金管楽器を奏でるにあたって大切になってくるのがマウスピースです。音色を決めるのに息やアンブシュアがか関わってくるのはもちろんですが、マウスピースも極めて重要です。
吹きやすく自分にあったマウスピースが見つかればさらなる上達が見込めます。
チューバのマウスピースでよ聞くカナディアンブラス、ラスキー、侍について調べてみました。より良いマウスピースを選ぶための方法などを探っていきましょう。
目次
チューバのマウスピースの選び方
自分にあったマウスピースを購入するのが一番大切なのですが、どういった点に気を付けて選んでいけば良いのか悩みますよね。
そこで、まずは基本的なマウスピースの選び方について話していきます。金管楽器の場合は歯並びや唇の暑さにあったものを選ぶ必要があります。
吹いていて疲れない、唇をあてたときにしっくりくるマウスピースを選ぶようにしましょう。
そして、チューバのマウスピースを選ぶ上では2点大切にしてもらいたいポイントがあります。
- 自分の出したい音色を思い浮かべること
- 現在使っているマウスピースのサイズを確認した上で、違うものを吹くとどう変わったかを自分で把握すること
マウスピースの各部の種類と音色の変化
マウスピースは音色に直接関わる大切な要素なのでどのような音を出したいか、それに合わせてマウスピースを選ぶことが必要になってきます。
マウスピースの各部分の大きさや角度によって音色が変わってくることがあるのでそちらを確認していきましょう。
リム
リム(唇に当たる部分)の幅が大きいと当たる面積が大きくなることから高い音が出しやすくなったり、長時間楽に吹けたりします。逆に薄いとコントロールがしやすく柔軟性に長けています。
リムバイト
リムバイト(リムとカップの接続部分)の角度が鋭いと軽いアタックをしやすくなります。広がるとアタックをするのは少し難しくなりますが、スラーはしやすくなります。
リムの内径
リムの内径が大きいほど大きな音が出しやすく、小さくなるにつれコントロールしづらくなりますが、高い音が出しやすく持久力を保って吹くことができます。
カップ
カップは浅いと明るい音色で高音が出しやすく、深いと太く柔らかい音色で低音域が出しやすいです。そしてたくさん息が必要な分吹くための持久力がいります。
またUカップであれば明るく高音が出しやすく、Vカップであればダークな音色で低音域が出しやすいです。
スロート
スロート(細い管の部分)が細く長いと抵抗力が明るく高音域の演奏向きで、短く太ければ抵抗が少ない分疲れやすく、ダークな音色で低音域向きです。
マウスピースを選ぶポイント
マウスピースは各部の大きさや角度によって音色が変わってくるので、自分の出したい音のイメージに合わせて選ぶことが大切。
マウスピースの各パーツの特性を知っていれば、自分の求める音色にあわせて選ぶことができます。
だから、現在使っているマウスピースと比べてみて、「今の音より明るい音にしたいからカップを1つ小さめのものにしてみよう」というように選んでみると良いです。
確実なのは楽器店に現在使っているマウスピースを持って行って、求めている音色を伝えて一緒に選んでもらうことです。
試奏をしながら吹きやすく、出したい音色のマウスピースを選びましょう。
では次にマウスピースのおすすめなメーカーを調べてみましょう。
マウスピースおすすめメーカー
チューバのマウスピースにもいくつかメーカーがあります。そして、それぞれのメーカーで実演奏に向いているマウスピース、練習用のマウスピースを販売しています。
チューバのマウスピースでおすすめなメーカーを2つ挙げます。
Back
1つはBack(バック)です。言わずと知れた有名メーカーですね。
吹奏楽からオーケストラまで幅広く人気があります。また、学生で購入される方も多いので、初めて購入するマウスピースに良いです。
Backの定番である24AWは太く、深みのある音色を出すことができます。9180円で低音域もしっかりとならすことが出きるマウスピースです。
YAMAHA
2つ目はYAMAHAです。
知らない人はいないであろうというくらい有名な国内メーカーです。質の良い丁寧な作りなのに比較的低価格で購入できるというのがYAMAHAの魅力です。初心者でも吹きやすい楽器を多く製造しているので、どれにしようか悩んだときにYAMAHAはおすすめです。
YAMAHAからは1398円で購入できてしまうプラスチック製の練習用マウスピースも販売していますが、おすすめするのはBB67CAです。
どの音域でもまんべんなく出せるのが特徴です。落ち着いていて、しっかりとした豊かなチューバらしい音色を出せます。
初心者におすすめのマウスピース
- 太く深みのある音が出せるBACKの24AW
- どの音域でもまんべんなく出せるYAMAHAのBB67CA
チューバのマウスピースには他のメーカーも存在しています。いくつかメリットとデメリットをあわせて紹介していきます。まずはカナディアンブラスからみていきましょう。
カナディアンブラスメリットデメリット
カナディアンブラスのメリット
カナディアンブラスというのはハミルトン・フィルハーモニック・オーケストラの主席金管奏者5人によって結成されています。
このカナディアンブラスのメンバーによって忠実に再現された復刻版のマウスピースがアーノルド・ジェイコブス・ヘリテージモデルです。
ハッキリとした重厚感のある音色を出せるというメリットがあります。こだわり抜かれたマウスピースであることがカナディアンブラスのメリットです。
カナディアンブラスのデメリット
