ホルンは柔らかくハーモニーを奏でたり、軽快にリズムを刻んだりすることが多いですよね。
でも、ここぞ!という場面ではバリバリと高音を鳴らすこともあります。
ホルンの高音は曲の一番盛り上がった場面で出てきたり、逆に静かな曲想の中で一人だけ高音を吹いたり…失敗が許されないことが多いです。
今回はそんなホルンの高音について、おすすめのマウスピースや練習方法について紹介します。
初心者が高音を出すコツと練習方法
初心者にとって初めてぶつかる壁は、やはり「高音」ではないでしょうか。
タンギングや音色と比べると、簡単に人と比べることができてしまいます。
先輩はもちろん、同じように始めた同級生が自分より高い音を鳴らしていたら、焦ってしまいますよね。
高音を鳴らすにはコツがあり、練習すれば誰でもきれいな高音を鳴らすことができるようになりますよ。
練習方法とあわせて紹介します。
ロングトーン
基礎練習の中でも最も基礎的な練習である「ロングトーン」。
同じ音を一定の長さ吹き続ける練習です。
吹きやすい音から始め、半音ずつ高くしていってください。
メトロノームをテンポ60に合わせ、メッゾフォルテで8拍分伸ばすことが多いです。
音を一定に伸ばすだけでなく、アタックや音の処理にも注意して練習してくださいね。
また、フォルテで4拍伸ばしたり、ピアニッシモで16拍伸ばしたりする練習も併せて行い、音量のコントロールにも挑戦しましょう。
ただピアニッシモで高音を出すのはかなり難易度が高いため、音域を広げる練習ではメッゾフォルテ~フォルテで練習してください。
ある程度安定した音が鳴らせる音域では、ピアニッシモでも練習しましょう。
一方で、メトロノーム等を使用せずに、息の続く限り伸ばし続ける練習法もあります。
こちらの練習方法では、肺活量やスタミナもあわせて鍛えることができますよ。
ロングトーンで高音練習するときのコツまとめ
吹きなれた音域から始め、半音ずつ高くしていく
まずはテンポ60、メッゾフォルテで8拍ずつ伸ばす
音が出るようになってきたら様々な音量で吹き、コントロール力を高める
スケール
次に紹介するのはスケール練習です。
スケール練習とは音階練習のことで、ドレミファソラシド、ドシラソファミレドと音階を演奏します。
基本的なB♭の音階から始め、H→C→D♭~という風に、こちらも半音ずつ高くしていきましょう。
初めは指使いに苦労するかもしれませんが、五線譜にメモするなどして工夫してください。
メトロノームをテンポ60に合わせ、1拍で次の音に移動しましょう。
高音に向けてクレッシェンドすると吹きやすいです。
スケール練習を繰り返すことで高音練習になるだけでなく、様々な調の曲をすぐに吹けるようになりますよ。
スケールで高音練習するときのコツまとめ
B♭音階からスタートし、半音ずつ高くしていく
テンポ60で1拍ずつ次の音に移動する
高音に向けてクレッシェンドするように吹く
リップスラー
リップスラーとは、同じ指使いで音を上下させる練習です。
ホルンに限らず金管楽器は、同じ指使いで様々な音が鳴るような仕組みになっています。
例えば指番号0(開放音)ではド~ソ~ド~という風に高い音に行ってから帰ってくる練習を行いましょう。
メトロノームをテンポ60に合わせ、2拍ずつ演奏してください。
こちらも半音ずつ高くしていきましょう。
リップスラーで高音練習するときのコツまとめ
基本的な開放音であるド~ソ~ド~からスタートする
半音ずつ高くしていく
テンポ60で2拍ずつ演奏する
ホルンの高音が出しやすいマウスピースの種類
ホルンのマウスピースには「Uカップ」「Vカップ」「ダブルカップ」の3種類がありますが、高音が鳴りやすいのは「Uカップ」のマウスピースです。
Uカップのマウスピースは程良い抵抗感があり、高音を吹くのに向いています。
プロのホルン奏者もUカップを使用している人が多く、販売されているマウスピースの種類も多いです。
ですが一方で、アタックがはっきりしなかったり低音の音量が足りなくなったりすることもあるので注意が必要です。
「Vカップのマウスピースでは高音が出ない」という訳ではありませんので、自分に合ったマウスピースで練習してくださいね。
高音が出しやすいホルンのマウスピースを探すにあたって、次に注目すべきなのは“カップの深さ”と“リムの厚さ”です。
マウスピースにはこの他に“内径”や“スロート”などによる区別もありますが、高音の出しやすさにはあまり関係ありません。
カップの深さは、浅い方が高音域を出しやすくなります。その一方で、浅すぎると響きが薄くなる傾向にあります。
リムの厚さは、厚い方が高音域を楽に演奏できるようになります。一方で、音の柔軟性が失われてしまいます。
高音が出しやすくなるマウスピースのまとめ
Uカップ
浅いカップ
厚いリム
当然ですが、ホルンは高音が鳴ればそれで良い訳ではなく、音色や響きも大切です。
高音を求めて極端なマウスピースを選ぶようなことはせず、全体のバランスを大切にしてくださいね。
次項では実際におすすめのモデルを紹介します。
ホルンマウスピースで高音を出すのにおすすめ4選
前項ではマウスピースには様々な種類があり、高音に向いている種類があることを紹介しました。
では実際にどんなモデルが高音を吹くのに向いているのか。
それぞれの特徴や評判と合わせて紹介します。
バック
フレンチホルンマウスピース 11
バックのホルン用マウスピースの中で人気のモデルです。
11番は内径が小さいため、華やかな高音が鳴ります。
“クッションスタイル”という造りを採用しており、唇が当たる部分が大きいことも人気の理由です。
ティルツ
ティルツS8
こちらのマウスピースは高音域を意識するプレイヤーだけでなく、すべてのホルン奏者に愛される1本です。
やや浅めのUカップで高音域が鳴らしやすいことはもちろん、低音域までバランスよく鳴らすことができます。
癖が強すぎないため、初心者にもおすすめのマウスピースとなります。
アレキサンダー
アレキサンダー4
アレキサンダーの中で最も高音域に優れたモデルです。
ハイFだけでなくハイB♭も期待でき、輝かしい音色が鳴ります。
低音域を吹くことのない、1stホルン奏者に向いています。
ヤマハ
ヤマハ29B
やや厚めのリムと小さめのカップをもつため、高音域に優れています。
その一方でマウスピースの造りはVカップのため、低音域も比較的楽に演奏することができます。
柔らかさよりも華やかさが目立つ音色となります。
高音域を目指す自分のマウスピースが決まったら、あとは練習あるのみです。
次項では高音を鳴らせるようになるためのコツや練習方法について紹介します。
まとめ
以上、ホルンのマウスピースで高音を出す時のおすすめと、高音を出す練習のコツについて紹介しました。
ある程度の難易度がある曲には必ず高音が出てきますよね。
適切なマウスピースや練習方法を使って、高音を克服してください。
ただ、「高音が鳴る」ことと「その高音を曲で使える」ことは別問題です。
ただ高音が鳴ってもそれが聴くに堪えない乱暴な音だったら…意味がありませんよね。
がむしゃらに高音を求めすぎて音色を崩すことがないように気を付けて下さい。
きれいな音色ですてきな高音を…
合奏で周りに驚かれるような演奏ができるよう、応援しています。