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クラリネット

クラリネットの初心者の教え方はどうすればいい?音が出ない時の対策や最短でうまくなる練習方法


中学校や高校の吹奏楽部で新しく初心者の後輩が入ってきて自分が先輩になったときに、後輩が増えて嬉しい半面「ちゃんと教えられるのだろうか」と不安に思うかもしれませんね。

はじめてクラリネットを持たせてからきちんと音を出せるようになるまでに、どんなことを教えればいいのでしょうか?

また、どのように教えてあげられれば上達してくれるのでしょうか?

今回はそんな新米先輩にわかりやすくクラリネット初心者への教え方をお教えします!

クラリネットの初心者の教え方でポイントはある?

クラリネットが吹けるようになるまでに沢山のことを覚えてきたと思いますが、始めからあれもこれも一度に覚えることはできませんね。

まずは必ずこれだけは覚えておいてほしいポイントに焦点を絞って教えてあげるようにしましょう!

ポイント

  • 楽器の取り扱い方をきちんと教えよう
  • マウスピース(リード)を噛み過ぎないようにアンブシュアをチェック
  • 指に力を入れすぎず、トーンホールがきちんと押さえられているかチェック

もちろんこれだけではありませんが、初めて楽器を持って音が出た時は嬉しかったのではないでしょうか?

まずは音を出せるようにしてあげることで、楽器を吹くという楽しさを実感させてあげましょう。

その上で「もっとこうすると良くなる」ということや、楽譜を読むのに必要なことを順番に教えてあげることが大切です。

音が出ない時にはどうすればいい?

マウスピースにリードをつけても、いざ息を入れてみても音が出ない・・・
経験者のあなたにもそんな覚えはありませんか?

楽器を吹くこと自体が初めての場合、「息をたくさん入れないと音は出ない」と思い込みがちです。

もしくは、何回か音は出るのに吹き直してみたら出たり出なかったり・・・ということもあるでしょう。

そんな時にはどこをチェックしてあげるといいのでしょうか?

アンブシュアをチェックしよう

まずはアンブシュア(咥え方)をチェックしてあげましょう。

  • 咥えているマウスピースの位置が深すぎる/浅すぎる
  • 上下とも唇でマウスピースを咥えている
  • 下唇を歯の上に巻けていない
  • マウスピースはきちんと息が入る位置(先端から1センチ強)で咥えている
  • 上の歯はきちんとマウスピースにつけ、唇には力を入れすぎない
  • 下唇できちんとリードをカバーし、顎は少し反らす

先ほども少し触れましたが、初心者は楽器を吹くという行為自体に「力がいる」と思い込みがちです。

マウスピースを咥えるという行為も、ついつい口に力が入ってしまうと噛んでしまうことになります。

力を入れすぎないで音が出せる様子をお手本として見せてあげ、真似をさせてみましょう

最初のうちは鏡を使って自分が音を出す時の口の様子をチェックさせてあげると良いでしょう。

姿勢と楽器の角度をチェックしよう

吹いている時の姿勢が悪ければ、きちんと息を楽器に送り出すことができなくなってしまいます。

また、楽器の角度が適切でない場合もうまくリードを振動できない状態にしてしまいますのでチェックしてあげましょう。

  • 背中が曲がっていて、息を吸い込むと肩が上がる
  • 腕で楽器を支えきれず尺八のように楽器が下がっている
  • 顎をひいてしまってオーボエのような角度になっている
  • 背筋をきちんと伸ばし、腹筋を使って息を送り込める姿勢になっている
  • 右腕を少し前に出してきちんと楽器を支えられている
  • 顎を少し反らしておよそ45度くらいの角度で構えられている

音を出すことに慣れた人で「この角度のほうがいい音が出る」という人を除けば、基本的にだいたい45度くらいで構えたほうがいいです。

腕が短かったり、長すぎたりしてうまく構えられない場合は息がちゃんと送り込める角度を探してあげましょう。

リードをチェックしよう

経験者が楽に音が出せるリードでも、初心者のうちはうまく音が鳴らないことがあります。

また、取り付けている位置が悪いために音が出ないということになっていることもあるので、正しい取り付け位置を教えてあげましょう。

  • リードがちゃんと振動させられない硬さのリードを使っている
  • 取り付け位置が上すぎる/下すぎる
  • リードが割れている/裂けている
  • 息が送り込みやすい柔らかめのリードを使う
  • 適切な位置でリードが取り付けられている
  • リードは割れたり裂けたりしていない

初心者のうちは楽器の取り扱い方が雑になり、リードが割れていることがよくあります。

演奏していないときにはキャップをしっかり取り付けてリードを保護することや、リガチャーのネジを締めるのが怖くてゆるすぎる場合などもありますので、時々チェックしてあげるのが良いでしょう。

指をチェックしよう

リードなどのセッティングはちゃんとしているのに音が鳴らないときは、トーンホールが正しく塞がっていないことが多いです。

また、逆に指に力が入りすぎてトーンホールを開けなくてはいけないときに塞がってしまっていることもありますので注意が必要です。

  • トーンホールをきちんと塞ぎきれていない
  • トーンホールを開けなければいけないときに塞がっている
  • 運指が間違っている
  • 指がきちんとトーンホールを塞いでいる
  • トーンホールを押さえない指が近寄りすぎていない
  • 正しい運指をしている

