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音楽記号

【音楽用語】シンコペーションの意味と使われ方を簡単に! 曲の実例を踏まえてまとめたよ


現代、様々なリズムの音楽が生み出されており、そのリズムはどんどん複雑なものとなってきました。

そのような様々なリズムの役割や意味を掴んで演奏することは、その音楽をより魅力的に伝えることに繋がってきますよね。

今回はそんなリズム進行の1つ「シンコペーション」の意味や使われ方、奏法について見ていきましょう!

まずは、基本となる「シンコペーション」の意味や種類について見ていきましょう!

【音楽用語】シンコペーションの意味

さて、まずはシンコペーションの意味について見ていきましょう。

 

最初にお伝えしたように、シンコペーションとは、リズム進行の名称の1つです。

「本来ある、正規のリズム進行からずれた状態で進行した」リズム進行のことを指します。

ここで正規のリズム進行についてお伝えします。

皆さん、「強拍」と「弱拍」という言葉を知っていますか?

 

2拍子なら「強・弱・・・・・・」

3拍子なら「強・弱・弱・・・・・」

4拍子なら「強・弱・強(1拍目より弱い)・弱・・・・・」のように、

拍子を持つ音楽は、強拍(重みのある拍)と弱拍(強拍以外の拍)を持っています。

 

そして正規のリズム進行では、この強拍に音楽の重み(アクセント)が来るのです。

 

つまり、「正規のものからずれた状態のリズム進行」というのは「強拍にアクセントの来ていないリズム進行」のことで、これを「シンコペーション」と言うわけです。

 

では次は、具体的に「シンコペーション」の種類について細かく見ていきましょう!

 

シンコペーションの種類

まずは前の復習です!

シンコペーションとは、「本来の正規のリズム進行からずれた状態で進行したリズム進行」のことです。

そして、ここで言う本来の正規のリズム進行では、拍子の中の「強拍」にアクセントが来る進行をするのでしたね。

 

つまりシンコペーションでは、正規のリズム進行では強拍にあったはずのアクセントが、「前」もしくは「後ろ」に移動するのです。

この「前」に来るか「後ろに来るか」という2種類で、シンコペーションは分類することができます。

 

強拍の音が前に来たもの

カエルの歌を例に取り、説明します。

 

拍子は4/4、全て四分音符で

と、演奏したとします。

 

この時強拍に来る言葉は「か」「る」「う」「が」です。

ではここでは、「う」をシンコペーションにしてみましょう。

すると、言葉の位置はこのようになります。

 

 

「う」という強拍の音が移動し、小節線より前に来ましたね。

 

このように、強拍の音が前にずれこんだシンコペーションを、「アンティシペーション」とも言うそうです。

強拍の音が後に来たもの

続いて、強拍が後に移動するパターンについて、説明します。

 

同じくカエルの歌から例を取りました。

拍子は同じく4/4です。

 

 

 

この時強拍に来るのは「き」「こ」「く」「よ」ですね。

このうち、「く」を後にずらすとこのようになります。

 

 

今回は「て」を二部音符にしていますが、休符でも構いません。

 

大事なのは、「く」がもともと強拍のあった位置より後に来たということです。

このような形のシンコペーションを「ディレイド・アタック」と言います。

 

ではこのような2種類のシンコペーションは、何のために使われるのでしょうか?

それについて見ていきましょう!

 

使われ方

さて、ここまでシンコペーションの意味やどんな種類があるのかについて見ていきました。

次に、そういったシンコペーションがどういった目的で、何のために使われるのかについて考えていきましょう。

 

先ほどの2つのカエルの歌の「シンコペーションに変えた」例を見ていきます。

 

原曲も挙げますね。

 

演奏し比べてみるとどうでしょうか。

少し、「変なリズムだな」と感じられませんでしょうか?

それこそが「シンコペーションを使う目的」に繋がります。

 

つまりシンコペーションは、そのリズムを「印象的にする」「記憶に残させる」ために使うということです。

 

ピアノで演奏する際も、シンコペーションを見付けたら「ここは印象に残したいんだ」と理解しながら表現を考えることが大切です。

 

では最後に、ピアノで演奏する際の演奏方法、その考え方について見ていきましょう!

 

ピアノでの奏法

さて、ピアノでシンコペーションを演奏する際、どう演奏するかですが…

ずばり「アーティキュレーション」をどうつけるか、と考えることが大切です。

 

「アーティキュレーション」という言葉は聞きなれない方も多いのではないでしょうか。

「アーティキュレーション」とは、「フレーズに表情を付ける」ということです。

 

つまり、シンコペーションをどう演奏するかと考える前に、「シンコペーションを含むそのフレーズ自体」をどう表現するか考えることが大切ということです。

どうしてそういった考え方が大切か、説明します。

 

前の項目で「シンコペーションは印象付けたいときに使う」と言いましたが、印象的=目立つ、ではありませんよね。

リズムの形が特徴的であっても、基本的にはフレーズの中の1リズムです。

ですから、シンコペーションの表現を考えるには、そのフレーズの表現を考える必要があるというわけです。

 

もちろんシンコペーションは強拍がずれて生まれていますので、ある程度アクセントを感じて演奏する必要があります。

だからといってただ強く引くのではなく、「フレーズの山はどこか」「そのフレーズはどこに向かうフレーズなのか」を踏まえ、適切な強さを持って演奏することが大切ですね。

 

今回お伝えしたことは一朝一夕でできることではありません。

ですがシンコペーションは、曲によってどう弾いたら良いかそれぞれ違います。

そのためこういった考え方を根本に置くと良い、という部分をお伝えしました。

では最後に、今回のまとめをしていきましょう!

 

まとめ

さて、今回は「シンコペーション」について細かく見ていきましたね。

「シンコペーション」は「正規のリズム進行からずれた状態で進行した」リズム進行のことを指しています。

リズム進行では基本的に、「強拍」にアクセントが行きます。

ですが、この原則からずれたリズム進行をする場合もあり、それらを「シンコペーション」と呼ぶのでしたね。

 

そんなシンコペーションは大きく2種類に分かれます。

強拍の「前」にアクセントが来る「アンティシペーション」と、

強拍の「後」にアクセントが来る「ディレイド・アタック」です。

名前というよりは、その性質について覚えておきましょう!

 

そして、シンコペーションはその箇所を「印象的にしたい」「際立たせたい」ときに使われます。

ですが、表現をする際は「印象的に!!」と思いただ強く弾くのではありませんでした。

シンコペーションもフレーズを構成する1要素ですから、どうアーティキュレーションをつけるか考えた上で表現をすることが大切でしたね。

 

「シンコペーション」のように、どう表現するのが良いか1パターンで言うことのできない音楽用語はこのほかにも多々あります。

そのような音楽用語に直面しても焦ることはありません。

今回ご紹介したような基礎的な知識を基にその音楽の中ではどう表現したら良いかを、その都度考えていきましょう。

そうすることで、あなたなりのシンコペーションの攻略法が見つかるはずです。

 

それでは、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!