オーボエとファゴットのリードの扱いは、他の木管楽器とは少し違います。
皆さんはそれがなぜかご存知ですか?
オーボエのリードには水入れという作業が必須です。
今回は、これからオーボエを始める方に向けて、オーボエ特有のリードの扱いについてお話していきたいと思います。
オーボエのリードの水入れとは?
木管楽器の音を出すにはリードが必要ですが、オーボエの場合は演奏前にリードを水につける必要があります。
オーボエは、ダブルリードと言って2枚のリードで音を出す楽器です。他の1枚リードの木管楽器とは違い、2枚リードの場合は事前にしっかり湿らせないと音が出せません。
水につけている時間はリードの硬さや演奏者の好みによっても変わってきますが、これからオーボエのリードのお手入れや管理について見て行きましょう!
水入れに必要な道具
オーボエ用の水入れは楽器店でも販売していますが、特に専用の物でなければいけないというようなものではありません。
水につけて持ち運びたいのであれば、蓋付きの小さな小瓶や100円ショップで売っているような旅行用の化粧水入れなどでも代用できます。
水入れ時間は、あまり短すぎても逆に長すぎても良くありません。短すぎると充分に湿っていないために割れやすくなってしまったり、音が出しにくくなったりしますし、長すぎるとリードが水分で膨らんでしまい、軽い息では振動せず吹きづらくなったりするからです。
リードの質によっても水入れに適した時間は変わります。通常はぬるま湯で2,3分で充分ですが、硬いリードでも10分程度浸せば充分でしょう。
リードの手入れの仕方は?
基本的なお手入れとしては、演奏後は必ず軽く水で洗い流してからリードケースに収納します。
リードに汚れが詰まってしまった場合は、やはりしばらく水に浸した後に、水に浸けたまま穴に小羽を差し込んで汚れを上から押し出します。
小羽は先端1㎝程のところが三角形になるようにカットして尖らせ、根元の方に産毛があれば取り除き、羽を広げてから穴に差し込みます。
掃除用の小羽は楽器店やインターネット販売で購入できます。
湿度が保てるリードケースの選び方とおすすめ
オーボエのリードはで湿度の変化があまり大きくなり過ぎないように保管しなければなりません。使用時と保管時の湿度差が30%以上あると、リードの性能が落ちると言われています。
しかしながら、全く変化がない方が良いかといえばそうでもなく、30%以内の湿度変化を繰り返した方がリードが育つのだそうです。
そのために、最近では湿度計や湿度調整機能のついたリードケースも販売されています。通常はリードケース内で湿度40%程度を保つのが良いとされてます。
湿度調整機能付きのリードケースの場合は、約60%~75%に保たれるので、こちらは演奏直前に使用予定のリードを入れておくのに適しており、使用後用に別に湿度計付きのリードケースを用意し、40%程度を維持するのがベストな保管方法と言えるかもしれません。
湿度計付きのリードケース
当然ながら、通常のリードケースに比べてお値段はお高めですが、湿度計付きのリードケースの代表としては、リーズンスタッフ社のオーボエハイドロリードケース(20本用)約18,500円があります。
湿度調節機能付きリードケース
湿度調節機能付きの代表的な物は、RICO LRICVZRCOBFG オーボエ・ファゴット用 ヴァイタライザーリードケースだと思います。収納可能数は5本でお値段は5千円前後です。
まとめ
これまで見てきました通り、オーボエの2枚リードは、1枚リードに比べて維持管理に手間暇がかかります。
湿らせないと音が出ないということもありますが、2枚重ねのために、2枚のリードの間に汚れが溜まりやすいというのもあります。
しかし、良いリードに出会ったらお手入れに手間をかけてでも、できるだけ長持ちさせたいですよね。
上でご紹介したような、湿度計付のケースがあったら便利ではありますが、気軽に手が出るお値段でもありませんから、身近な物を代用してみるのも良いでしょう。
例えば、ジップ付きのビニール袋にウェットティッシュと一緒に入れておくといった方法も考えられると思います。
お気に入りのリードを長持ちさせるために、皆さんご自身でもいろいろ工夫してみて下さい!