴です。
引用:https://seele.ocnk.net/product/1022
黒毛メリットデメリットとおすすめ商品は?
はじめに、毛の種類についても解説いたしました。
ここでは、黒毛について詳しく解説していきたいと思います。
黒毛のメリット
最初に述べたように、黒毛は、白毛に比べるとやや毛の太さが太く、粗くなっています。
その分も音も大きく出やすいので、初心者でも音量が出しやすいのがメリットです。
黒毛のデメリット
毛が粗いぶん、やや男性的な音色になります。
演奏者の弾き方の問題も大きく関わってきますが、綺麗な音は苦手な一面もあります。
おすすめの黒毛は?
黒毛は、産地によって毛の質が異なります。
●モンゴル産
価格は比較的安め。
毛が長いものほど、繊細さと引っかかりのバランスが良いと言われています。
●カナダ産
さらさらした感触で、少し太めであることが多い。
まろやかな音も出ますが、ある程度引っかかりも良いです。
●イタリア産
太いことが多いようで、音量も出やすいです。
価格は、最も高いです。
初心者の方は、価格も安いカナダ産も良いかと思います。
バランスもとれた毛なので扱いやすいと思います。
ただ、弾きやすさは人によって違うので、もし産地を指定できるお店であれば、オーダーしてみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、コントラバスの弓の種類や選び方、そしておすすめの弓についてご紹介いたしました。
・コントラバス弓は、ドイツ式やフランス式、素材によって分類される
・試奏する際のポイントは、音の立ちあがりや低音の鳴り
・コントラバス弓の相場は、3万前後~50万前後まで幅が広い
弓は、音色や弾きやすさと密接に関わってくるものなので、
自分に合った、また自分の楽器に合った弓を選ぶことは非常に重要になります。
この記事を参考にして、自分の好みの音色が出せる、弾きやすい弓を選べるようにしましょう!