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大正琴

大正琴の弦の交換時期と張替え方!簡単に自分で修理しよう


大正琴の弦交換は使用頻度により異なりますが、3ヵ月から6ヵ月が交換の目安になります。

これは全ての弦楽器に共通することですが、劣化してしまった弦は響きが失われ、更にチューニングも不安定になってしまいますので、使用頻度に合わせて定期的に弦交換をする必要があります。

今回は大正琴の弦交換の方法や張り方、そして弦交換の際の注意点を解説していきます。

まずは大正琴の弦の交換時期から始たいと思います。

大正琴の弦の交換時期

弦というものは楽器に張った直後から、たとえ演奏をしなくても弦の張力と、気温や室温で伸び縮みしてしまいます。また湿気により腐食して錆も出てしまいます。

更にピッキングの振動や押弦をすることでも弦は伸びてしまいますので、頻繁に演奏する人ほど弦の劣化は早くなります。

大正琴の弦は普通に演奏する人で約6ヵ月、頻繁に演奏する人で約3ヵ月に1度を目安に交換することをおすすめします。

弦を張った直後と1ヵ月後では音の響きやチューニングの安定感が違いますが、それはこの弦の劣化によるものです。弦の響きが変わったり、チューニングが不安定になったら交換するのも1つの方法です。

3ヵ月〜6ヵ月に1度の弦交換は、あくまでも目安ですので、弾いていて音が変わってきたことに気付いたら交換するようにするのが本当は一番良いです。

楽器本体の鳴りや演奏技術を最大限に活かすためにも、定期的な弦交換を心掛けて下さい。

それから同じメーカーの同じ種類の弦でも個体差があり、ごく稀に1日でデッドストリングス(完全に弦が使えなくなる状態)になるものもあるので注意して下さい。

続いては大正琴の弦の張り替え方を解説していきます。

張り替え方

大正琴の弦交換方法ですが、まずは大正琴のカバーを外し、古くなった弦を外します。

引用元:ナルダン楽器

続いて新しい弦の輪になった方をテイルピースの金具に掛けます。

引用元:ナルダン楽器

引用元:ナルダン楽器

写真のようにテイルピースに掛けますが、この時に弦を掛ける金具が1番線から5番線までありますので間違わないように注意して下さい。

引用元:ナルダン楽器

輪になっている方をテイルピースの金具に掛けたら、今度は反対側の弦の先端を2cmほど手で折り曲げます。

引用元:ナルダン楽器

2cmほど折り曲げた弦の先を糸巻きの回転軸の穴に通します。

引用元:ナルダン楽器

続いて糸巻きの回転軸の穴に通した弦を、ペグを使い右回り(時計回り)に回転させて弦を巻いていきます。

この時に弦を片方の手で引っ張りながらペグを回していくのがコツです。

また弦を巻き過ぎてしまうと切れてしまう恐れがありますので、弦は軽く張った状態にしておきます。

引用元:ナルダン楽器

次に軽く張った弦を1番線から5番線までの決められた位置の溝に乗せます。

引用元:ナルダン楽器

続いてテイルピース側の弦を駒の上に乗せて弦交換は完了です。

それから弦を1本ずつチューニングしながらペグを回し、しっかりと弦を張っていきます。

このように大正琴の弦交換は意外と簡単ですので、初めての人でも問題なく交換できると思います。

もし弦交換に自信のない人は専門店で交換してもらうことも可能ですので、お願いしてみるのも良いでしょう。

続いては弦交換の際の注意点を解説していきます。

注意点

弦交換の注意点は1番線から5番線までの指定された位置に弦を張るように注意することと、全弦が張り終わるまではペグを回して強く張らないことが大切です。

指定された位置を間違えてしまえば当然、弦を張ることは不可能ですし、強く張り過ぎれば弦を切ってしまいます。

全弦を張るまでは緩めに張り、張った弦からチューニングをしないように注意して下さい。

そして張り替えたばかりの新しい弦は楽器に慣れていません。

これはチューニングに合った張力まで弦が伸びていないということです。

弦をチューニングに合った状態まで伸ばすために、何度もチューニングを繰り返して弦を伸ばすようにして下さい。何度かチューニングを繰り返すうちに、弦が伸びていき楽器に慣れます。

また弦交換をした直後に一度だけチューニングをして、あとは数時間ほど放置し自然に慣れさせる方法もあります。

弦交換をした後に、すぐ演奏しない場合はこの方法も良いと思います。

このように楽器のチューニングに合った弦の張りが、更に時間の経過とともに伸びていくことが弦の劣化です。

弦は張力で自然にも伸びますし、ピッキングやヴィブラートなどの振動でも伸びていきます。

特にヴィブラートは弦を引き伸ばして音を揺らしていますので、頻繁にヴィブラートを使うと弦の劣化も早くなります。

暑さや寒さでも弦は伸び縮みしますので、演奏する環境を変える場合は、必ずチューニングを確認するようにして下さい。

そして巻き弦は表面の凹凸が演奏しているうちに減っていくことで、響きが失われます。巻き弦の音に響きが無くなってきたら、弦交換をするのが本当は1番良いです。

ここで弦をできるだけ長持ちさせる方法を、ご紹介したいと思います。

弦を長持ちさせる方法

  1.  演奏後は弦を緩めておく
  2.  演奏後にクロスで弦を拭く
  3.  フィンガーイーズなどのスプレーで弦をケアする

この3つの方法で弦の劣化を防止することができます。

弦を張った状態で、弦にかかる負荷は80kg以上にもなりますので特に長期間、演奏せずに保管する場合は弦を緩めるか外してしまうことをおすすめします。

頻繁に演奏する人で、その都度、弦を緩めるのが面倒だという人は、演奏後にフィンガーイーズ(錆防止スプレー)を吹きかけてクロスで拭くだけでも良いと思います。これにより腐食を防止することができ多少は弦が長持ちします。

このように楽器本体にだけではなく、弦のケアにも気を配るようにしてみて下さい。

まとめ

大正琴の弦は決して高価なものではないですし、解説してきた通り大正琴の弦交換は非常に簡単です。

常に何セットか弦をストックしておき、音の響きが変わったりチューニングが不安定になったら、すぐに交換することをおすすめします。

やはり響きが失われた弦で演奏していても演奏を楽しむことができませんし、不安定なチューニングで演奏を続けてしまうと正確な音感が身に付きません。

また大正琴は何人かのアンサンブルで演奏をすることもありますが、不安定なチューニングや、響きの失った弦の楽器が1つでもあると折角のアンサンブルが台無しになります。

アンサンブルは全員の息が合っていることも大切ですが、それと同じくらいチューニングの安定感や弦の響きも大切です。

楽器のメンテナンス、弦の交換、弦のケアは楽器を演奏する人にとっては練習と同じくらい重要なことでもあります。これらも練習の一環だと思い日頃から意識するようにしてみて下さい。

そして常にチューニングに耳を傾けるようにすることで音感が身に付きますし、弦の響きを意識することにより、楽器の鳴らし方が分かるようになります。

運指やピッキングは練習の積み重ねで誰にでも身に付けることができますが、音感や楽器の鳴らし方は意識することで身に付きます。

どの楽器も素晴らしい演奏をする人は本当に小さなことに気を配り、拘っています。弦の張り方はもちろんのこと、楽器のパーツのネジの締め具合にまで拘り、自分の理想とする良い音を作り上げている人も中にはいます。

このような気配りと拘りが素晴らしい演奏や、自分にしか出すことができない個性に繋がります。

楽器の演奏を1ランク上にステップアップさせるためにも、小さなことに意識を向けるようにしてみて下さいね。