木管楽器をやるにはリードがかかせませんよね。
オーボエのリードはダブルリードと言って、2枚のリードを合わせてできています。このダブルリードでオーボエの音を出すには、演奏前からリードが湿っている必要があります。
では、オーボエのリードケースは他の1枚リードの木管楽器と同じような物で良いのでしょうか?
今回は、オーボエのリードの特性から、その特性にあっったリードケースはどんなものなのかについて見ていきたい思います!
オーボエのリードケースの選び方は?

オーボエのリードは湿度管理が重要です。そのため、ただ箱に入れればば良いというわけではありません。できれば、湿度調整機能や湿度計のついているリードケースを用意したいところです。
では、収納本数についてはどうでしょう。リードケースによって、収納可能な本数が違いますが、次にその違いによるメリット、デメリットについて見てみましょう。
5本・10本・20本用メリットデメリット

主なオーボエのリードの収納本数としては、5本用、10本用、20本用があります。その違いを表にしてご説明致しましょう。
メリット | デメリット | |
5本用 | コンパクトで持ち運びやすい | 充分な数とは言えない |
10本用 | 収納本数的にはちょうどよい | 湿度調整機能付きのケースが少ない |
20本用 | 湿度計付きのケースが豊富 | 横に長くて重い |
ご覧のように、それぞれに一長一短ありますので、皆さんそれぞれのニーズにあった選択をするのが良いでしょう。
5本用でおすすめ
一般的なリードケース
一般的なオーボエの5本用のリードケースには、上の蓋に付いた金具で下の金具をパチンとはめ込んで留めるタイプのパチン式と呼ばれているものと、金具を横にスライドさせて開けるタイプのスライド式というのがあります。
たいてい内部には固定用の金具もついており、隣のリードと重なって損傷するような心配がありません。
メーカーは、チューカン(中部管楽器)、GALAX(ギャラックス)、MARIGAUX(マリゴ)等で、価格は3,000円から5,000円程です。
湿度調節ができるタイプ
5本用で一番のおすすめは、湿度調節機能付きのRICO LRICVZRCOBFG オーボエ・ファゴット用 ヴァイタライザーリードケースです。収納可能数は5本で、お値段は5,000円前後です。
演奏前に必要な湿度をキープしてくれる理想的なリードケースと言えるのではないでしょうか。
10本用でおすすめ
10本用も5本用と同じく、一般的なリードケースのメーカーは、チューカン(中部管楽器)、GALAX(ギャラックス)、MARIGAUX(マリゴ)等で、価格は4,600円から5,600円程で販売されています。
10本用であれば、これらのメーカーの一般的なリードケースを使用することになるでしょう。
10本用の湿度調節機能付きのリードケースは、輸入品のサイトで見かけたくらいであまり国内では販売されていないようなので、人によってはリードケースごとジップ付きのビニール袋に入れて、それに湿度調整剤を加えたりする方法をとっているようです。
20本用でおすすめ
20本用のリードケースには比較的湿度計付きのモデルが多く、湿度管理をしっかりしたい方にはおすすめでです。
代表的な製品としては、リーズンスタッフ社のオーボエハイドロリードケース(20本用)約18,500円があります。
その他、下記サイトでも数種類の湿度計付きリードケースを扱っています。
http://www.atelier-de-bellebois.com/shopbrand/ct721/
手作りする方法は?

リーズナブルで簡単な手作りケースなら
一枚リードであればプラスチックケースにはめたまま、袋や箱に入れて持ち運べるのですが、オーボエのリードはダブルリードなので立体的で傷つきやすく、湿度管理も必須なことから、一つの袋や箱の中に無造作に何個も詰め込んで運ぶことはできません。ですから、ケースの中には必ず何か固定できるホルダーが必要です。
ホルダーを厚紙等で手作りして、箱の中に入れるという方法も考えられますが、最も簡単なのは100円ショップ等に売っている12本入りのミニ色鉛筆のセットの缶を利用する方法です。色鉛筆がはまっている部分に1つおきに並べると5本入るのですが、リードをはめ込むのにちょうど良い太さです。
ただ色鉛筆をはずしてはめ込むだけですとずれてしまう可能性があるので、上蓋の中央部分に何かクッションになる物をボンド等を使って貼り付けると蓋を閉めた時に固定されます。
またホルダーには、色鉛筆の中間部分だけで固定されているものと、端から端まで全部がすっぽり収まるタイプとありますが、一番良いのは中間部分だけで固定されているタイプで、もしなければホルダーの上下をカットして、少し何かで底上げし、缶の底に両面テープで貼付けて使用するという手もあります。
ただし、色鉛筆の箱はたいてい缶でできているので、湿度管理の面では適切とは言えません。
もっと本格的に手作りするなら
オーボエと同じダブルリードのファゴット用の木製のリードケースを手作りした動画がありましたのでご紹介します。興味のある方は、YouTubeで下記ワードで検索してみて下さい。
ファゴット リードケース・自作リードケース作ってみよう
まとめ

基本的には、スタンダードな5本用もしくは10本用のケースで良いのではないかと思います。
しかし、オーボエのリードケースは、湿度調整が必要なその特性からお値段も格安なものが存在しないので、吹奏楽部の学生さんなんかにはちょっと痛い出費かもしれません。
そんな時は、手作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
本当に簡単なものであれば、上で紹介したような100円ショップの色鉛筆ケースが使えますし、木製の手作りケースも多少手間がかかるものの100円ショップの材料で製作可能です。
逆に高級志向の大人の演奏者さんなら、機能的なリコやリーズンスタッフのケース、もしくは重厚な木製の温度計付きケース等がおすすめです。
ケースが立派なだけでも、リードを大切にしたい気持ちや、それにふさわしい演奏者になりたいという思いが湧いてきたりするものです。
皆さんそれぞれ自分にふさわしいケースの自作に挑戦したり、探したりしてみて下さい!