優雅にフルートを吹く姿に憧れて、「自分の子どもには是非フルートをさせたい!」と思う親御さんや、まだ小さいにも関わらず「あのきれいな楽器を吹いてみたい!」と子どもにせがまれることもあるでしょう。
実際にフルートが吹けるようになるのは何歳くらいからなのでしょうか?
また、どのように練習させれば演奏できるようになるのでしょうか?
これからフルートを習わせてみたいと思う親御さんにむけて、子ども向けのフルートの練習方法や指導方法をご紹介してみましょう!
フルートは3歳の子供から吹ける
フルートはサイズも大きいし、子どもでは吹けないのではないか、という声もありますが、
頭部管(マウスピース)を鳴らせるのであれば、早い子だと3歳でもフルートを吹くことができます。
ただし、大人が普通に演奏している楽器を同じように演奏できるという意味では10歳前後からで、その判断基準は「楽器のキーを全ての指が押さえられる」ことと「楽器を腕で支えられる」ことです。
そのため、未就学児でフルートを演奏する場合は子ども用のフルートを使用しましょう。
これらの子ども用フルートは、大人の使用するフルートとは違って頭部管がU字になっており、腕が短い子どもでも指が届くように設計されています。
ただ、これらの楽器は安いものだと2万円~ほどかかり、まだ物を大事にできない年齢の子供に与えるには決してお安い値段ではありません。
そのため、最近ではプラスチック製のフルートも販売されています。
プラスチック製のものは1万円ほどで購入でき、多少乱雑に扱われても金属製のものより壊れにくいですし、何より軽いので子どもでも持っていて負担になりません。
また、フルート教室などによってはファイフというリコーダーのような横笛を最初に使用する場合もあるようです。
こちらは2,000円前後ですので、音が鳴るかどうか試してみたい場合や導入用としても気軽に使えるでしょう。
ただし、どちらも音色は金属製のものほど良い音はしませんので、成長して大きくなったら従来のフルートに切り替えるための導入用として検討してみてはいかがでしょうか?
フルート演奏中の姿勢で気をつけること
楽器も準備できたら、実際に子どもに持たせて音を出す練習をさせていきますが、どんな練習をさせればよいのでしょうか?
また、どのような点に気をつけるべきでしょうか?
下記のポイントをチェックしてみましょう!
ソルフェージュは音楽の基本
もともとソルフェージュという言葉の意味は「西洋音楽の学習において楽譜を読むことを中心とした基礎訓練」となっていますが、音楽教室でソルフェージュというとだいたいはリズムを叩いたり、楽譜を見て歌ったりすることを指します。
フルートを演奏していく上で、楽譜に書いてあるドレミが読めなかったりリズムがわからなければ演奏することができません。
すでにピアノを習っていたりリトミックやソルフェージュの教室に行っている場合はフルートを持たせるところから始めればよいのですが、もしやったことがないのであれば、まずはドレミが読めるようになるよう歌ってみたり、楽譜を見ながらリズムを叩く、といったソルフェージュから始めましょう。
楽器を構えた時の姿勢に気をつける
小さい子どもにフルートを教える際に気をつけなければいけないのは、演奏中の姿勢です。
体が小さく筋力も発達途中の子どもは、はじめは楽器を腕で支えることが難しいため演奏中にすぐに腕が下がってきてしまいます。
また、楽器が下がると楽器につられて頭も傾いてしまい、そのままの状態で演奏し続けると首が歪んでしまったり、猫背や背骨が曲がった状態になってしまいます。
正しい姿勢のポイントとしては、
- 左手人差し指の付け根
- 右手親指
- あご
の3点を支えとし、頭は正面を向いたまま楽器が構えられるようにしましょう。
最初のうちは全身が映る鏡の前に立って楽器を構えてみて、まっすぐ立てているか、楽器は下がってしまっていないかなどを子どもと一緒にチェックしましょう。
しばらく練習していると自然と下がってきてしまうと思いますので、「楽器が下がっているよ!」とチェックしてあげたほうがよいでしょう。
吹き方の練習
小さな子どもに限らず、大人でも最初はフルートを鳴らすことは難しいかもしれません。
楽器の鳴らし方についてご紹介します。
最初の楽器の鳴らし方
まず最初は、ジュースのビンの口に息を吹き込んで「ボォーッ」と鳴らす練習をしてみましょう。
もしこの時点で音が出ない場合は、少し上唇を前に出すような感じで息を吐き、唇から出る息が全部ビンの中に入るよう角度を変えてみたりして調整してみましょう。
ビンで音が鳴るようになれば、フルートの頭部管(口に当てる部分)だけを持ってビンと同様に息を入れてみてください。
この際にも、うまく音が出ない時は頭部管を回して穴の位置を微調節しながら音がなるポイントを探してみましょう。
一度音が鳴れば、同じところに息を吹き込み続けることができるようにコツをつかませましょう。
しばらくは頭部管でピィーという音を出す練習だけでもいいと思います。
ロングトーンの練習
また、フルートの演奏にはたくさんの息が必要となりますので、たくさん息を吸って吐けるための練習として「できるだけ長く吹いてみよう」とロングトーンの練習をさせるとよいでしょう。
楽器は音が鳴らなければ「楽しい」と思えなくなってしまうため、なるべく音が鳴ったときはたくさん褒めてあげ、「じゃあこんなことはできるかな?」と子どもの興味をひくような指導をしてあげてください。
きれいな音色をイメージさせよう
フルートは吐いた息を楽器の中に吹き込むことで音が鳴る楽器です。
最初のうちは頭部管のエッジに当たらずスースーと鳴ってしまったり、音は鳴るけれど同時に横から漏れている息の音がシューッと聴こえることが多いと思います。
CDで聴くような美しいフルートの音色とは違って最初はがっかりするかもしれませんが、息の入れ方のコツさえつかめれば自然と太く響いた音色に変わってきます。
小さい子どもは口も小さいため、音を鳴らそうと必要以上に力が入っていることも多いです。
リラックスしてたくさん息が吐ける姿勢をキープして、いい音が鳴ったら何度も反復して練習させましょう。
また、「本当はこんなにきれいな音が鳴るんだよ」とお手本になる音にたくさん触れ合うことも大切ですので、色々な演奏を聴いてイメージトレーニングをさせてあげましょう!
まとめ
- 子供用のフルートから始めさせよう
- まずは楽譜が読めるようソルフェージュから
- 体が歪んでしまわないよう演奏中の姿勢に注意しよう
- ビンを鳴らす時と同じ要領で、音を出すコツをつかんで反復させよう
いかがでしたでしょうか?
どんな楽器であれ、音が鳴って楽しいと思う気持ちが一番大切ですので、できないことを責めるのではなく、できたことをもっと伸ばしていってあげられるように親御さんのサポートは必要不可欠です。
今の子供の年齢と体格にあった環境を与え、適切な指導をしてあげることで子供はスポンジのように吸収し、伸びていくでしょう。
また、子供の成長に合わせて楽器を見直してあげたり、演奏会に連れていったり、CDを買ってあげたりして、いい音をたくさん聴かせてあげてくださいね!
お子様がよりよいフルートライフが送れますようお祈りしております!