低音楽器代表、バリトンサックスプレーヤーのお悩みのひとつがリード。
マイナーな楽器だから情報もなかなか集めにくく、苦労されている方が多いのではないでしょうか。
今回は、バリトンサックスのリードおすすめメーカーと気になるプラスチックリードってどうなの?というところについてもご紹介します。
バリトンサックスのリード・ジャズと吹奏楽でおすすめや選び方に違いはある?
木管楽器の低音代表といえばバリトンサックス。
存在こそ地味ですが、とっても重要な役割を果たしていますよね。
バリトンサックスは楽器が大きいためリードも大きく、アルトサックスやテナーサックスと比べるとリードの値段が高くなってしまいます。
だからこそリード選びで失敗したくない!と強い思いを抱いているバリトンサックスプレーヤーの方も多いですよね。
ジャズと吹奏楽でおすすめのリードは異なりますが、まず大切にしていただきたいのは「自分に合ったリードを使う」ということ。
特に中学校や高校の吹奏楽部では「初心者は吹きやすい薄いリードを使う」「上級者は吹きにくいけど重厚感のある音色が出る厚いリードを使う」などと言われることがあります。
しかしこれらは間違いで、一番大切なのは自分に合ったリードを使うことなのです。
吹き方の癖、楽器の個性、マウスピースとリードの相性など、ひとりひとりが抱える条件は異なりますから、その人それぞれに合ったリードが存在します。
周りの意見を取り入れることも大切ですが、あまり気にし過ぎないようにしましょう。
コツコツといろんな種類のリードを試して、自分にぴったりのリードを見つけてくださいね。
そうは言っても、ジャズと吹奏楽それぞれで多くのバリトンサックスプレーヤーが愛用しているおすすめのリードは存在します。
次項から順にご紹介しますね。
ジャズのおすすめは?
バリトンサックスで使用するジャズ用のリードは、柔らかいリードが好まれることが多いです。
また、リード自体は“アンファイルドカット”と呼ばれるカット方法で作られており、リードの先端部分が少し厚くなっています。
音色はソフトですが、リード全体が振動するのでバリバリした感じも出ます。
この“ソフトでバリバリ”した感じがジャズの低音として人気なんですね。
では、実際におすすめのメーカーやブランドをご紹介します。
「バンドレン ジャバ」
多くのジャズプレーヤーが使用する人気のリードです。
このジャバシリーズはジャズやポピュラー音楽向けに開発されたリードで、柔らかな音色と素早いレスポンスが特徴です。
価格も良心的なので、これからジャズを始めてみようという方はまずこちらを試してみてはいかがでしょうか。
「リコ ラヴォーズ」
バンドレンと並ぶ主力リードメーカーのリコからも、ジャズ向けのリードが発売されています。
力強く深みのある音色が特徴で、プロのジャズプレーヤーからも愛されています。
主張の強い音色となるため、吹奏楽にはあまり向かないでしょう。
レスポンスを早くするために柔らかいリードになっている分、耐久性が劣るところが欠点です。
では次に、吹奏楽のおすすめを見ていきましょう。
吹奏楽のおすすめは?
吹奏楽でクラシックやポップス曲を演奏するときに好まれるリードは、ジャズで使用するリードと比べると薄いリードが好まれます。
“ファイルドカット”または“フレンチカット”と呼ばれるカット方法で作られたリードは、アンファイルドカットのリードと比べると先端が薄くなっています。
リードが薄いとタンギングに対する反応が素早くなり、音色もクリアでハッキリとします。
吹奏楽でビートを刻む低音楽器として、こういった音色が好まれるのも納得ですよね。
「バンドレン トラディッショナル」
通称“青箱”と呼ばれるバンドレンのトラディッショナルシリーズは、最もスタンダードなリードと言えるでしょう。
歯切れの良さと高級感のある音色が人気の秘訣です。
厚さが1~5まで用意されており、好みや曲調に合わせて選ぶことができることも魅力のひとつでしょう。
特に初心者の方には、このバンドレン トラディッショナルシリーズをおすすめします。
「リコ グランドコンサートセレクト」
“バンドレン=青箱”と同じように“リコ=グラコン”呼ばれるほど有名なのが、このリコ グランドコンサートセレクトです。
柔らかく重厚感のある音色が特徴で、吹奏楽によく溶け込みながらも伸びのある演奏ができます。
そのため、吹奏楽の中でも特にクラシック曲に向いているリードです。
程良い抵抗感で吹き心地も良く、非常に人気があります。
以上、人気で王道のリードをご紹介しました。
消耗品であるリードは一枚が高く、当たりはずれもあるし、買うときはいつも緊張しますよね。
そんな問題を解決してくれるのが、近年登場したプラスチックリードです。
プラスチックリードの評判!吹きやすい?音色は?
初登場からなにかと話題のプラスチックリード。
発売当初は、従来のケーン(葦)で作られたリードと比べるとぺらぺらとした音色で、実用には遠く及ばないという印象でした。
しかしその後劇的に進化し、今販売されているプラスチックリードはそんな古いイメージを変えてくれますよ。
プラスチックリードのいいところは、なんと言っても安定感!そして長持ち!
気温や湿度、水分量に左右されることなく一定の音色を出すことができます。
水洗いしてから片付ければ清潔ですし、ケーンのリードと比べると間違いなく長持ちします。
特にバリトンサックスを初めとする低音楽器はメロディーを吹く機会が少なく、細やかな音の伸びを求められることがあまりありません。
プラスチックリードの変えても音色の変化が少ないので、ぜひ試してみてほしいです!
ただ、吹奏感はかなり変わるので注意しましょう。
「レジェール 樹脂製リード シグネチャーシリーズ」
レジェールが販売している樹脂製リードの中でも、プロが使用することを想定したのが、このシグネチャーシリーズです。
反応がとても早く、演奏者の技術次第でジャズから吹奏楽まで幅広いジャンルを演奏できるでしょう。
逆に、初心者が使いこなすのは難しいかもしれません。
音の伸びや広がりもケーン素材のリードと遜色がなく、プラスチックリードの中では一番の人気です。
まとめ
以上、バリトンサックスのリード、ジャズと吹奏楽でのおすすめや、プラスチックリードについてご紹介しました。
代表的なリードメーカーであるバンドレンとリコは、ジャズ向けと吹奏楽向けそれぞれのリードを開発しています。
大手メーカーが作るリードは質も一定で、安心感がありますよね。
初心者はもちろん、上級者やプロも愛用しているメーカーです。
リード選びに迷ったときは、今回ご紹介したスタンダードなリードを試してみてください。
もちろん今回は紹介しきれなかったシリーズや、マイナーメーカーのリードもたくさんあります。ぜひ1枚ずつ手に取り、自分に合ったリードを見つけてくださいね。
また、プラスチックリードはさらに発展していくことが望めます。
リードの質や演奏環境に左右されないリードとして、今後も注目を集めそうですね。