楽器を持つことに慣れていない初心者のうちは指にも力が入ってしまい、指が反り返ってしまうときもあります。

軽く卵を握るような感じで指を添えながら楽器を支える持ち方ができるようにチェックしてあげましょう。

良い例 悪い例
<アンブシュア(咥え方)をチェック> <アンブシュア(咥え方)をチェック>
マウスピースはきちんと息が入る位置(先端から1センチ強)で咥えている 咥えているマウスピースの位置が深すぎる/浅すぎる
上の歯はきちんとマウスピースにつけ、唇には力を入れすぎない 上下とも唇でマウスピースを咥えている
下唇できちんとリードをカバーし、顎は少し反らす 下唇を歯の上に巻けていない
<姿勢と楽器の角度をチェック> <姿勢と楽器の角度をチェック>
背筋をきちんと伸ばし、腹筋を使って息を送り込める姿勢になっている 背中が曲がっていて、息を吸い込むと肩が上がる
右腕を少し前に出してきちんと楽器を支えられている 腕で楽器を支えきれず尺八のように楽器が下がっている
顎を少し反らしておよそ45度くらいの角度で構えられている 顎をひいてしまってオーボエのような角度になっている
<リードをチェック> <リードをチェック>
息が送り込みやすい柔らかめのリードを使う リードがちゃんと振動させられない硬さのリードを使っている
適切な位置でリードが取り付けられている 取り付け位置が上すぎる/下すぎる
リードは割れたり裂けたりしていない リードが割れている/裂けている
<指をチェック> <指をチェック>
指がきちんとトーンホールを塞いでいる トーンホールをきちんと塞ぎきれていない
トーンホールを押さえない指が近寄りすぎていない トーンホールを開けなければいけないときに塞がっている
正しい運指をしている 運指が間違っている


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最短でうまくなる方法は?


なんとかして早く上達させてあげたいと思うかも知れませんが、焦っても結果は急いできてくれません。

基礎練習は上達への最大の近道

基礎練習がめんどくさい早くかっこよく曲を吹きたいと思う気持ちはあると思いますが、その時に合った練習を確実にこなしていくことが上達への近道です。

ロングトーンをしよう

基礎練習のときに必ずといっていいほどメニューに組み込まれているロングトーン

「退屈だなー」と思いながらひたすらメトロノームを見つめながら音を出していませんか?

なぜ音を吹き伸ばすだけの練習が必要なのかがわかれば、ロングトーンはもっと楽しくなります!

<ロングトーンの基礎練習のポイント>

  • 音を吹き伸ばすことで音が良くなる
  • たくさん息が入るようになる
  • アンブシュアや姿勢をチェックしよう
  • ピッチを確認できる

同じ音を長く吹いている間に、音色が変わってしまわないように注意しながら吹いたり、きちんと息が送り込まれているかどうか確認しましょう。

そうすることで、回数を重ねるごとに「いい音」が磨かれていきます。

この状態を繰り返すことで体が柔らかくなってきて、楽器にたくさん息が入るようになってくるのです。

また、口ばかり力が入りすぎてアンブシュアが崩れていませんか
肩は上がらず、きちんと腹式呼吸をつかって息を吐いていますか

長い時間吹いているうちに崩れがちな部分ですので、チェックできるいい機会です!

その他にも、低音域と高音域の音のバランスを確認したり、タンギング練習を取り入れたりと様々な点を克服するための練習です。

ロングトーンは自分が今弱点だと思っているところを確認するためにとても有効的な練習ですので、「退屈だ」なんて思わずにチャンスに変えていきましょう!

スケール(音階)を練習しよう

スケールを練習する際はついつい「運指の確認」や「指まわしの練習」と思いがちですが、スケールを吹くという練習には他にも注意すべき点がたくさんあります。

<スケールを吹く練習をする時のポイント>

  • 音程は正しく取れていますか?
  • ♯や♭のついた調も練習しよう
  • 短調も練習しよう
  • 半音階も取り入れよう

ドレミファソラシド・・という音階を吹く際、ドからレの間に「ド♯(レ♭)」をはさんでおり、このように途中に半音が1回入っていることを「全音」といい、ミからファのように途中に半音をはさまないことを「半音」といいます。

スケール練習をする際に「全音」と「半音」を意識してピッチを確認しておきましょう。これは実際に楽譜を演奏する際にとても重要なことになります。

また、初心者のうちは最初にドレミファソラシドを習い、あとから半音を習うことが多いようですが、どの音の半音上がこの音になるのかを把握させるためには半音階を取り入れたほうがよいでしょう。

また、♯や♭がついていない調だけではなく、他の調も同じように練習しましょう。
音楽にはさまざまな調性があるため、ファ♯やド♯、シ♭やミ♭などよく使われることになりますが、普段使い慣れていないと正しくピッチをソルフェージュすることができません

調性は全部で24あり、短調には自然短音階旋律短音階和声短音階の3種類ありますので、全部できたほうがよいでしょう。

時間はかかるかもしれませんが練習しておきましょう!

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まとめ

  • まずはポイントを押さえて音を出せるようにしてあげよう
  • 音が鳴らないときは原因を見つけてあげよう
  • めんどくさがらず基礎練習を確実にこなすことが上達への近道

いかがでしたでしょうか?

人に教えてあげるということはなかなか難しいことです。
でも、思い出してください。これを読んでいるあなたも昔は初心者だったのです。

先輩にこういうふうに教えてもらったらわかりやすかった、こんな説明ではよくわかっていなかった、など、だからこそわかることを今度は後輩に教えてあげましょう。

そして、先輩として実践して見せてあげることで後輩はお手本にしますので、自分自身のクラリネットの上達を忘れないよう心がけましょう!