デメリットというほどではありませんが、強いてあげるとすれば、初心者が購入するには若干価格が高めというところでしょうか。
アーノルド・ジェイコブス・ヘリテージモデル、MB-83ともに定価は18500円です。販売されているマウスピースがこの価格からなので、もう少し手頃な値段を求めている方には合わないということになります。
次にラスキーについてみていきましょう。
ラスキーメリットデメリット
ラスキーのメリット
やはりラスキーのメリットといえば、ハンドメイドといったところでしょう。
今まで積み重ねてきた数多くの演奏家の経験を元に製作されたマウスピースなので、どのような要求にも答えてくれるマウスピースになっています。
自分が作り出したい表現を可能にしてくれる素晴らしいマウスピースであることに違いありません。
ラスキーのデメリット
デメリットとしてはやはりハンドメイドカスタムのマウスピースになるので29000円と高額になる点です。
また、その人その人により表現を変えることができるマウスピースだからこそ吹奏楽には向いておらず、どちらかというとソロで吹く演奏家に向いているマウスピースだと言えます。
次に侍についてみていきます。
侍メリットデメリット
侍のメリット
侍というのはスペインのブランド「ロメラ・ブラス」より出された読売日本交響楽団の次田心平氏のモデルのことです。
メリットとしては音色です。次田氏が艶っぽいサウンドが出せるところが気に入っているというコメントを出されています。
はっきりとした発音の中にも響きのある音色が侍の魅力なようです。また、楽天市場でネット購入もできますが、中には次田心平氏選定のマウスピースも販売されている点も大きいメリットと言えます。
侍のデメリット
デメリットとしてはやはり価格です。22000円程、選定品では28000円程するので、普通のマウスピースと比べると高めではあります。
しかし、プロも気に入るほどの音色ですからそれだけの価値があります。選定品であれば、なおさらです。
経験を重ねて音色を追求したい方には良いかもしれません。
今までは新品のマウスピースを購入する際についてみてきました。
では、中古のマウスピースではどうかについてお話していきます。
中古マウスピースの選び方は?
中古のマウスピースについても基本的に選び方は新品と同じです。
まず、理想としている音色を思い浮かべ、その音に近づくようにマウスピースを探していきます。
現在使っているマウスピースのサイズと比較しながら探していきましょう。
楽器店で購入する場合は可能であれば試奏した上で購入するのがベストです。
しかし、中古マウスピースの場合はネット販売も多いです。
もし、ネットで購入する場合は写真の状態を見た上でサイズと素材をよく確認しましょう。
求める音色に近づけるためには、その情報が手がかりとなります。
ネット購入では試奏できない分、自分が持っているマウスピースとよく比較し選ぶようにしてください。
そして、もし中古で選定品が出ている場合はそのマウスピースを候補にすると良いです。
プロが選んだものですから、外れであることはないでしょう。
最後に中古のマウスピースがどれくらいの値段で販売されているかを参考までに紹介しておきます。
中古マウスピースの値段は?
先ほどおすすめするマウスピースで取り上げたYAMAHAとBack、カナディアンブラス、ラスキーのマウスピースで中古の値段を挙げておきます。
メーカー
(モデル) |
YAMAHA
(カナディアン・ブラス) |
YAMAHA
(67C4) |
Back
(30E) |
値段 | 8000 | 6480 | 5400 |
メーカー
(モデル) |
カナディアンブラス (MB-83GP) |
ラスキー (28B) |
値段 | 14800 | 16400 |
ネット販売をしている中古マウスピースの値段です。場合によっては値段が異なりますので、参考程度に留めておいてくださいね。
マウスピースの取り扱いについて
ここまでマウスピースのメーカー比較をしてきましたが、ここで初心者の人に気をつけて欲しいマウスピースの取り扱いについて書かせていただきます。
- マウスピースの拭き上げ、掃除を行いましょう。吹き上げは毎回専用のクロスで行い、内部の掃除は月に1回は専用ブラシをしようして行ってあげましょう。これは表面のメッキの保護や、内部の汚れによる息の流れが変化しないようにするためです。
- マウスピースの保管をしっかり行いましょう。使用後は楽器ケースやマウスピースポーチに入れてください。しっかり保管をしないと、傷が入ってしまったり、ケース内で動いてしまい、チューバ本体が凹んでしまう原因になります。
- マウスピースを落とさないように注意しましょう。チューバのマウスピースは非常に重量があるため、落下によるダメージも非常に大きいです。もし落としてしまったりして、シャンクに凹みが出来てしまった場合はすぐに楽器屋さんで修理してもらってください。
この3点を注意してチューバのマウスピースを扱ってください。楽器の状態や音に関することは決してないがしろにしてはいけません。
まとめ
チューバのマウスピースについてみてきました。
マウスピースといってもサイズや素材によって音色が変わってくるので、どれを選ぶかが重要になってきます。
現在使っているマウスピースと比較してみて選ぶのが一番です。
1人でわからないときは楽器店のスタッフさんに尋ねてみましょう。
自分の求める音色を出せ、かつ吹きやすいマウスピースを選んでください。きっと今よりチューバを吹くのが楽しくなりますよ。